12 独り言
とあるマンションの一室。少女は鏡台に向かって座り、髪を梳かしていた。濡れた髪は蛍光灯の光を反射し、鈍く光っている。
「ねぇ、聖」
少女は誰かに向かって話しかける。だがその部屋には独り、彼女がいるだけ。
「新しい魔法使いが生まれたって、ホント?」
返答はない。虚無があるだけ。しかし独り言は続く。
「へぇ……あなたと仲のいい人だといいね」
濡れた髪を乾かし、整えると、ナイトキャップを被った。そして電気を消すと、布団に潜り込む。枕元には、時計と着替えの制服、さらに1つのフォトフレーム。
「でもわたしには……独りでいるのがあってるから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます