第9話 悪魔の申し子
檜山克典が目を覚ますとかなり昔の東京にいた。テロリストによって東京タワーは破壊されていたが、🗼ライトアップしている。🏪コンビニに入り、ザテレビジョンを立ち読みした。『天体観測』ってドラマが流行ってるらしい。井坂幹久はまだ、この頃神谷警察署の捜査員に過ぎなかった。
「長さん、女紹介してください」
海津英明って筋肉隆々の新人刑事はやりたくて仕方がなかった。
「そんなことより仕事覚えろよ」
「井坂巡査部長」
メタボリックな当麻健刑事課長が井坂を手招きする。
「ボス、何でしょうか?」
「『マリオ』ってバーで殺しだ」
「車用意しましょうか?」
「ヒデ、パトカーなんてまだ早いんだ。若い奴は歩きだよ、現場付近に怪しい奴がいないか調べろ」
「長さん、『マリオ』ってバー知ってんすか?」
「何でわかった?」
「今の口ぶり……」
「前に一度行ったことがあるんだ」
被害者はヤクザ風の男だ。腹を包丁で3回突き刺されていた。遺体が見つかったのはワインセラーの中だ。
「こんなところにいるってことはバーテンかな?」
「ヒデ、冴えてるじゃねえか?」
「それほどでも〜、誰でも銃を撃てますからね〜」
何者かが歴史を変えたのか?タイムマシンで戦国時代に行った奴が織田信長を助け出したとか?
「小学生でもチャカを持ってるくらいだからな?」
井坂には小2になる娘がいたが、娘の通う学校で伊丹友里って先生がマシンガンをぶっ放して生徒を12人射殺した。娘は無事だった。
やがてガイシャが橘豊って春日部ファミリーの幹部であることが判明した。
「さいたまの田舎もんが、東京なんぞで何をしてたんだ」
会議室で当麻が唸った。
「迷惑な連中ですね?カスのくせに」
海津は鼻をほじっている。
僕は井坂渚に恋をしていた。2年3組のクラスメイト。授業中におもらししてみんなから笑われているときに、渚は「翔くんをいじめないであげて?」と優しく保健室に連れて行ってくれた。それから寝ても覚めても渚のことを考えるようになった。
担任の友里先生は他の先生たちから嫌がらせを受けていた。特に2年2組の柊涼介先生は悪質で、友里先生の髪の毛を掴んだりしていた。友里先生が悪魔と化したのも分かるような気がするが、僕たち生徒が何故狙われなくてはならなかったのか?
僕は死にたくないあまりに友里先生をデリンジャーで撃ち殺した。僕は他の生徒や先生たちの命を救ったと新聞にも乗った。
「和泉、おまえ東京タワーの方だったよな?」
友里先生の後任の浅野侑李先生がそうじの時間、話しかけてきた。僕はチリが眩しい光が降り注ぐなか、雪みたいに舞っているのをキレイだと思った。
「そうですけど?」
「昨日の夜、あの辺で殺人事件が起きた、おまえたちを送ってってやる。確か井坂もあの辺だったよな?」
浅野先生は友達とアニメの話をしている渚に話しかけた。怒られると思ったのか、渚は一瞬ビクッ!とした。
「いいな〜私も送ってよ〜」
他の女子たちが膨れっ面になる。
「おまえたちは近いだろ」
浅野先生の軽自動車は生臭かった。僕は吐き気を堪えていた。一瞬、車に死体を乗せる浅野先生の姿を思い浮かべた。
「俺は友里先生を愛していたんだ!それをおまえが!」なんて襲いかかってこないだろうか?僕の心配をよそにキチンと家に送っていってくれた。
国語のテストが10点だったので母親に叱られた。「食事抜きだからね!?」泣きながら勉強して、疲れ過ぎて風呂にも入らずに寝た。
夢の中で渚が校庭を走っていた。
小人が近づいてきた。
「チビ、キモいんだよ」
渚は追い払った。
小人の正体はサイモンサイド・ドワーフ (Simonside Dwarfs) 。彼はイングランド最北部、ノーサンバーランド州サイモンサイド丘陵に伝わる醜い小人である。ブラウンマン (Brownmens) 、ボーグル (Bogles) 、あるいはドゥエルガル (Duergar) の名でも知られる。彼らの長の名はロアリー (Roarie) であると伝わっている。
