第160話親父とお袋
まだ機械にされる前の総帥が行った召喚で俺の父と母はこの世界に来たらしい。
エメリヒは居たがトールとユウヤが召喚される前。
「アインシュタインの
ユウヤは何とも言えない笑いを浮かべて俺の顔を見た。
「核と話せたんですね?」
海誠先生だけは凄く興味深そうに真剣。これもネタになるのかな・・。
「核と話せる人物はエメリヒ、トールと私。総帥に取ってはこの話は黒歴史だった様だ。と言っても当時は洗脳されていたからさぁ。何とも思わなかったんだ。」
クスクスと笑いながらユウヤはまた語り出す。
総帥の異能では召喚は基本、年に1回から多くて4回。
それ以上は無理だった。
総帥は強くなる適性がある人物を選んで召喚していたらしくその時は父を召喚しようと目星を付けたそうだ。
俺にも聞こえた様な脳内メッセージを語り軽い洗脳状態にする。
身分証明出来るものを捨てたら転移スタートなのだが。
イレギュラー・・・召喚開始時に突然現れたのは母だった。
異変に気づいて父に触れた瞬間共にこの世界に一緒に来てしまった。
「総帥は2人同時召喚による異能の使い過ぎ。所謂、異能借金でその場で倒れたらしいよ。」
そして、父と母は記憶は無いが逃げた・・・。
あの夫婦なら何か解る気がする。
1週間逃げ回り記憶が戻った。2人は結婚の約束もした恋人同士だった。
記憶が戻ったが言葉が解らない2人は総帥の元に戻ったそうだ。
2人の意向は不明だが洗脳が効かない父は攻撃を反射する異能と記憶を読む能力。
母は結界師これまた洗脳が効かない。
エメリヒの異能も効かない防御系スペシャリストの2人。
当初はこの世界に住んで結婚しても良いかと思ったらしい父と母。
しかし、この世界に居たらもしも産まれる子が異能者なら母親は死ぬと言う話を聞いて何としても帰還する気になったそうだ。
「そこから異能を使って総帥の記憶を読んで脅して戻ったらしい。それにシュウさん強かったってよ?」
ユウヤはケラケラと笑いが止まらない。
そして、
「多分、君の御両親はこの世界に来た事気づいていると思う。そして、君が戻らなくても許しているんじゃないかな?」
そう言われて、少し思い当たる節があって頷いた。
「総帥にも困った事があったらまた呼んでって言ってたらしいしねぇ。自分達の子供でも良いよ?って笑って帰ったってさ。」
もっと詳しく聞けば良かったね?とユウヤは残念そうに言った。
「やっぱり来るべくして来たんだね。」
ウェンは嬉しそうで。
「カプリスに来てくれてミナキを呼べて良かったよ。」
ボスも嬉しそうに微笑んだ。
「ミナキは異能者のサラブレッドなんやなあ。」
リョウは何か俺の異能に対して納得した様な風に頷いた。
そうか。リョウが聞いているって事は嘘じゃないって事か。
元の世界に戻って結婚したんだろうなあ。
そんな話で盛り上がり明日から世界各地の様子を伺いながら社長と統治していくと決めた。
「今日はゆっくり寝よう。」
「また明日!!」
庁舎のワンフロアは金持ち用のVIPルーム、ホテルの様な部屋が幾つかあり今日はそこへお泊まり。
勿論、ウェンと一緒の部屋。
自宅へ転移しても良かったんだけど何かあった場合で待機も兼ねて。
「ミナキお疲れ様。」
「ウェンもお疲れ様。」
2人っきりになると急にイチャイチャしたくなる。
「部屋、良いね。ホテルみたい。」
「各国の金持ちが政府に泊まったりする時用?らしいよ。」
リョウは元自分の部屋がそのままにしてあったらしく自室へ。ベイクとレイとユウヤも。
後はまあ、お互いのパートナー的な感じで・・・。
リュート達以外はおそらくイチャイチャしてるだろう。
「ねえ。本当に法律が認められたら。結婚しよう。」
ウェンからの突然のプロポーズ。
「うん。俺もそう思ってた。」
嬉しい。
ずっと、そうなったら良いと思ってた。
「きちんと!決まったらプロポーズまたするから!」
そう言って微笑まれると照れて顔が赤くなる。
「嬉しい。」
ウェンに抱き着く。
ずっとずっと一緒。
甘えながら眠りに着く時に父と母の事を思い出した。
そう言えば・・。
フリーターになるって言うのも何も反対しなかったなあ。
お前は自由で良いんだよが口癖で。
JUSTICE&の漫画も2人して読んでたし。
気になっていたのかもしれない。
自由に。好きな様に。
でも、決して仲間を裏切らないように。護れる人になれ。それが教育の信念だった様な。
今、思うと陰陽師好きにさせられたのも母親が意図的にDVDをレンタルしてから始まった気がする。
そして、アインシュタインは子供の俺では無く。
きちんと成長して学生では無くなった俺を召喚したのかもしれない。
偶然では無く必然。
ウェンやカプリスとの出会いもこの人生も運命・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます