第18話 最大の危機
浩正は『椎名探偵事務所』にやって来て、多江に話した。
「名古屋がメチャクチャになった夢を見たんだ?」
「あれだけヒドい目に遭ったんだもん無理もないよ?」
浩正はネプチューン号での事件を思い出した。赤間は未だに発見されていない。
浩正は『ユダの窓』を読んで以来、アメリカの推理作家カーター・ディクスンの作品にハマっていた。『ユダの窓』の発表は1938年。第二次世界大戦よりも前だ。
赤間はディクスンの『魔女の隠れ家』って本が好きだった。
リンカーンシャー州の片田舎、チャターハムの『水松荘』(いちいそう)に住むギデオン・フェル博士を訪ねたアメリカ青年のタッド・ランポールは、そこで不気味な伝説を聞かされる。『魔女の隠れ家』と呼ばれた絞首台の近くに建てられ、今は住む人もなく荒れ果て醜い姿をさらすチャターハム監獄。その長官を代々務めてきたスタバース家の長男は、決まって首の骨を折って死ぬというのだ。
そして、現在の当主マーティンは家に代々伝わる相続の儀式のために、25歳の誕生日の夜をひとりで監獄の長官室で過ごすことになった。長官室に行った証拠として、金庫の中にある書類を持ってこなければならないという。万一のために、フェル博士とランポール、村の牧師のソーンダーズが監獄を監視する中、窓から見えていた灯が12時よりも前に消え、異変に駆けつけたランポールたちは『魔女の隠れ家』の近くの崖下で、首の骨を折って死んでいるマーティンを発見する。そして長官室からは、金庫に保管されていたはずの書類が消え失せていた。この奇怪な謎にフェル博士が挑む。
魔女の隠れ家はまるで、秘密の玉が眠っていると噂されるあの洞窟みたかった。
赤間は三好進って漁師に連れられて天龍島にやって来た。
「最近じゃマスクも品切れでやんなるよな?たまに中国人が来て買い占めたりすんだろ?迷惑なんだよ」
三好進は咳をしていたので、『回復』を使って治してやった。
洞窟にはコウモリはおらず、怪物なども現れなかった。6つの墓の前に来たが何もなかった。
「単なる作り話か?クソッ」
3月1日
村松が勤務していたブラック企業は『タルタロス』ってことを浩正はNHKの夜7時のニュースで知った。
浩正は多江の仕事を手伝っていた。庭には相変わらず巨大な穴がポッカリ。
「徳井さん殺されないといいけどね?」
多江はタピオカミルクティーを飲んでいた。
「今年はどんなもんが流行るのかな?」
浩正はテレビを消した。
上戸有紗は『タルタロス』を舞台にした殺人事件を書こうと思い立った。
タルタロスに幽閉された者たちは以下の通りだ。
ヘカトンケイル族(後に解放)
キュクロープス族(後に解放)
ティーターン族
テューポーン
ティテュオス
タンタロス
シーシュポス
イクシーオーン
ダナイデス
オクノス
朝倉カゲカガミって伊藤和也は間違って読んだ。本当はカゲアキラだ。最近、刑務所にソイツがやって来た。和也は景鏡から魔術を与えられ、刑務所から抜け出した。
警視庁捜査一課に所属する原田顕は嘆いていた。愛する川口真美が死体で発見されたのだ。
川口真美はかつて凄惨な事件を起こして逮捕されていた。
悲しみに暮れる原田に、数日後、犯人の名と居場所を告げる密告電話がかかってくる。 逡巡の末、電話で言われた新宿の廃墟へ向かう。
「やあ、原田さん」
黒い頭巾をかぶった男が背後にいた。割れた鏡に映し出されていた。男は武器などは手にしていなかった。が、呪いにかかったかのように原田は身動きが出来なくなってしまった。金縛りか!?
「僕は武器なんか使わなくても、アンタの心臓を捻り潰せるんだ」
「………」
「嘘だと思うかい?いきなりじゃ面白くないな?最近、肩こってないかい?」
突然、肩がズキズキ痛くなってきた。
「ウ……ガ……」
今度は首が痛くなってきた。
「ガァ……ガ……」
「死にたくないだろ?僕は有田浩正を死ぬほど恨んでるんだ」
有田は今や有名人だ。パイロキネシスや天変地異を操るだけでなく、IQが200もある。
原田は彼の父親、有田幸四郎とかつてバディを組んでいたが既にこの世にいない。
「分かった、一緒にそいつを倒そう」
肩や腰の痛みが突然消えた。
「命拾いしたな?」
河原崎剛三は『アンデッド』に恨みを抱いていた。高川あきらのせいで下半身不随になった。河原崎は原宿にある老人ホームで生活を送っていた。
蒲生俊介、蒲生慶子って夫婦のヘルパーは河原崎によくしてくれた。
「まだ最近入ったばかりで、右も左もわからないんです」と俊介。
ヘルパー歴は長いらしいが、ここに入ったのは2月末だ。
松坂清子は最近、椎名多江から相談を受けた。レイプをされたらしい。相手は猿みたいな怪物だったらしい。
カクエンの仕業かも知れない。
玃猿は、中国の伝説上の動物。玃(かく)、猳国(かこく)、馬化(ばか)ともいう。サルに類するもので、人間の女性をさらって犯すという特徴を持つ。
中国の本草書『本草綱目』によれば、猴(こう。サルのこと)より大きいものとあり、『抱朴子』によれば、800年生きた獼猴(みこう。アカゲザルのこと)が『猨』となり、さらに500年生きて玃猿になるとある。
『本草綱目』では『玃』『猳玃』『玃父』の名で記載されている。玃は老いたサルであり、色は青黒い。人間のように歩き、よく人や物をさらう。オスばかりでメスがいないため、人間の女性を捕らえて子供を産ませるとある。
『捜神記』『博物志』には『玃猿』『猳国』『馬化』の名で、以下のようにある。蜀の西南の山中には棲むもので、サルに似ており、身長は7尺(約1.6メートル)ほどで、人間のように歩く。山中の林の中に潜み、人間が通りかかると、男女の匂いを嗅ぎ分けて女をさらい、自分の妻として子供を産ませる。子供を産まない女は山を降りることを許されず、10年も経つと姿形や心までが彼らと同化し、人里に帰る気持ちも失せてしまう。子を産んだ女は玃猿により子供とともに人里へ帰されるが、里へ降りた後に子供を育てない女は死んでしまうため、女はそれを恐れて子供を育てる。こうして玃猿と人間の女の間に生まれた子供は、姿は人間に近く、育つと常人とまったく変わりなくなる。本来なら姓は父のものを名乗るところだが、父である玃猿の姓がわからないため、仮の姓として皆が『楊』を名乗る。蜀の西南地方に多い『楊』の姓の者は皆、玃猿の子孫なのだという。このような玃猿の特徴は、中国の未確認動物である野人と一致しているとの指摘もある。
南宋時代の小説集『夷堅志』には『渡頭の妖』と題し、以下のような話がある。ある谷川の岸に、夜になると男が現れ、川を渡ろうとする者を背負って向こう岸に渡していた。人が理由を尋ねても、これは自分の発願であり理由はないと、殊勝に返事をしていた。黄敦立という胆勇な男が彼を怪しみ、同じように川を渡してもらった3日後、お礼に自分がその男を渡そうと言い、拒む男を無理に抱えて川を渡り、大石に投げつけた。悲鳴を上げたその男を松明の明かりで照らすと、男の姿は玃猿に変わっていた。玃猿を殺して焼くと、その臭気は数里にまで届いたという。