“Duergar”という単語は古ノルド語で小人、もしくは小人たちを意味するドヴェルグ (Dvergar) から由来している。あるいは“Dorch”、“Dwerch”、“Duerch”、“Duergh”および“Duerwe”といったイングランドとスコットランドの境界線地域における小人を表す方言に、古ノルド語での複数形“-ar”をつけたものだとされる。これら標準英語における“Dwarf”を意味する方言は、古英語の“Dwerg”、中英語の“Dweorh”や“Dweorg”が由来である。
フレデリック・グライスが著した民間伝承書『Folk Tales of the North Country』(1944)によれば、そのうち1人は羊毛のコート、モグラの革で誂えたズボンと靴、羽根飾りの付いた苔で作った帽子をかぶった小人だと紹介されている。
サイモンサイド・ドワーフの伝承は1889年に地元紙『モーペス・ガゼット』と、1930年にティンダルによる『Legends and Folklore of Northumbria』にて言及された。それによると、彼らは日没後にウィルオウィスプのような光を発する明かりで旅人を沢に誘い、迷わせることを楽しみ、明け方になると消えると伝えている。
1902年にはチャールズ・J・チビッツが『English fairy tales, folklore and legends』を著し、“The Duergar”の章でサイモンサイド丘陵の伝承として、荒野を歩き回った旅人が、2つの石と古い門柱のある小屋の灯りを見つけ、膝ほどの高さの小人と過ごした奇妙な一夜の物語を紹介している。
怪物はチェーンソーで渚を切り殺した。
翌朝、渚の胴体が荒川の河川敷で見つかった。僕は浅野先生を疑った。あの生臭さはやはり血液だったんじゃ?
浅野は夢に出て来た怪物みたく小柄だった。
井坂は娘の遺体にすがりついて泣いた。
霊安室に沈鬱な空気が流れた。
荒川警察署の虹川正輝警部補が井坂の背中を擦った。虹川と井坂は警察学校の同期だ。
「あとのことは俺に任せてゆっくり休め?」
霊安室を出た虹川は5年くらい前に荒川でイギリス人男性が殺害された事件を思い出した。小柄な男性だった。
葬式のとき渚の遺影を見たとき僕は死神に誓った。渚をこんな風にした殺人鬼を八つ裂きしてやろうと、あまりにも小さ過ぎる棺にしがみつきむせび泣いた。
僕は浅野を殺すべく行動に移した。
浅野侑李と妻のあずさは、娘、未来の奇妙な言動に悩んでいた。彼女はしばしば情緒不安定に陥り、家を抜け出して徘徊しては何かに取り憑かれたかのように「殺される」と謎の言葉を発した。
浅野は天龍島という島が実在することを知り、そこに未来の症状の鍵があると考え、妻の反対を押し切り未来を連れてそこを訪ねることにする。天龍島は数年後、萬福丸の沈没号で多数の人々が死亡することになる。島に棲む怪物を倒すと凶事を防ぐことが出来るらしい。
島は誰も近付かない深い霧と灰に覆われたゴーストタウンと化していた。途中、女児誘拐犯と勘違いされて竹内洋って警官に追われるものの、2人とも船が消えただけでなく島に取り残され、気が付けば未来も民宿から消えており、浅野は市街の捜索、他の住人への聞き取りなどを進めていく中、次第に不可思議な現象に巻き込まれてゆく。
僕は新宿に行き武器を買った。武器屋のオッチャンが「ガキにあう武器はあまりないな?反動とかを考えるとチャカよりナイフとかの方がいいんじゃないのか?」とペンナイフを売ってくれた。万年筆の中にナイフが仕込まれている。
家に戻り、シャワーを浴びて布団に潜った。渚を殺した犯人が浅野である確証はない。しかし、浅野には恐怖感があった。友里先生をいじめていた柊みたく荒々しさはないが、なんというか……陰湿な恐怖感があった。
夢の中にアサノが現れた。
アサノは農道を歩いており、空には満月が2つあった。後ろから牛が突進してきた。牛は魔術によって使い魔にされていた。
使い魔とは、ファンタジーにおいて、もっぱら魔法使いや魔女が使役する絶対的な主従関係で成り立つ魔物、精霊、動物などのことである。
術者の近くにいる小動物を催眠状態にして使う事が多いが、目的によっては一時的に術者の能力の一部を与える場合もある。強力な術者の場合は使い魔を異世界から召喚したり、竜の牙など触媒から産み出す、護符や宝石に封じておいた魔物を解放するなどの手段を取る場合もある。いずれの場合も使い魔が術者以上の力を発揮する描写はあまり見られない。
使い魔の名前の通り、術者自ら行うまでもない些細な用事を代行する。代表的な用途としては伝言、届け物、留守番、偵察、戦闘等がある。
使い魔は知性や感情を持たないとされることが多い。その場合は単一の簡単な命令しかこなせないが、術者の命令を忠実に実行し決して背く事はない。
牛は『アサノを殺すのじゃ!』と、魔女から洗脳されていた。牛は鋭いツノでアサノを突き刺して殺した。
海津は橘殺しの犯人を逮捕するべく日夜奔走した。井坂は娘が殺され、精神的なショックから休養している。
「海津、長さんの分まで頑張るんだぞ?」
当麻課長はプヨプヨした腹をさすってる。牛丼の特盛を平らげた。
神谷小が突然、井坂幹久率いる一味の襲撃を受け、職員室にいる教師はことごとく殺害されてしまった。井坂はマシンガン、臨時教師の二瓶って青年はヤクザがよく使うオートマチック拳銃トカレフで武装していた。二瓶は伊丹友里が死んだ後に短期間、神谷小にいた。正規教員の浅野が赴任してきて用済みになった。
「浅野!出てこいよ!」
井坂は柊から浅野が怪しいと教えられた。ロリコンでエロ本をたくさん持っていたらしい
二瓶は仕事を切られたショックでビルから飛び降り自殺をして、一度死んだが冥界で起きたクーデターから王を守ったことで特殊能力を施され生き返らされた。
二瓶は瞬間移動を使い、浅野の隠れてる書庫にワープして奴の頭をふっ飛ばした。
朝のニュースで浅野が殺されたことを知り僕は怒り狂った。何のためにペンナイフを買ったのか分からない!
ケータイが鳴った。武器屋からだった。新しいアイテムが出来上がったらしい。
新宿に赴いた。武器屋は百人町にある。表の仕事は美容師だ。それは一見、ゴーグルみたかった。「コイツは危険人物を見抜く優れもんだ」僕は武器屋からゴーグルを受け取ってかけた。武器屋の危険レベルは82だ。やっべーぞ!
渚を殺したのは本当に浅野だったのか?不安になって来た。僕は武器屋を出て職安通りを歩いた。Dって看板が見えて来た。デイリーストアの前でケータイをいじってる奴を見た。危険レベルは100だ。100はかなりの人数を殺してることを示す。奴は青いフレームのメガネをかけた知的な雰囲気を醸し出していた。
「タチバナの奴、いいざまなんだよ?俺をバカにしてっからだ」
奴はケータイを耳に当てヘラヘラしていた。タチバナ、立花?橘!バーで起きたコロシの犯人!?僕はペンナイフで危険人物を背後から襲った。背中をグサリと刺された奴は悶え苦しんでいた。搬送先の病院で亡くなったのを神谷警察署で知った。男の正体は檜山克典、春日部ファミリーに最近入ったが便所掃除やストレス解消の標的として橘なら日常的に殴られていた。
檜山が異世界からやって来たことは誰一人として知る者はいない。
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