第117話空港

毎月15日に政府管轄国の何処かに視察に行くと言う大元帥と元帥。


本日の会議はその話だ。


「リョウ。奴らは何に乗る?いや、建物の屋上?にこの前はヴァルヴァラ達は帰ってきただろ?」

ボスが尋ねた。


「あー。戦闘機3000Bは屋上やな。あれ滑走路がいらんねん。ヘリみたいな感じで離着陸する便利なやつ。それ以外は空港やで。」

博物館で戦闘機3000Aを破壊した後に出来たと言う3000B。視察には3000Bには乗って行かないと言った。


「ジ・パング空港?」

ボスの質問は続く。


「ジ・パング空港の国際線やねんけど。VIPは別棟や。専用機や戦闘機や何や色々ある所。」

ハーミット様はなるほどと言って地図をパソコン画面に出した。

G〇o〇leマップみたいな画面には空港の地図が載っていた。


「あ。別棟ここやで。そもそも政府管轄国に飛行機飛ばへんもんな。んでこの辺が専用滑走路。」

デカい空港の外れの方の建物。


「侵入はなあ。警備おるし。政府異能者しか入れないんやパスがいる。騒ぎを起こさんならこの建物の周りから見るか?一般の方から入って空港の滑走路から乗り込むのを見るか?」

リョウが地図を指差しながら説明してくれた。


兎に角、ボスが見ないと何も解らない。


政府機関から車に乗り空港へ。降りて直ぐに建物内に入るだろうし。

普通の空港内の滑走路って侵入は可能なの?

うーん?俺達なら可能っぽい。


「変装するかあ!」

ボスが笑いながらそう言った。


「変装?確かに今まで何もしないってのが不思議だったけど。」

顔もさらけ出しているし服装も自由だし。

それがカプリスでは当たり前だったけど。


「パッと見バレないくらいにやろうか。」


どんな感じになるのやら・・・。




数日後。

俺とウェンは政府機関の玄関口が見える建物に居る。商業施設の中だけど返って視線がバレなさそう。


「リョウが言うにはそろそろだよね。」

午前9時。

空港にはボスとシアンとリョウ、ハーミット様が居る。

もしもの為に残りのメンバーは駆除屋から転移できる様に待機中だ。


「出て来た。」

ウェンがボソッと呟いた。


あれが大元帥と元帥・・・。

パソコンの画面で見た通りだ。付き添いはアレンとヴァルヴァラか。

こりゃ、見付かったら大バトル。


ボスにメールを送った。


「ノルマ達成。ミナキ、行こう。」

「OK。」

俺達の任務はここまで。後はボス達を祈るのみだ。



・・・・・・・・・・・・・


「今、政府出たみたい。」


空港までは車で40分~1時間程度。渋滞次第だ。


「しかし、イメージちゃうね。」

リョウがそう言った。

そう、変装中。


ちなみに俺は茶髪のカツラ、メガネもかけて服装はラフな感じ。

シアンは黒髪のカツラ、リョウは帽子にメガネ。アルージャは元々目立つ格好では無いんだが。黒のパーカーのフードを被ってサングラス。


「髪の色だけでもだいぶね?」

「一瞬、バレなきゃ良いし。」

まだ一般の国際線の空港内に居る。


スタンバイは間もなくだ。


兎に角、見つからない事が第一。


1度、遠目からVIPターミナル玄関は見た。

車から降りて建物までは数メートル。


チャンスは1度だ。


しかし、もう少し異能の自由が効けばここまでしなくて良いんだが。

なるべく至近距離が理想。


遠目でも良いが全てみたい。


「強さは俺達も見たいね。」

「何かあれば直ぐに駆け付けるから安心して。」

アルージャは国際線ターミナル玄関口からVIPターミナルへ少し移動した所。まだ一般人も居て普通に立っていても怪しまれない位置。ギリギリ見える。


シアンは向かい側の駐車場から。ここも遠いが見える範囲。


リョウは特に見なくても良いので国際線ターミナルへ向かって車両が入る所から連絡を入れてもらう事にした。


そして、俺はVIPターミナルに向かって歩いて行く形を取る。


気配は一般人。


携帯電話をかけながらってフリで。


多分、間もなく。


電話のバイブ音が鳴った。


「行ったで。わかり易いリムジンや。」


「了解。」


1歩ずつ近づく。


リムジンが横を通った。



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