伊藤和也は、川口真美や児島真紀、明智美香を仲間にした。ハーレムみたくて和也は上機嫌だ。和也は3人の体に呪文をかけて不死身にした。刑務所の壁を叩き壊し、看守を次々に薙ぎ倒し脱獄した。
浩正のスマホが鳴った。
《もしもし、私、中村涼香、今戦国時代にいるのぉ》
「アンタはメリーさんか?」
中村涼香には予知能力が備わってる。
《外に出ない方がいいわ、伊藤たちがアンタの命を狙ってる》
「マジっすか?」
久慈署長は姉川の戦いでかなりの敵を倒したらしい。
穴から森可成と河尻秀隆が出て来た。
「何だよ、ここ?」
森は目をパチクリさせた。ビルや車、飛行機見たことないものばかり。
水車とかないのか?モーターの役割、水車を使うと線香やそばを作ったりする。
2人は中村涼香から浩正を護衛するように任命された。
徳井のあとを木村と平井は尾行していた。
木村はクシャミが止まらなかった。バカ中国のせいで日本は大混乱だ。
徳井は何者かに命を狙われてる。
伊藤が脱獄した話は聞いている。
「刑務官が居眠りでもしてたのかな?」と、平井。
「どーしょうもねー奴だな?伊藤は挨拶しなかったくらいで迷惑かけやがって」
上戸有紗は『山』の玉を使えばモンスターを召喚出来る。愛知県新庄市にやってきた。片脚上臈(かたあしじょうろう)って妖怪が伝わる。
栃の窪という地からハダナシ山という山にかけて現れるという、美しい上臈姿の片脚の妖怪。紙製の鼻緒の草履を履いた者がいると、その片方を奪うという。山吉田村の阿寺には栃の窪を水源とする阿寺の七滝という滝があり、そこには不妊の女性に子宝の霊験のある子抱き石という石があったが、そこへ行くには紙緒の草履を履いていかなければならないとされ、そのような女性が片方の草履を奪われたという。
また山中で、猟師が獲物を一時的に置いて水を飲みに行ったときなど、その隙に獲物を奪い取るともいい、獲物から離れなければならないときなどに、猟銃と山刀を十字に組んでおくか、袢纏をかけておくと、片脚上臈の怪異を避けるまじないになるという。
獲物を奪うのは山男の仕業ともいわれるが、実際には山犬の仕業との説もある。
山小屋の近くで伊藤たちに遭遇したので有紗は片脚上臈を召喚した。有紗は悪人を判別するサングラスをかけていた。
モンスターは有紗の命令に忠実だ。片脚上臈は伊藤のシューズを奪って去っていった。
靴がないので歩きにくそうだ。
「あんまり強いモンスターじゃないな?これじゃ倒せないや」
愛知県渥美郡では夜道を行く先が昼間のように明るくなるものを天火(てんび)といい、岐阜県揖斐郡では夏の夕空を大きな音を立てて飛ぶ怪火を天火(てんぴ)という。
佐賀県東松浦郡では、天火が現れると天気が良くなるが、天火が入った家では病人が出るので、鉦を叩いて追い出したという。
熊本県玉名郡では天上から落ちる提灯ほどの大きさの怪火で、これが家の屋根に落ちると火事になるという。佐賀県一帯でも火災の前兆と考えて忌まれた。
かつては天火は怨霊の一種と考えられていたともいい、熊本県天草諸島の民俗資料『天草島民俗誌』には以下のような伝説がある。ある男が鬼池村(現・天草市)へ漁に出かけたが、村人たちによそ者扱いされて虐待され、それがもとで病死した。以来、鬼池には毎晩のように火の玉が飛来するようになり、ある夜に火が藪に燃え移り、村人たちの消火作業の甲斐もなく火が燃え広がり、村の家々は全焼した。村人たちはこれを、あの男の怨霊の仕業といって恐れ、彼を虐待した場所に地蔵尊を建て、毎年冬に霊を弔ったという。
天火は飛ぶとき、奈良県のじゃんじゃん火のように『シャンシャン』と音を出すという説もあり、そのことから『シャンシャン火』ともいう。『シャンシャン火』の名は土佐国(現・高知県)に伝っている。
怒りん坊の伊藤、超ハイテンションの児島真紀、ビビると爆発する川口真美(幽霊なので爆死することはない。)たちは富士山で平和に暮らしていた。ところがある日、富士山に悲劇が降りかかり、3人は泣き叫んだ。
東京西部の田舎町に引っ越した徳井吾郎は、先祖の墓が開発のために取り壊されると知り、町へ交渉に行く。
しかし、徳井はまともに取り合ってもらえないばかりか、迫害を受けるようになる。
徳井はじっと耐え忍ぶが、命を狙われるようになるに至り、ついに怒りが爆発、反撃を開始する。
「伊藤の仕業に違いない」
📺📺📺📺📺📺、浩正は不思議な光景を目にした。道に大量に同じテレビが並んでる。
「ざけんなよ!こんなに明るくっちゃバレちまう」
伊藤はキレてる。
「ヒャッホー!天気がいいと気分上々⤴⤴」
真紀が踊り出した
「ミヒマルか?懐かしいな?」
真美は深夜2時に明るくなったときに爆発した。伊藤と真紀は運良く木陰でやってたので助かった。
「また倒せなかった、クソッ!」
有紗はキレた。
「何か裏技があるに違いない」
『山の玉 ザコキャラばっか』で検索したが無駄足だった。
浩正に電話した。最近スマホを新しくして扱い慣れてなかった。
「こーゆーわけなんだけどさ?どーしたらいいの?」
「知らんわ、悪い行いとかしてきたんじゃないの?」
徳井の作品パクったから祟られたのかな?
新宿中央公園のゴミ拾ったり、道を迷ってる老婆に道案内してあげたり、捨てられた子猫を助けて手当してあげたりした。
3月11日のことだ。
その夜、有紗は江戸城にやって来た。河童に遭遇した。有紗はひいひいひいじいさんに聞かされたことがある。「その昔のこと。江戸のとある侍に仕える従者が、帰り道に弁慶堀のそばを通っていた。既に夜も更け、周囲には灯りもなくまったくの闇であった。ふと、堀の中から従者を呼ぶ声が聞こえた。見ると、堀の中で小さな子供が手招きをしていた。
従者は、さては子供が水に落ちたかと思い、助けるために手を差し伸べた。しかしその子供は、まるで岩か何かのようにまったく動かず、それどころか従者の方がどんどん堀の中へ引き込まれてゆく。従者は必死の思いで手を振りほどき、家へ逃げ帰った。
家に帰りついた従者を家人たちが迎えると、従者は放心状態の上、全身がずぶ濡れでひどい悪臭が漂っていた。家人たちは水をかけて洗ってやったが、臭いはどうしてもとれなかった。
翌日になると従者は正気に戻ったが、異様な疲労感に満ちていた。やがて4~5日が過ぎると、疲労感は抜け、全身の悪臭もようやく消え失せた。
一連の出来事を知った人々は、弁慶堀に住む河太郎(河童)の仕業だろうと噂したんじゃ」
ひいひいひいじいさんは新選組の隊士だ。この前もファミマでファミチキをご馳走してもらった。
『沖田総司って映画やドラマみたく美男子じゃなかった』『近藤勇は足がメチャクチャくさかった』『土方歳三は函館で死んでなかった……なんてSF小説にありそうだな?』などと耳寄りな情報を教えてくれた。
浩正はテレビを次々に蹴り壊した。
その夜、渋谷のラブホに行って多江とした。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び……」と浩正が昭和天皇の玉音放送の真似をしたらJアラートが鳴り響いた。コロナウィルスで地獄と化した日本に、北が核を放った。東京に黒い雨が降った。
