第5話 思い出

これは一つの姉弟の物語。

その姉弟とても仲が良い姉弟で特に姉の方は文武両道、非の打ち所がないほど優秀。一方、弟の方は姉と真逆の存在で何をするにも上手くできず困っていた。

弟は何時も家族から姉と比べられ忌み嫌われ毎晩泣いてすごし姉も毎晩、可哀想な弟を慰める日々。

ある日、両親が弟を叱っていると所を姉は目撃した。だがそれは叱ると言うよりも暴力に近い行動と判断した姉はすかさず傷付き気を失ってる弟かばい両親に聞きました。(お父様、お母様、何でこんな事をするの)っと、すると父と母はこう応えました。

((クズだから))姉は言葉を失いました。それと同時に両親の軽く、短い言葉に対して姉は怒りと憎悪を覚え姉は両親を手に掛けた。

血溜まりの中、弟は目を覚まし冷たい風が吹き通る窓を見るとそこには血染めのドレスを着た姉が居ました。弟は周りにある死体を見て聞きました(何でお父様とお母様を殺したの?)っと、姉はこう応えました(忘れてしまった)っと‥‥‥


―――――――――――――――――


昼、聡太は親友の真人一緒に昼食取っていた。真人は、やや目元にくまが出来ている聡太に聞いた。


「聡太、お前最近ちゃんと寝てるのか?」


聡太は口に物入れながらモゴモゴと真人に応えた。


「おいおい、ちゃんと飲み込んでから応えろよ」


聡太はゴッキュっと喉にある物を飲み込むと乱暴な声で言う。


「あれから毎日、毎日、放課後に四時間、訓練、訓練、訓練って。ありえないだろ、それも休憩無しだぞ!」


「はは、なんだそりゃ。まぁいいじゃないのあんなに美しく麗しい彼女のパートナーになれたんだし。俺だったらキスする勢いで……あー、聡太すまん俺トイレ行ってくる」


「ん?、ああ、何だあいつ?」


聡太は真人を遠巻きで見ていると真人が聡太の方に振り返り指でハンドサインをしてきた。その事に気づいた聡太は振り向くとそこにはパトリシアがそこに立っていた。


「な、何でお前がここに居だ?!」


「私の名前が聞こえてきたから近づいてきてみれば。はぁ、そんなのはどうでもいいわ訓練の内容に文句があるみたいだからこれからは厳しく行くわよ。ところで一ノ瀬君、勝手だけど貴方のプロフィールと魔力適合力見させてもらったわ。一ノ瀬くん貴方の魔力適合力はあまりにも低すぎるから、明日からの訓練量を増やそうと思うの、詳細はまた連絡するから。それじゃまた」


パトリシアは要件を伝えるとその場を後にした。そんなパトリシアを見て逃げていた真人が苦笑いをしながら帰ってきた。


「はは、すごいな聡太お前のパートナーはまるでハリケーンだな、ん?、っておい!聡太しっかり意識を持て、帰ってこーい」


聡太は片手にスプーンを打ち上げれた鮪の如く気力無くしていた。

放課後、もう日は落ち街灯が暗闇を照らす中、聡太は校内の広場パトリシアと訓練をしていた。


「一ノ瀬君、遅いわよもっとペース上げて走って」


パトリシアの後をヘロヘロと追う運動着姿の聡太は小蝿の如く小さな声でパトリシアに言う。


「す、少し待ってくれ、はぁはぁ、これ以上はもう、む・り」


バタっと地面に倒れる聡太を見ていたパトリシアは頬に滴る汗を服の袖で拭い言った。


「わかったは少し休憩しましょう」


広場の隅にあるベンチに座って2人は休憩する。聡太は持参した水筒をの水を一気に飲み干す。口に滴る水滴を親指で拭き取る、ふーっと深いため息をするとパトリシアが聡太に話しかける。


