第13章決戦に向けて

第116話ボスの纏まらない脳内計画

エクア・ドルから帰ってきた。俺達にまだ戦争を終結させる力が無いのが悔しいな。

政府は好き勝手過ぎる・・・。


はあ。見事に疲れた!その時の1番の選択肢を選ぶのも俺の役目だが。今回は政府異能者沢山居たし。


と言ってもアルージャがやっぱり1番張り切ってたな。俺は割と楽をさせて貰った。


ゼットもカプリスに入ったし!アルージャもこれから・・。付き合えるのか?

結婚はしてないと言っていたが彼は多分ノーマルだ。こればかりはだいたい見たら解るもので・・。

頑張れアルージャと思って同じ部屋に突っ込んでみたけれどなあ。



ガチャっと部屋のドアが開いた。


「来たよ。疲れてる?」

「話したいと思ってた。脳内の計画を纏めるのに付き合え。」


シアンはエッチをしない日も割と俺の部屋に寝るまで入り浸る事が増えた。


なんと言うかそう言う行動が可愛過ぎる。


「珈琲は?ホット?アイス?」

「ありがと。アイス珈琲で。」

そんなやり取りをしながらシアンはソファに座った。

俺も同じアイス珈琲を入れて隣に腰掛けた。


「獣人居たね。初めて見たよ。人型の時って人間と同じだったなあ。全員B~Aランク異能者だったね?」

シアンはアイス珈琲をひと口飲んでそう言った。


「アルージャは秘密にしすぎだよ。こんなに人数が居たとは思わなかったよ。」

もっと数人くらいかと勝手に思い込んでいたし。普段は人間と見た目同じとはね。


俺の異能で見た獣人は本来の動物の姿をしていて見た瞬間ちょっとびっくりした。

ゼットはそれはデカい狼だった。他の獣人も見たけれど肉食獣しか居なかった。


それは置いといて。

「ねえ?いつ政府に侵入しよう?」

シアンはうーん?と考え出した。


「漫画家さんが帰ると言った日は確実に元の世界に戻らせる日だよね?」

シアンも俺も同じ様にその日に決行するべきかその前に倒しに行くのが良いのか?

悩んでくれている。


「エメリヒとトールを倒せるとするなら早くても良いのかとも思う。」

そう!そこなのだよシアン。


「召喚の異能者のエノキズ?は殺してはいけない。後、政府コンピューターになった総帥はどうしたら良いんだ?壊す?」


「考え纏まらないよね。」

シアンも一緒に悩んでくれるのが嬉しい。


「1度、エメリヒを見てみる?リョウが言ってたよね?毎月何処かに行くって。」

シアンはニヤっと笑う。


「見つかったらヤバいけど?見てみたいよなあ。」

遠くからでも確認したい。そいつのレベルや異能が他に無いか。


「行こうか。その後に決行日を決めようよ。」

シアンはやっぱり俺と考え方が似てる。


「後さあ。メンツなんだけど?」

俺の意見をシアンに告げた。


「元締めとヴェガか。ガブリエルとビクターも呼んだら?」

「ガブリエルとビクターは少し弱いかなあ?でも、ディードのテンションは上がるか・・・。」


決行メンバーと言うのは大事だ。

Sランク異能者を倒すのはコンビネーションが必要不可欠。


1体1でもやれなくはない。

しかし、それはハイリスク。


今回のエクア・ドルで身にしみた。コンビネーションが決まるとSランク異能者も怖くない。

西アン・デスで足りなかったのは俺達のコンビネーションだった。


これだけの特殊な異能者を集めたカプリス。俺の半分は趣味で勧誘してきたメンバー。


「シアンはリュートとオーガってどう思う?」

「へ?あの子達?今後もっと強くなるだろうね。リュートとは異能の相性が悪いからバトルきつかったな。」

シアンは素直に感想をくれた。


「捕まえて、ヴェガに脳内チップ抜いて貰ったらさあ?戦力にならないかな?」

これちょっとまじな話で漫画家さんには世話になったから殺せないって言う条件が非常に面倒なだと思っていた。


「あれだろ?漫画家さんの為にだよね?」

「そうそう。流石、シアン。」

俺の気持ちを察してくれて有難い。


実際にリュートはバックスレーなら楽に勝てる。オーガに関しては俺を初めとして体術は彼より強い。

異能破棄の能力だけが厄介なので博物館襲撃時よりレベルが上がった俺達なら勝てる自信はある。


「カプリスの少数精鋭に加えるか。悪くは無い。うん。」

シアンは鍛えたら面白そうだしね?と言った。


「シアン的には?他に誰が必要?」

腕組みをして考え始めた。


「対洗脳の異能って何だろね?」

「そうなんだ!まさにそこ。オーガの異能破棄って使えるかな?」

ゼットの話では召喚された初期獣人が共倒れさせられた。

これは洗脳を解く方法が絶対必要。


漫画家さんの洗脳は解けた。これはどのレベルでかけられたのか?2年以上彼は洗脳されていたと言うことは結構、強力なのだろう。

しかし、一瞬の洗脳はリョウの話では軽い。


「あー!纏まらねー!」

シアンの膝に頭を乗せてゴロっと寝転んだ。


「プッ・・・。可愛いね。」

「だろ?」

シアンの膝枕は・・硬いな。良い筋肉してる。

髪をサラっと撫でられて心地いい。


「ねえ?この金髪って地毛だよね?」

「そう。上手くメッシュになってるだろ?生まれつき。」

あんまり見かけない髪色、黒と金髪。

染めた訳では無い。


「綺麗だよ。髪だけじゃなくてこの大きな目も。」

シアンが上から見詰める。


「目の美しさはシアンが1番だよ。」

手を伸ばしそっと頬を撫でる。


「キスしたいから起きてよ。しにくいよ?」

「嫌だ。シアンの膝枕で寝る。」

何のやり取りしてるんだか。


これも。イチャイチャかな。


「あんまりそんな事してると勃つよ。」

「プッ!あはは!元気だな?」

今日はしないつもりだったけど。


「泊まるか?」

「そうだね。しなくても良いよ。隣に寝たいんだ。」

シアンにそう言われてキュンとした。


寝ようじゃないか!

「襲うかもしれないぞ?」


「ランジャン。ベッド行こう。」

シアンは嬉しそうに微笑む。


シアンを抱き締めてキスをする。


ベッドの中でイチャイチャしていたら。

いつの間にか押し倒していた。


疲れてたけど。それとこれとは別問題だった。


「しないと言いつつ激しかった。」

「気持ち良かった癖に。」

シアンが照れた様に笑う。


「明日から計画立てよう。会議もして・・・。」

睡魔に勝てずそのままシアンを抱き締めて眠りについた。

うん。明日考えよう・・・。

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