菜々子は泣き叫びながら、瓦礫の街を彷徨った。浩正を探し回った。道玄坂に屍が転がっていた。ヒカリエも粉々になり、列車がありえない形に折れ曲がり、ランドセルがペチャンコになっていた。
蒲生夫婦はサイボーグだった為に運良く生き残った。
菜々子の目の前に子犬が現れた。体長は約60センチメートル。だが、近くにいくとタヌキに似て、尾が約21から24センチメートル、鋭い爪を有していた。
全身に薄赤く黒味がかった体毛が乱生し、髪は薄黒に栗色の毛が交じり、真黒の班があって長く、眼は円形で、耳は小さくネズミに似ており、指は前足に4本、後足に1本ずつあって水かきもあった。
北の空が真っ暗になり、雷鳴が響いた。⚡⚡⚡
獣は雲に乗って空を飛んでいる。誤って墜落した。苛立ったような顔になると、激しい勢いで木を裂き、通行人を鋭い爪で引き裂いて殺した。菜々子は『かまいたちの夜』という古いゲームを思い出した。確か、スーパーファミコンのソフトだ。
獣の正体はかまいたちではなく雷獣だ。
江戸時代の辞書『和訓栞』に記述のある信州(現・長野県)の雷獣は灰色の子犬のような獣で、頭が長く、キツネより太い尾とワシのように鋭い爪を持っていたという。長野の雷獣は天保時代の古書『信濃奇勝録』にも記述があり、同書によれば立科山(長野の蓼科山)は雷獣が住むので雷岳ともいい、その雷獣は子犬のような姿で、ムジナに似た体毛、ワシのように鋭い5本の爪を持ち、冬は穴を穿って土中に入るために千年鼹(せんねんもぐら)ともいうとある。
江戸時代の随筆『北窻瑣談』では、下野国烏山(現・栃木県那須烏山市)の雷獣はイタチより大きなネズミのようで、4本脚の爪はとても鋭いとある。夏の時期、山のあちこちに自然にあいた穴から雷獣が首を出して空を見ており、自分が乗れる雲を見つけるとたちまち雲に飛び移るが、そのときは必ず雷が鳴るという。
江戸中期の越後国(現・新潟県)についての百科全書『越後名寄』によれば、安永時代に松城という武家に落雷とともに獣が落ちたので捕獲すると、形・大きさ共にネコのようで、体毛は艶のある灰色で、日中には黄茶色で金色に輝き、腹部は逆向きに毛が生え、毛の先は二岐に分かれていた。天気の良い日は眠るらしく頭を下げ、逆に風雨の日は元気になった。捕らえることができたのは、天から落ちたときに足を痛めたためであり、傷が治癒してから解放したという。
江戸時代の随筆『閑田耕筆』にある雷獣は、タヌキに類するものとされている。『古史伝』でも、秋田にいたという雷獣はタヌキほどの大きさとあり、体毛はタヌキよりも長くて黒かったとある。また相洲(現・神奈川県)大山の雷獣が、明和2年(1765年)10月25日という日付の書かれた画に残されているが、これもタヌキのような姿をしている。
江戸時代の国学者・山岡浚明による事典『類聚名物考』によれば、江戸の鮫ヶ橋で和泉屋吉五郎という者が雷獣を鉄網の籠で飼っていたという。全体はモグラかムジナ、鼻先はイノシシ、腹はイタチに似ており、ヘビ、ケラ、カエル、クモを食べたという。
享和元年(1801年)7月21日の奥州会津の古井戸に落ちてきたという雷獣は、鋭い牙と水かきのある4本脚を持つ姿で描かれた画が残されており、体長1尺5,6寸(約46センチメートル)と記されている。享和2年(1802年)に琵琶湖の竹生島の近くに落ちてきたという雷獣も、同様に鋭い牙と水かきのある4本脚を持つ画が残されており、体長2尺5寸(約75センチメートル)とある。文化3年(1806年)6月に播州(現・兵庫県)赤穂の城下に落下した雷獣は1尺3寸(約40センチメートル)といい、画では同様に牙と水かきのある脚を持つものの、上半身しか描かれておらず、下半身を省略したのか、それとも最初から上半身だけの姿だったのかは判明していない。
