第2話 BALLAD

「はい、死神です。あなたは死にました」

 なんて、骸骨ローブ野郎に言われたらどういう顔をすればいい? 私は多分アホな顔をしていたに違いない。

「でも20年寿命残っているので、ロスタイムとして10年の生き直しと異能力が特典に付けられますよ、ラッキーでしたね」

 死んでラッキーとはどの口が言うのか。カタカタ鳴る骸骨の顎が間抜けで、少しばかり可笑しい。

「え~っと、あなたに付与される能力は爆弾生成です。乳首から」

 は?

「だから乳首ですよ、乳首。そんな望むようなものが簡単に手に入るわけないでしょ、人生舐めてんですかあなた」

 空虚な眼窩を見ていると、ドーナツが食べたくなった。よし、食べよう。

 こいつを殺した後でな。

「死ねぇ」

 乳首からまろび出る爆弾、それも漫画ちっくな導火線に火がついた黒玉。わかりやすい見た目はわかりやすいドクロ型の爆発を呼び、死神が巻き込まれる。

「ぎえぇぇ」

 ざまあみさらせ。

 炸裂音。いや、これは私の乳首が生んだ爆弾によるものではない。もっと、こう何か本官的な。

 吹っ飛んできたのは、尻にブリーフの成れの果てを申し訳程度に飾った男だった。

「これは誰だ、変態だ、警官だ! モロチン本官だよ♪」

 死にそう。

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