第6話 ズメイ

 モスクワにアズマ・タカシはやって来た。

 ズメイが現れた!

 ズメイ、ズマイ、ズミーは東欧・中欧を代表するドラゴン。地域によって性格は全く異なる。ロシアの昔話や英雄詩ではズメイは悪役や勇士の敵という図式が一般的である。しかしバルカン地方ではズメイには守護竜としての性格が強く、邪悪な竜は、ラミャ(ブルガリア語版)、ハラ、アジュダヤ、アジュダハ等とよばれる。


 ロシア語ではズメイで、ブルガリア語でもズメイであるが、ウクライナ語やポーランド語ではズミー、セルビア・クロアチア語やスロベニア語ではズマイと称する。ルーマニア語のズメウも竜であるが、これは語源が異なるとの説がある 。


 ポーランドではスモクと呼ばれる竜が伝わり(例:ヴァヴェルの竜)、ウクライナやベラルーシでもスモクまたはツモクと呼ばれる竜の民間伝承がある。また、幾つかのスラブ地域では、スモクはただの蛇の意味だが、齢を重ねると竜となるという伝説が存在する。


 吾妻隆は浩正の高校時代の先輩だ。よく、浩正をパシリに使っていた。「揚げパン買って来い!」その高校の学食はクソまずい、みそ汁にゴキブリが入っていたのでそれ以来学食恐怖症になった。

 浩正は妹、菜々子の夢の中でヒロマサとして活躍、女性や子供を川や池で溺れさせようとする水の精霊『ノッケン』を倒すべくヒロマサは旅に出た。妖精から聞いた話だと、これらの精霊のすべてが悪意を持っているわけではなく。実際、多くの物語が存在しているが、女性や子供だけでなく、男性も甘い歌で引き寄せ、聴衆には全く無害という話も少なからず残っている。ヒロマサはレオナルド・ディカプリオみたいな人間を想像したが、ノッケンは巨大な白い馬だった。

 霧が現れると川の近くにやって来た。背にまたがった人間は共に川に飛び込み戻ってこれないと妖精は言っていた。

 ヒロマサは妖刀村正でノッケンを斬り殺した。 

 

 蘇生した浩正は鎌倉に遊びに来た。ある年の8月、由比ヶ浜近くの民宿で寝ていたら吾妻が夢に出て来た。夢から覚めたとき窓の外に満月が出ていた。


 吾妻隆は親友で、陣馬組の若頭、黒磯和也に懇願されて麻薬密売の金を強奪したが、直後に黒磯は態度が豹変、吾妻を撃ち金を奪って逃げた。幸い弾は急所を外れ、吾妻は一命を取り留めたが、黒磯は吾妻の妻の倫子と通じており倫子とともに逃げてしまう。


 1年後、黒磯と倫子の行方を探す吾妻は、柚木と名乗る男から分け前と妻を取り戻す手助けをする代わりに、自分が組織を握るのに手を貸してくれと持ちかけられ、黒磯が倫子をかこっているマンションを教えられた。

 だが、吾妻がそのマンションに行ってみると、黒磯の姿はなく、さらにやっと再会できた倫子は、夫への裏切りを後悔して自殺してしまう。吾妻は倫子に黒磯からの手当てを持ってきた組織の下っ端を締め上げて黒磯の配下のピーチこと桃田信長の名を聞き出す。


 復讐に燃える吾妻は桃田信長を締め上げて、黒磯がナイトクラブを経営している倫子の妹、若葉を新しい情婦にしようとしていたことをつきとめた。吾妻は若葉の協力を得て黒磯のマンションに忍び込み黒磯を締め上げるが、黒磯は吾妻に「金は全部組織に納めて、手元にない」と告げる。吾妻は黒磯から組織の幹部、朽木秀吉・桜庭光秀・横島家康の名を聞き出す。黒磯は吾妻に命乞いをするが、それがかえって吾妻に過去の黒磯の裏切りを思い出させ吾妻の怒りの火に油を注ぐことになる。黒磯は吾妻の手を逃れようとしてビルのテラスから転落死してしまう。


 吾妻は「黒磯と強奪した金の分け前」を取り戻す決意をし、組織を牛耳る3人のボス、朽木、桜庭、横島に次々と迫っていく。3人を車で轢き殺したが、肺炎をこじらせて吾妻は死んでしまった。


 

 

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