明治以降もいくつかの雷獣の話があり、明治42年(1909年)に富山県東礪波郡蓑谷村(現・南砺市)で雷獣が捕獲されたと『北陸タイムス』(北日本新聞の前身)で報道されている。姿はネコに似ており、鼠色の体毛を持ち、前脚を広げると脇下にコウモリ状の飛膜が広がって50間以上を飛行でき、尻尾が大きく反り返って顔にかかっているのが特徴的で、前後の脚の鋭い爪で木に登ることもでき、卵を常食したという。
昭和2年(1927年)には、神奈川県伊勢原市で雨乞いの神と崇められる大山で落雷があった際、奇妙な動物が目撃された。アライグマに似ていたが種の特定はできず、雷鳴のたびに奇妙な行動を示すことから、雷獣ではないかと囁かれたという。
菜々子はヘビやカエルを捕まえた。新垣結衣はイグアナを飼ってるが、菜々子も爬虫類好きだ。餌をゲージに入れて誘き寄せようとしたが舌が肥えてるのか、近寄ってこなかった。
コツ、コツ……靴の音が近づいてきた。
「大丈夫か?」
死んだはずの幸四郎が立っていたので菜々子は驚き、泣いた。
幸四郎は少林寺拳法で雷獣を倒した、
少林寺拳法は香川県生まれの格闘技だ。
幸四郎は仁王拳を全て使った。
流水蹴、上受突、上受蹴、打上突、打上蹴、内受突、内受蹴、外受突、外受蹴、押受突、開身突、転身蹴、屈身突、屈身蹴、半月蹴、待蹴、下受突、下受段突、外受段突、打上段突 、下受打落蹴。
幸四郎が蘇生した。
《魔術表》
Level2 巨大化 3人目
Level3 飛空 6人目
Level4 回復 9人目
Level5 石化 12人目
Level6 混乱 15人目
Level7 呼び寄せる 18人目
Level8 鍵開ける 21人目
Level9 窒息 24人目
Level10 浮遊 27人目
Level11 防御 30人目
Level12 透明 33人目
Level13 分裂 36人目
Level14 爆破 39人目
Level15 蘇生 42人目
東京が壊滅してから約1年後、ヒドラ『スパロウ』の残党ブロック・ラムロウ蒲生俊介のテロ計画を阻止するため、浩正スティーブ・ロジャース率いるアベンジャーズ有田軍団がナイジェリアの都市ラゴス横浜に出撃する。『スパロウ』は2018年に都内にある派遣会社のオフィスビルを爆破して15人を爆殺した。
有田軍団には、椎名多江、木村智充、上戸有紗、有田菜々子、平井、森可也、久慈、涼香がいた。河尻秀隆は森と反りが合わなくなり戦国時代に戻っていた。
計画を阻止された蒲生俊介は浩正を道連れに自爆を図るが、それを阻止しようとした有紗の行動により一般市民に犠牲者が出てしまう。
有紗はゾンビを召喚させてしまったのだ。ゾンビは4人いて、4人とも殺人大好きのサイコパスだった。
有田軍団はテロ組織と見なされ、追われることになる。
同じ頃、木村も中華街で犠牲となった青年の母親から叱責され、ゾンビの一件を猛省する。
有田軍団を国防軍の管理下に置くことを規定とする『平和協定』が、世界各国の支持を得る。統合幕僚長の細川京太郎は行方不明になっている上戸有紗と椎名多江を除く有田軍団のメンバーに協定への署名を求め、木村と平井、菜々子、森はこれに賛同するが、浩正は「自分で判断する権利と責任が奪われる」という主張から署名を拒否し、戦国時代にいる久慈と涼香はそれに同調する。
