第42話 VDS
ここは日本の東京。。
対悪魔連合特殊交戦部隊、通称VDSの本拠地の一つがある場所。
更に言うと、俺はそこの部隊の副隊長であり、隊長一人、副隊長は俺の他にもう一人いて、俺を含めて総勢十名の対悪魔の部隊となっている。
十名全員世界有数の実力者で構成されており、その部隊の存在は世界中でも極少数の権力者しか知りえない。
三年間もの間水面下で動き続けて、表部隊は衛術協会に任せて、俺たちはアメリカでも悪魔進行を例にした世界の危機を救ってきた。
俺たちの目的は、『破滅の未来にある世界を救うこと』だ。
そして、日英全軍の理事会はそのために名をあげるチャンスをうかがっていたようで、今回のディアボロス軍の攻撃を察知していながらも、敢えてそれを未然に防がず、だが人的被害を最小限にすることでその行為に対する批判を打ち消すようだ。
おまけに、その頭であるディアボロスを討伐したのはVDSの副隊長である俺だから、まぁ、簡単に言うと俺がその作戦の要だったということだ。
最初のよくわからない任務に裏があるような気がしないでもなかったが、そんな壮大な計画があったとは思わなかった。
うちの隊長が言っていたとおり、俺がそのことを事前に知らされていたらたしかに面倒がってやらなかったかもしれない。たとえ任務だと言っても、俺の意思が全くないわけではない。本当にやりたくないことはやらない。
それと、俺が抜擢されたのにはほかにも理由がある。
VDSには、現在現役高校生が俺ともう一人、あわせて二人しかいない。
だが、もう一人はバリバリの魔法使いで表に出しずらかったのだろう。
規格外の魔法を使うから、俺の時以上に怪しまれていたかもしれない。
その分俺だと、抜刀術を扱えるため、例の雷を使わなくても優勝までこぎつけることができる。
小回りが利くというわけだ。
そんな説明を本拠地でたらたらと俺は上司(隊長)から聴いた。
「まぁそういうわけだ。だが、まだ会見が残っている。VDSの表舞台での門出だ。任務お疲れ様と言いたいが、まだそういうわけにはいかない。」
「ああ、わかったよ、、。」
俺は正直体ではなく心が疲弊していた。
いろんなことが起きすぎたのだ。流石に目が回りかけた。
ちなみに、外国にいたはずの俺以外の部隊メンバーは転移魔法陣で日本に戻ってきている。
「輝、災難だったね」
そう笑いながら問いかけてくるのはさっき俺が言ったもう一人の現役高校生であり、更にもう一人の副隊長である大瀬
イギリスと日本のハーフであるため顔立ちは端正すぎると言えるほど整っていて、髪は金色、碧眼の少女である。
ちなみに俺で言う『
そう、ディアボロスが言っていた前悪魔王を倒したのは俺たちだ。
前悪魔王は時間軸の違いにより極大なほどに力を蓄えており、俺の最大級の奥の手と、莉々奈の手助けによりやっとのことで討伐した。
正直、ディアボロスなど比較にもならなかった。
「莉々奈がやってくれればよかったのにな…。」
俺がそう言うと、
「ごめんって!仕方なかったんだから」
「、、まぁ確かに。」
「今度何かおごるからさ!許して!」
嘆願するような目で俺に言ってくる。
「…焼肉な。」
そんな会話をしていると、
「莉々奈、輝、そろそろ行くわよ」
VDSのメンバーであるエドガー=ストラトス(22歳)にそう言われ、俺らは会見へと向かうことになった。
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