第43話 日英全軍の門出

ここは国会議事堂待機室。

特例ではあるが、ここで俺たちVDSが代表して日英全軍の記者会見を行うことになっている。

「き、緊張するな、、」

莉々奈がそうぼやいている。

「そうか?莉々奈らしくもないな」

俺がそう飄々と返すと、

「私はこういうかしこまった場があまり得意じゃないの!それに、今回はその中でも最上級に改まった場だしね、、」

「まぁそれは確かにそうだが、、。あんまり改まって、しくじったりするなよ。一応うちの副隊長なんだからな」

「わかっているわよ、、!」

莉々奈がそう弱弱しく答えた。こんな様子だが、俺は彼女が本番に強いことを知っているため、特に気にも留めなかった。

「お前ら、上層部からは副隊長が最年少なんてのは軍隊にあまりないことだから気を引き締めて欲しいっていわれてたぞ。俺が取り仕切るから、お前らはぼろを出さないようにな。主に莉々奈にだが。」

『冬将軍』こと、うちの隊の隊長、一橋 和徳かずのり(30歳)がそう言ってくる。

「もう、、!隊長まで!」

「わかってるよ、俺は」

莉々奈と俺はそう返した。

「莉々奈、普段はあんなに小生意気なのに、今日のお前はいじらしいな!」

そう茶化すように和徳が言うと、

「流石の私でも緊張しますよ!こんな舞台初めてですからね!」

「あんまり気は負わなくていいから、いつもの莉々奈でいてくれればいい。」

和徳がらしくもなく優しい言葉をかける。

「隊長にしては勇気づけてくれるんですね!頑張ります!」

莉々奈はそう元気よく返事をした。

すると、

「いいな!莉々奈は初々しくて。」

そう言いながら笑う巨漢。こいつは海道 正人まさと(25歳)、うちのメンバーである。若くして警察庁警視官にまで上り詰めたエリート中のエリートだが、それを和徳が引き抜いたらしい。もちろんめちゃくちゃに強いことは言うまでもない。

「莉々奈ちゃんは基本的には可愛いからですからね!」

そう言うのは戸崎とざき 明日香(20歳)である。彼女は黒髪ロングの清楚系で、スタイルもよく、あまけに顔も抜群に良いという最強スペックの持ち主であり、魔法にとてつもなく長けている。

「いつもそんな感じならいいのにね」

そう笑いながらしゃべるお姉さん的な人は、エドガー=ストラトス(22歳)。彼女は一見完全にキャリアウーマンであり、背も高く、どんなモデルよりも良いと言えるほどのスタイルに良さを合わせ持っている。この人の魔法は少々怖い。

「それは言えてる。」

そう俺も同調すると、

「もう!輝まで!」

と、可愛らしく頬を膨らませて莉々奈が怒っている。

「あの、、私も緊張しているんですけど、、」

そう言ってきたのは夏目 七海(19歳)。隊の中では莉々奈の次に俺と年齢が近いが背が小さい(150cm)ため心理的にはそう感じない。彼女は動物的可愛らしさがあって、ショートヘアのいかにもロり好きが好きそうな風貌だ。

「七海ちゃんは俺が守るから大丈夫だよ。」

そう言いながら七海の頭に手を置いている長身イケメンは、影山 高貴こうき(24歳)。こんなみてくれとは裏腹に、彼は元世界最強の暗殺者であり、武器抜きの戦闘ならとんでもない強さを誇るが、彼曰く「暗殺業でその技術はあまり必要なかった」らしい。現在は魔法を駆使した戦闘スタイルになっている。

「影山さん!ありがとうございます!」

七海が嬉しそうに高貴に言う。

それを聞いて、高貴はそこら辺の女性ならば一瞬で落ちてしまうほどのスマイルで七海に笑いかけた。

「おいおい、ワシもまぜてくれよ」

そう言って話にはいってくるこの海道以上の巨漢は、アレック=H=ソメリノ(40歳)。元CIA捜査官かつ元英陸軍大将で英国では英雄とよばれるほどの偉業をなしとげたいわば生きる伝説的存在である。この人はこの隊でも上位の強さを誇る。

「相変わらずオーラが半端ないな、ソメリノさんは」

俺はそう言う。

「輝!いうじゃないか、フハハ!!」

そう愉快にソメリノは笑った。

そんなこんなで9人で談笑していると、もう一人のメンバーである、うちの最高頭脳のレジー=ウィリアム=ワトキンス(22歳)が一瞬でこの場に現れた。

「みなさん、そろそろ記者たちも完全に集まったようです。隊長と私が主に進めますので、適宜、指示があったら発言をよろしくお願いします。」

それぞれの仕方で返事が飛び交った。

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