そんなとき、担任であった松坂清子の訃報を聞いた浩正は彼女の葬儀に出席し、そこで再会した蒲生慶子が松坂清子の姪であることを知る。
千葉で行われた平和協定の署名式で爆破テロが発生し、演説中だっ足利歩首相が死亡する。
監視カメラの映像から赤間が犯人として国際指名手配を受け、足利首相の息子、勇は彼へ復讐を誓う。今回のテロで赤間はLevel15になった。
浩正と戦国時代から戻って来た久慈は単独で宇都宮に潜伏中の赤間に接触するが、間もなくして隠れ家が警察特殊部隊に急襲され、ドラえもんのコスプレをした足利勇も現れ戦闘になる。そこに平井が軍用ヘリ、チヌークで飛来し、赤間を含む4人を逮捕する。
伊藤、川口真美、児島真紀の3人は『3億円』という莫大な報酬に釣られた。
木村は4人が収容された対テロ対策本部を訪れ、平和協定に署名するよう浩正を再度説得するも拒否される。同じ頃、精神鑑定医を装い施設に潜入した原田が赤間と接見し、彼を再び洗脳状態に戻す。
伊藤が失脚し、ボスになった原田のマリオネットと化した赤間はモータボートで逃走を図るが、浩正とともに東京湾に落下し行方不明、騒動に乗じて久慈も脱走する。
🚤
細川は木村に、浩正たちの身柄を確保するよう最後通告する。木村は漁師の三好進を仲間に引き入れる。漁船を巧みに操る彼は重要な駒だ。
洗脳から覚めた赤間は、自分以外にも原田の手足が存在し、現在もつくばにある研究基地に冷凍保存されていることを浩正に明かす。
浩正、久慈、赤間の3人は、原田の狙いが残りの松坂清子を復活させ更なるテロ攻撃を行うことだと推理する。
蒲生慶子の手引きで装備を取り戻した3人は、徳井、河原崎、そして上戸有紗を仲間に引き入れ航空機を奪ってつくばに飛ぶ計画を立てる。
有紗は罪悪感のあまりに逃げ出そうとしていたのだ。
「逃げてばかりじゃ何もはじまらない」
有紗の言葉に浩正は胸を打たれた。
浩正らの動きを察知した木村は茨城空港を封鎖し、森可也らを従え空港で彼らを待ち受ける。
浩正は原田の計画の件を話すが木村は聞く耳を持たず、遂に両陣営は総力で激突する。
森は槍をぶん回し戦った。
激戦の中、森が浩正側に寝返り、浩正と赤間は離陸に成功する。赤間はLevel15になって以来1人も殺していなかった。
浩正に協力した者たちは逮捕され、東京拘置所に収監される。徳井、河原崎……惜しい人物を手放すことになった。
木村は独自の捜査で真犯人が原田だったことを突き止め、単独でつくば市に向かい、それを察知した足利勇も木村を追う。
原田は3日も寝ていなかった。頭痛や吐き気を覚えた。鏡に映る自分の姿は死人みたかった。
つくばの施設で、浩正&赤間VS木村は一時休戦し、共に原田を捕らえるため施設内を捜索するが、冷凍保存されていた伊藤、川口真美、児島真紀らは原田によって既に全員殺害されていた。3人とも背後から頭をぶち抜かれていた。
原田はさらに、かつて木村の両親を殺害した犯人が赤間であったことを明かす映像を放送する。
赤間はLevel9のときに覚えた『窒息』を使い、木村の両親を殺し東京湾に遺棄して溺死を偽装した。Level10になり『浮遊』を覚えると車や列車を宙に浮かばせて、墜落させて腹黒い政治家たちを圧死させた。
激昂した木村は赤間を攻撃しようとするが浩正がそれを阻止し、乱戦が開始される。
本来は赤間を八つ裂きにしてやりたかったが、白血病で余命いくばくもない妹を助けてやりたかった。