「ねぇ一ノ瀬君、純青の狐の噂って知ってる?」


「知らないね、何その噂?」


「本当に知らないの?、君もあの場所に居たのに?」


「あの場所?」


「ほら、試験会場に出た狐のお面を被ったヤツよ」


聡太はふと試験を思い出す。そしてその純青の狐の正体がシアだと言う事も即座に理解した。聡太の額から冷や汗がボロボロ滲み出てくる。それを見たパトリシアは言う。


「一ノ瀬君、大丈夫?、少し顔色が悪いわよ」


「あー大丈夫、大丈夫、それでその純青の狐がどうかしたの?」


「いや、ただ学生の間で新種の幻獣など新手の魔法使いなどの噂があるだけよ」


「ふーん、パトリシアさんから見て純青の狐はどう見えた?」


パトリシアは顎に手を当て考える。少し考えるとパトリシアはおもむろに答える。


「そうね私の考察ではアレは魔法使いでも新種の幻獣でも無い、アレは‥魔術人形ドールかな」


「な…なんで?」


「まぁ深い考えがある訳じゃ無いけど、アレの動きを見た時、人間の動きをしてたから?、いや違う命令に忠実に動いていたって言う方が正しいかもしれない。とりあえず動きが正確過ぎたのよ」


パトリシアの考察を聞いて額から再び冷や汗がドバッと出る。


「どうしたの一ノ瀬君、また顔色が悪いわよ」


「大丈夫大丈夫、少し体が冷えてきただけだから」


「そう、なら大丈夫ね」


聡太は話が逸れた事に安堵する。そしてシアとの約束を思い出す―――――――――


「シア血の繋がりブラッド・リンクはもう使わない」


シアは数秒間、無言になる。そして首を左に曲げて聡太に言う。


「理由をお答え願いますマスター。なぜ私の機能の一部を使わないのですが?」


「理由は簡単だ、お前の力は余りにも強すぎる。そしてまだ不明な点があるからだ。それにお前を学園に持ち込む時に魔術人形ドールとして持ち込んだからだ」


「?」


シアは首をかしげて考える動作をした。その様子見た聡太は頭かきながら言う。


魔術人形ドールは基本自分で動いたり考えたりしない、ましてや戦闘なんて術者がいないと到底できない、魔術人形ドールは基本的に術者と魔力糸で繋がっていて、そして三つの操作方法で動いてる。一つ目が思考操作、これは術者が頭で考えた事をそのまま伝え動かす方法。二つ目が手動操作、術者が魔力糸で直接操作する方法だ。最後の三つ目は連動操作この操作方法は文字道理、思考操作、手動操作を同時に行う操作方法だ。だがお前はどの操作方法も当てはまらない、それにお前は自立し自分の意志で動いている。だから使わない」


「…理由は把握しました。ではマスター私から提案をしてよろしいでしょうか?」


「何だ?」


血の繋がりブラット・リンクを使用する鍵を設定するというのはどうでしょうか?」


「鍵だと?」


聡太は眉間にしわを寄せシアのに聞く。


「はい、今までの戦闘では私の独断で全機能を使用していました。ですがもしマスターが希望するなら、全機能の許可をマスタ―に一任する事ができます。どうしますか?」


「そんな機能があるなら始めからそうしてくれ」


「了解、では今から鍵の設定を行います。鍵はマスター思うように設定してください」


シアそう言うと聡太の手をとり自分の胸元に持ってくる。手が胸元に触れた瞬間、聡太とシアの回路の様な模様が浮かび上がり光り出す。


「これは、あの時の模様」


「はい、マスターが私と契約した時に出てきた模様です。これを呼称するなら、言わば血管みたいな物と考えておいて下さい。これはマスターと私を繋ぐ特別な血管、マスターが知っている魔力糸の様な物ではなく直接的に私とマスターの魔力を繋ぐ物」


