第24話【対決~〜IN遊園地~~】

GUNshootingの中に入り受付をした。


「何名様でしょうか?」


「2人です」


見てわかるだろと思うだろうが、何名か聞くのは必要事項なんだろうと考えながら涼介は受付をする凜華の後ろ姿をみていた。


「カップルの方ですね、どうぞお楽しみください!」


涼介達は指示された通り中へ入っていった。


「またカップルって言われましたね」


凜華はまたその事について言ってきた。


「そうだな」


涼介は2度も同じやり取りをするのがめんどくさいので適当に流す。


「先輩ちょっと適当すぎませんか?」


凜華はムツけたような表情でこちらを見てきた。


「そんなことは無いからさっさと歩け」


それからすぐに軽く照らされた廊下の先が見えてきた。

そこには乗り物があった。

広さは4人くらい乗れるもので、乗り物で移動しながら360度見渡して打つような感じだった。


「先輩、勝負しませんか?」


凜華の表情は自信に満ち溢れていた。


「いいぞ」


涼介もこの手のゲームはゲーセンでよくやるので自信があったため、了承した。


「じゃあ、勝ったらお願い聞くって事でいいですよね?」


「……あー、まぁ、いいぞ」


涼介は歯切れが悪いものの凜華の提案に了承した。


「自信ないんですか?」


凜華はここぞとばかりに涼介に質問をした。


「違ぇよ、またルールに穴があるんじゃないかと思っただけだ」


「も〜私がそんなずる賢いことするわけないじゃないですか」


「いや、お前1週間前にしたからな、忘れたわけじゃないだろうな」


「そんなに疑うなら先輩へのお願いをもう発表してもいいですよ?」


「じゃあ、教えてろよ」


凜華は涼介のその言葉を待っていたのか口をニヤッとした。

そして、涼介に近ずきに背伸びをして、耳元に口を近ずけた。


「先輩と手を繋ぎたいです」


いつもとは違う甘えたような声色で凜華は言った。

言った後に自信満々にピースまでして見せた。


「おまっ…」


凜華のお願いは涼介に好意を抱いているからと言うわけじゃないのはわかっている。

しかし、頭ではわかっていてもドキドキしてしまうほど先程の凜華は魅力的だった。


「どうしたんですか?

早く乗りましょ!」


凜華は何事も無かったように乗り物に乗った。


「はぁ…」


涼介は溜息をつきながら乗った。


「さっ、先輩やりましょう!」


凜華はノリノリで乗り物の内側にあった銃を取り出した。

涼介も取り出して確認した。

銃の大きさはゲーセンに合ったものと変わらないものだった。


「それじゃあゲームを始めるよ」


動き出したと思ったら両方のスクリーンにキャラクターが現れた。


確かこのキャラはこの遊園地のモチーフキャラだったかなぁ


涼介がそんなことを考えているうちに話が進んで行った。

どうやら、このアトラクションに悪い動物たちが侵入してきたらしく、通りかかったガンマン(俺たち)がその悪い動物たちを退治しなければならないらしい。

動物にはそれぞれ弱点である的があり、そこを狙って打つと得点が入るというものだった。


「じゃあ準備はいいかな?

この街を君たちの手で救ってね!」


そうアナウンスが聞こえると動物が消えて辺りが荒野へと切り替わった。

どうやら始まったようだった。


最初は的が大きいキャラクターが標的だった。

そして、時間が進むにつれて乗り物のスピードが増し揺れも激しくなった。

キャラクターの数も多くなって、最初は出てきたキャラ全てを退治出来ていたが、次第に難しくなってきた。


◇◆◇◆◇◆

【RESULT】

「A(凜華)5600

B(涼介)5900」


「ちょっとー!!」


結果を見て凛花が大きか声を荒らげた。


「なんかあったか?」


涼介は惚けたように言った。


「なんかあったかじゃないですよ

あの流れ普通は先輩が負けるってパターンですよね!?」


確かに凜華に負けてもとても結果は魅力的なものだったかもしれない。


「先輩は私と手を繋ぎたくなかったんですか?」


「いや、そーいうわけじゃないが…」


ただ凜華に負けるのが癪だった


と言えば凜華に子供っぽいと言われそうで言葉を止めた。


「なんですか?」


凜華はその先の言葉を急かした。


「いや、なんでもない」


涼介はそっぽをむいた。


「気になりますよー」


凜華は涼介を追いかけながらそう言った。


「あ、俺の願いは保留な」


そう言って涼介は外に出た。

凜華も続けてやってきた。

その時には既に切りかえていたようで


「次はどこ行きます?」


そう言って、遊園地を楽しんでいるようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る