その隙に施設の外に出た原田の前に足利勇が現れる。原田もまた横浜で家族を失い有田軍団への復讐を誓った男だったことを知った足利勇は、彼を殺害せずに逮捕する。
浩正は敗北寸前まで追い詰められるも、赤間の助けが起点となり木村の足元に火を放ち、怯えさせた。
「アンタの両親がこんなこと望んでると本気で思っているのか!?」
木村は浩正を許すことにした。
赤間はつくば市で『蘇生屋』を営み、松坂清子たちテロの犠牲者を蘇生し巨額の富を得た。
椎名多江は戦国時代にタイムスリップしていた。
天正元年(1573年)8月8日、浅井家の武将・阿閉貞征が内応したので、急遽、信長は3万人の軍勢を率いて北近江へ出兵。山本山・月ガ瀬・焼尾の砦を降して、小谷城の包囲の環を縮めた。10日に越前から朝倉軍が救援に出陣してきたが、風雨で油断しているところを13日夜に信長自身が奇襲して撃破した。大将に先を越されたと焦った諸将は陳謝して敗走する朝倉軍を追撃し、敦賀(若狭国)を経由して越前国にまで侵攻した。諸城を捨てて一乗谷に逃げ込んだ朝倉軍は刀根坂の戦いでも敗れ、一乗谷城をも捨てて六坊に逃げたが、平泉寺の僧兵と一族の朝倉景鏡に裏切られ、朝倉義景は自刃した。景鏡は義景の首級を持って降参した。信長は丹羽長秀に命じて朝倉家の世子・愛王丸を探して殺害させ、義景の首は長谷川宗仁に命じて京で獄門(梟首)とされた。信長は26日に虎御前山に凱旋した。
翌8月27日に羽柴秀吉の攻撃によって小谷城の京極丸が陥落し、翌日に浅井久政が自刃した。28日から9月1日の間に本丸も陥落して、浅井長政も自害した。信長は久政・長政親子の首も京で獄門とし、長政の10歳の嫡男・万福丸を捜し出させ、関ヶ原で磔とした。なお、長政に嫁いでいた妹・お市とその子は藤掛永勝によって落城前に脱出しており、信長は妹の生還を喜んで、後に弟・織田信包に引き取らせた。
9月24日、信長は尾張・美濃・伊勢の軍勢を中心とした3万人の軍勢を率いて、伊勢長島に行軍した。織田軍は滝川一益らの活躍で半月ほどの間に長島周辺の敵城を次々と落としたが、長島攻略のため、大湊に桑名への出船を命じたが従わず、10月25日に矢田城に滝川一益を入れて撤退する。しかし2年前と同様に撤退途中に一揆軍による奇襲を受け、激しい白兵戦で殿隊の林通政の討死の犠牲を出して大垣城へ戻る。
11月に、足利義昭は、三好義継の居城・若江城を離れ、紀伊国へと退去した。同月、佐久間信盛ら信長方の軍勢が、三好義継への攻撃を開始した。義継の家老・若江三人衆らによる裏切りで義継は11月16日に自害する。12月26日、大和国の松永久秀も多聞山城を明け渡し、信長に降伏した。
天正2年(1574年)の正月、朝倉氏を攻略して織田領となっていた越前国で、地侍や本願寺門徒による反乱(越前一向一揆)が起こり、朝倉氏旧臣で信長によって守護代に任命されていた桂田長俊が一乗谷で殺された。
さらに、同月中には、甲斐国の武田勝頼が東美濃に侵攻してくる。信長はこれを迎撃しようとしたが、信長の援軍が到着する前に東美濃の明知城が落城し、信長は武田軍との衝突を避けて岐阜に撤退した。
また、信長は正親町天皇に対して『蘭奢待の切り取り』を奏請し、天皇はこれを勅命をもって了承した。
多江は利休をたぶらかし、帰蝶を茶の湯の席で暗殺する。石見銀山から手に入れたヒ素を抹茶に混ぜ込んだ。帰蝶になり変わった多江は信長に急接近した。
天正2年3月11日のことだった。
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