「なるほどな、確かに強い繋がりを感じる。妙な感覚だな、まるで輸血してるみたいだ」


「時期に慣れますそれまで我慢してくだいさい。では本題に入りますマスター、鍵の設定を行なって下さい」


「具体的に何をすればいい?」


「はい、マスターが思うようにして下さい。例えば何か合言葉とか道具使うとか」


聡太は魔力管が通る手の甲を見ながら考え言う。


「指パッチン何てどうだ?」


「…ではそれで」


作業に取り掛かるシアを止めて聡太は言った。


「おい待て、何だ今の間は?」


「気にしない下さい、ただの間です」


「何だよ、ただ間って?!」


聡太はシアに聞く、だがシアは作業に取り掛かっいて反応が無い。


「マスターできました。それと先程私に話かけませんでしたか?」


「いや、何でもない。それでそれが鍵か?」


聡太はシアの手のひらに乗っている銀色の指輪を手にとって聞く。


「いいえ、鍵はマスターが指で鳴らした音です。これはマスターが指で鳴らした音を私に届ける為の道具です。」


「なるほどな。で、こいつの性能はどのくらいなんだ?」


「マスターを中心に、半径四キロメートル以内でしたら機能します」


「以外に範囲広いな…、分かったじゃあこれからこの方法で動いてくれ」


「了解ですマスター」―――――


追憶する聡太にパトリシアが何度も呼びかける。聡太は三度目の呼びかけで、ハっと我に返りパトリシアの方に顔を向ける。


「大丈夫、一ノ瀬君?貴方三分くらいボーっとしてたわよ」


「ああ、うん大丈夫だよ」


聡太は心配する、パトリシアに対して応える。そんな聡太を見てパトリシアはずっと疑問に思っていた事を聡太に聞く。


「ねぇ一ノ瀬君、何でそんなよそよそしい態度なの?」


「何でって、それは…パトリシアさんがお嬢様だから?」


「何で疑問形なのよ、まぁいいわ、でもこれからそんな態度は辞めてね。もっと楽に私と接しってちょうだい、そっちの方が気楽でいいでしょ?」


「う、うんじゃなくて、分かったパトリシア」


「よろしい、では私も一ノ瀬君、改めて宜しくね」


パトリシアはベンチから立って聡太の前に来て手を差し伸べる。聡太も出された手をとり胸を張る気持ちで応える。


「ああ、よろしくパトリシア!」―――――


翌朝、聡太は親友の真人と学校に行く途中背後から話しかけられる。


「へい、そこのキミー!」


聡太は振り返る誰もいない事を確認すると歩を進めだすそしてまたもや背後から話しかけられる。


「君だよ一ノ瀬聡太!」


聡太は声の聞こえた方向に振り返るだが誰もいない再び歩き出そうとした瞬間、聡太は背後からドロップキックをかまされて前に転ぶ。そして転んだ聡太の前に声の主が姿を現した。


「一ノ瀬聡太こっちを見ろ!」


茶髪で短髪の少女、ミヤビだ彼女は聡太に指差し言った。


「おい、何で2回も無視をした?」


「いや、えーそのー、どこにいました?」


「ずっと君の後にいたわー!」


「ぷっ、あははははは」


突如、真人が笑いだし言う。


「聡太、ミヤビ先輩はお前の後でずっといたぞ」


「いや、でもさっき辺りを見渡してもいなかったぞ」


聡太は制服ついたら汚れを払いながら立つ。するとミヤビの姿が消え再び声だけが聞こえる。聡太は声聞こえる方に視線を下に向けるとそこにミヤビがいた。


「あー、なるほど」


ボゴっと聡太の腹部にミヤビの拳がめり込む。聡太は膝から崩れ落ち悶え苦しむ。そんな聡太を見てミヤビが言う。


「おい、一ノ瀬聡太、何が成る程だって?」


「い…いえ、何でも無いです」


「なら、よろしい」


腕を組み、えっへんと言わんばかりに地面に転がってる聡太を見るミヤビに真人が聞いた。


「ところでミヤビ先輩は聡太にどんな用事で?」


「おーそうだった、そうだった。一ノ瀬聡太、放課後下校時に風魔委員会の教室によるように」


もがき苦しむ聡太が虫の息でミヤビに聞く。


「ど…どうして、ですか?」


「玲さまがお前をお呼びだ、理由はこの前の女子生徒の件だよ。じゃ放課後教室で会おうね〜」


そう言うとミヤビは歩きながら手を振りその場を後にした。聡太はゆっくりと立ち上がり真人に言った。


「と言う訳だ。パトリシアに伝言よろしく!」


「ああ、分かったよ伝えとく」


聡太は真人の反応に唖然とする。


「ん?、どうした聡太?」


「いや、あまりにも素直てっいうかあっさりていうか」


「普通だろ気にすんな。じゃ俺こっちだから」


真人は少し急ぎめな足取りでその場を後にした。

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