第35話 vs悪魔王ディアボロス ②
「早々に死ね、人間。」
闇が俺に迫ってくる。俺は無抵抗にその闇にのまれた。
いや、正確にはわざと飲み込まれた。
「輝、ようやく会えたわね。」
「…。セルジア。」
闇のさなか、俺の前に現れたのは、昔救えなかった恩人だった。
「ずっと待っていたのよ。あなたが来るのを、、私はずっと待っていたの。あなたが仕事に行って、私が襲われて死んでしまってからずっと。」
「・・そうか。」
「ねぇ、私とここにとどまらない?そうすれば、ずっと私と輝のふたりでいれる。もう一人でいる必要はないんだよ・・!」
「セルジア、いや違う何か。ここでお前が出てくるということは、俺はまだ引きずっているのだろう。だが、大丈夫だ。
…俺はもう一人じゃない。相変わらず恋人はいないが、心の底から信頼できる仲間ならいる。それに、今は任務中だ。こんなところで油を売っている場合じゃない。悪いな、さらばだ・・・昔の幻影。」
闇の世界が割れた。否、俺が割った。
「この攻撃は俺には効かない。」
「これも破るか・・。」
「今、お前の軍の参謀に、知り合いが襲われているんだ。だから、過去に浸っている暇はない。」
「お前、この距離でそれがわかるのか・・?つくづく愉快な人間だな。もっと俺を楽しませてくれそうだ!!」
「ああ。蒼電一閃『纏雷・
俺の体の周りを、さっきよりもさらに強大な雷で覆った。その姿は、傍から見たら雷獣麒麟のようだろう。
「高位デビルアーツ+悪・極魔法『地獄纏い』」
ディアボロスの体の周りも、黒く禍々しいもので覆われた。
「いくぞ」
「こい!!」
俺は瞬間移動してディアボロスに蹴りを入れた。
それを受けたディアボロスは、自信の前で腕を構え、禍々しいオーラをそのまま放ってきた。俺はそれを躱す。地面に直撃したそれは地面に大きなクレーターをつくった。
そして、ディアボロスも高速で近づいてくる。俺は眼前にそいつが迫るタイミングを見計らって、刀を振るった。ディアボロスの拳と、俺の刀による斬撃が交錯し、またもや衝撃波、音を生んだ。
決着はしばらくつかずに、お互いの攻撃が何度も何度もぶつかり合う。傍からみたら、それは重なる二匹の竜、まさしくウロボロスのような軌道だろう。5分ほどたっても、この多戦いは決着がつかなかった。
「はァはァ・・。」
「ゼェゼェゼェ・・。」
流石の俺とディアボロスもかなり疲弊していた。
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