第126話ラズ追い詰められる
その頃の俺。
結界にぶち当たる攻撃!!
マジかよ・・・。
偵察したい。
誰の相手?
結界に集中しながら探る。リョウか。
「はぁ。かなりキツいんだけど。」
俺の目覚めていない四神と神人は『白虎、青龍、匂陳、三台』だ。
この結界を張り続ける行為で目覚めるのかな・・・。
あっ・・。結界もヤバいけど。ラズがヤバい。どっ・・!!どうしよう!!!
・・・・・・・・・・・・
ツェレって奴は血の気が人一倍多いのか剣の攻撃が止まらない。
ガチッ!!!攻撃を受け止め睨みつける。
先に仕掛けるか。
受け止めた剣を思いっきり突き飛ばし距離を取った。
凍気を辺りに張り巡らせる。
「氷か・・・。」
ツェレはフッと嫌な笑いを見せた。
俺は熱も炎も効かないぞ?
余裕な表情が気に触るが。
ツェレは先程と変わらず剣を突きつけてきた。
俺の剣も凍気を纏い奴の剣を凍らせる。
そのまま蹴りを入れ凍らせて吹っ飛ばした。
ツェレは上手く着地し直ぐに攻撃に体制に入った。
クソッ!凍らせたのに効いて無い?
心無しか?
「グッッ!!」
剣が俺の服を切り裂いた。
あっぶねっ!!!
スピードが上がったのか。まだこいつ本気じゃ無かったか。
新しい異能は思い付かないが早めに終わらせよう。
凍ってしまえ!
――
攻撃を仕掛けてきたツェレの足元から凍り初め動きが止まった。
ピシッピシッ!!っと音がし綺麗な氷の墓石が完成した。
「凍ったな・・・。」
俺の相手は弱かったのか?
さて、この氷の墓石を斬る!!
確実に凍らせた。そして俺は斬った?!よな?
手応えが無く・・。振り返ると。
「は?何で?」
無傷のツェレがニヤっと笑い立っていた。
「ご馳走様でした。」
奴がそう言った瞬間、もう俺の懐に入っていて俺の鳩尾に鋭い拳が入り俺は宙に舞った。
「グハッ!!」
ゴホッゴホッ!!地面に突っ伏した。
「バーカ!」
ガッッ!!踏み付けられて蹴り上げられた。
痛てぇ・・・。
喉に酸っぱいものが上がってきて吐きそう。
「死ぬ?」
ツェレがまだ起き上がっていない俺に上から剣を振り下ろした。
「あっぶね!!」
凍気を纏った手で剣を押えて凍らせて立ち上がった。
はぁ。はぁ。クソッ!やっぱり強かったか!!
凍らせた剣が溶けて・・?
吸収?!された?!!
「まさかお前?!」
ツェレは満足そうに舌なめずりをした。
「氷も美味いなあ?」
異能を食う異能者?!
間違いない。しかも食ったら強くなる。
こんな異能者・・初めてだ。
どうする?異能を使えば吸収される。
ツェレはクスクスと笑いながら斬りかかってきた。
もう、凍気は使えない!
俺は剣で受け止めたが!おっ!押される!!!
力が段違いに強くなってやがる。
「グッッ!くっそ!!」
「ほら?異能使えば?!」
奴の剣が重い!
体術で?勝てる気がしねぇ!
考えろ!考えろ!考えろ!考えろ!
「クソったれ!!」
全力で押し切って距離を取った。
銃・・ならいけるか?
やるしかない・・。剣を仕舞い銃を手に取る。
銃口をツェレに向けた。
「銃かあ?」
何処までも余裕な奴。
再び凍気を纏い銃を放つ。
――
バン!!バン!!2発発射した。
避けても当たる。
確実に仕留める!!
「まじかよ。」
パシッ!!バシュッ!!と言う音ともにツェレは剣で弾丸を弾いた。
嘘だろ?
「無駄だよー。お前の氷食ったんだよ?」
ケラケラと笑いながらツェレは呆気に取られていた俺の背後に素早く回り込んだ。
「仕舞った!!グハッ!!」
剣が掠った。背中が熱い・・・。少し斬られたか。
クソ!クソ!クソ!
何か・・・方法を・・。
そうだよな。
異能を食う異能者。どれだけ食えるんだ?
食われても食あたり起こすくらい食わせりゃ良い?んじゃねーか?
崖下は海。
海か。
自分の異能を集中させる。
やるしかねーんだよー!!!
ツェレの剣を避けて勢い良く駆け出し崖下へ飛び降りた。
「逃げるのかぁ!!!」
ツェレの叫びが聞こえる。
海に向かって落ちて行く。崖に向かって打ち付ける波は荒く見えた。
上手くいけよ。
――
海に落ちる直前に異能発動。
スウッと俺は水面に着地した。波は渦を巻き初めていた。
「行こうか。海水達。俺の氷の
海水は竜巻の様に舞い上がった。
「行っけーー!!!!!」
俺の身体と共に海水の竜巻は崖上のツェレに向かって巻き上がる!
何か喚きながらツェレは逃げ出した。
飲み込まれろ!!
海水の竜巻は逃げるツェレを飲み込み巻き上がる。
――
巻き上げた海水・・・全部凍らせてやったぜ・・。
はぁ。はぁ。
「まじ、しんどいって。」
そのまま地面に座り込んだ。
クラクラしてきた。倒れそう。
ツェレの気配は完全に消えたな。良かった。
立ち上がれ無い・・。1歩も動けん!!
寝れるなら今すぐ倒れて寝そう。
電話しよ。
「ミナキすまん。」
あの神人をヘルプぅぅ。
「ラズ?!見てた!凄い!海が凍って!!」
ミナキの興奮する声。
「頼む。助けてー。」
了解と言われて直ぐに背後に気配。
本当に助かる。
神人に傷を癒して貰いやっと立ち上がれた。
漁港に戻ろ・・・。限界突破ってまじでしんど過ぎ。
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