第8話 グレムリン

 死人限定。夢の中で怪物を倒した者は蘇生出来る。

 2020年3月、埼玉県のさいたま市。マフィアの幹部である父と母とともに幸せに暮らしていたはるかはある日突然、マフィアの大物多岐川たけしに指示された和泉翔らに家族が惨殺される。迫り来る翔の顔面をナイフで刺して逃亡。父の遺言通り、イギリス大使館に情報を売って渡欧。


 さいたま空港から逃亡してロンドンに住む叔父、檜山克典の家に身を寄せる。すぐに殺し屋になりたいと言って学校を拒否するが、はるかはまず教育が必要だと学校を選ばせる。


 15年後、美しく成長したはるかは残忍な殺し屋になった。東京と横浜は犯罪多発地域となり、銃を携帯することが2エリアのみ許されていた。

 現場に必ず残すアザミの花は復讐相手をおびき出すためのものだった。アザミには『復讐』という花言葉があり、檜山克典は危険だと忠告する。


 はるかは樹里という偽名でラッパーの高遠優作と恋人として付き合っていた。高遠は彼女の素性を何も知らないと友人に悩みを打ち明けるので、高遠が携帯電話で撮ったはるかの入浴シーンの写真を、友人はある男に送る。


 そのことを発端に警察に正体が分かり、携帯電話を逆探知されSATに囲まれる。危機一髪で逃げ切ったはるかは檜山克典の家に帰ると夫妻は殺されていた。


 失うものは何もなくなったはるかは彼女の起こした連続殺人事件を追っている警視庁捜査一課の井坂幹久の家に行き、15人殺した理由は復讐のためといい、協力をしないとロンドンの家族を殺すと脅し、彼のつてでインターポールから情報を得てついに多岐川たけしのアジトの所在地を知る。


 はるかは多岐川たけしのアジトを急襲、和泉を銃で仕留めるが多岐川たけしは彼女が乗ってきたバンで逃走する。


 はるかの夢の中にヒヤマカツノリが現れた。カツノリは宵闇のロンドンを歩いていた。グレムリンが現れた!路肩に停めてあった車が次々に動き出し、カツノリを襲った。

 カツノリは車に轢かれたがそれくらいじゃカツノリは死なない『フェニックスの鎧』を着ていたのだ。この鎧は着ると不死身になる。

 

 機械に悪戯をする妖精とされ、ノームやゴブリンの遠い親戚にあたる。かつては、人間に発明の手がかりを与えたり、職人達の手引きをしたりしていたが、人間が彼らに敬意や感謝をせずにないがしろにしたため、次第に人間を嫌って悪さをするようになった。どの家庭にもグレムリンが一匹は住み着いているという。好物はチューイングガムらしい。


 20世紀初頭にイギリスの空軍パイロットの間でその存在が噂されたのが始まりと言われている。また第二次大戦中は東京に空襲をかけたアメリカ軍爆撃機の乗組員を悩ませた。機械やコンピュータが原因不明で異常な動作をする事をグレムリン効果と言ったりする。またインドの北西戦線に駐留していた英国空軍の兵士たちの想像力の産物とも言われる。名の由来は士官食堂にあった本「グリムの妖精物語」、唯一飲めたビール「フレムリン」の合作とされる。志願部隊のジョフリー・レナード・チェシャー大佐はその名をヨークシャー空港の航空機トラブルのさいに挙げている。またその名はチャールズ・グレイヴズ著『薄い青色の線』(The Thin Blue Line)(1941年)で描かれ、「パンチ」、「スペクテイター」、「ニューヨークタイムス」紙(1942~1943年)でも記事として取り入れられた。


 グレムリンの正体、起源には諸説ある。そのひとつは、元々高い山の頂に暮らしていたグレムリンが、人類が高空飛行をするようになり、その飛行機械に興味を持ち、乗り移ったとされる。計器に指を突っ込んで指示を狂わせる、ガソリンを勝手に飲んでしまうといった悪戯をなす(米映画『トワイライト・ゾーン』にこの話が元となっている一編がある)。


 さまざまな描写で描かれ、身長50センチメートル、体重8キログラム、毛のまばらなジャックウサギに似て渋面を浮かべている。または赤い上着、緑のズボン、頭から角を生やし皮の飛行ジャケットとブーツを着ているという説もある。また水かきのある足にひれのついた種類もあるという。上空3000メートルで活動する種類はスパンデュールと呼ばれる。


 いずれにせよ羽を持たぬグレムリンは空を飛ぶためには飛行機に乗らねばならない。技術的に優れた力量を誇り目標の座標を狂わせる、滑走路を上下させる、燃料を使い尽くさせる、機体に穴を開ける、ケーブルを齧る、等の悪戯をする。一般にそれほど悪意のある妖精に見えずパイロットが無事に基地に集結できるように集団で手助けすることでも知られる。


 カツノリは『勝利の剣』を手にしていた。

 勝利の剣とは、北欧神話に登場する太陽と夏と晴天の神フレイの剣である。自動で戦える武器の1つで、フレイが巨人ギュミルの娘ゲルズへ求婚した際、その使者の役を担ったフレイの召使いスキールニルに褒美として与えている。フレイは、この剣を持っていなかったため、ラグナロクでスルトに敗れ死ぬこととなる。

 剣はグレムリンの体を貫き、グレムリンは断末魔を上げて死んだ。

 檜山克典が復活した!

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