第93話イーヴェンデルタを倒す
俺とディードがこの場に来た時に既にマーシェルファミリーの4人は倒れていた。
ヴェガが言うにはあのリョウとか言うSランク異能者が来たのはエンバスター達とのバトルの最中だったらしい。
突然現れて4~5人を簡単に倒してその場を仕切り出したとか。
ヴェガには裏情報を教えておいたお陰で俺達は今の所、奴を怒らせていない。
嘘ついたらキレる奴だったな。本当に気をつけなければ。
「ヴェガ!」
二手に分かれるか。
「ジハード!」
いや、イーヴェンデルタ2人に俺の異能をかけろって事ね。
不思議とヴェガが何を言いたいのか俺には解る。
双子ってそんなものなのかな。他の双子の異能者見た事ないから解らないけど!!
――
1人目の異能の効きは割と良いな。
重力を受けた茶髪の中年は重さでフラリとした一瞬にヴェガが懐に入り込んだ。
手加減すらしない気だね?
――
ブスりと腹にヴェガの手が入り込み相手は倒れた。
「汚ねえ肝臓だ。」
ヴェガは苦笑いしながらそれを棄てた。
相変わらず・・・見た目が悪い異能だよ。
さて、もう1人。こっちは強いな。
あんまりこのSランク異能者に異能披露はしたくないが。
ヴェガが手こずっていただけあって異能無しでは厳しい。
少し体術を仕掛ける。
スピードは同格か。
「ジハード!」
ヴェガが急かす。仕方ない。
――
効きが悪い。動きが全く鈍らない。
「ぐっはっ!!」
蹴りが入った。見えなかった。何故だ!?
「重力?効かないなあ?」
「くそ生意気!!」
――
イーヴェンデルタの奴はニヤっと笑った。
――
え?まじか!
相殺技かよ・・・。
全く知ってたな?!ヴェガ!!
頷くヴェガ。
ヴェガは後でお仕置だ!!
という事は俺が重力操作しないと俺達は浮くよな?
それは不味いな。理解した。
「ヴェガ!」
全力行くぞ。
――
相手の無重力を上回れ!!
大丈夫だ。Sランク異能者に比べたらこんな奴!操作出来る!
ほんの僅かの隙が生じた。
見逃す事無くヴェガは奴の背後に回った。
――
ヴェガの右手は相手の身体を貫いた。
「グハッ!!!」
吐血して敵はゆっくりと倒れ込んだ。
ヴェガは右手を振り血を落とし何事も無かった様に浄化した。
「ミッションコンプリート。」
「サンキュ。」
ヴェガと見詰め合って頷く。
さて、問題はこの後か?
Sランク異能者の方を見た。
「見事やなあ。良かったで!」
パチパチと拍手をしてニヤリと笑うリョウ。
気付くとアルージャ達も来ていた。
オーガ達に勝ったのか。
此奴・・どう出る?
・・・・・・・・・・・・
ヴェガさんとジハードが勝った!
凄かった。
2人は本当に会話はしなくても分かり合えていたし。技の精度が上がっている。
リョウは拍手しているし。
「さあて!どないしよか?」
リョウが徐に俺達とマフィアを交互に見る。
「俺としてはそっちのマフィアは許せないねんなあ?死ぬ?」
残りのマフィア7人の顔色が悪い。
「後、今さっき来た君らは?何もん?」
リョウはハーミット様達に問いかける。
「カプリスです。」
ハーミット様がそう答えた。
「せやな。じゃ、カプリスは置いといて君らどうしたい?」
リョウがマフィアに聞いた。
嘘の付けない空間。
逃げたい。死にたくない。仇を討つ。政府を倒す。俺は悪くない死にたくない。俺だけは助けてくれ。クソ!カプリスが!お前達も巻き込んでやる!
まあ、等などと。
ペラペラとそう喋ってしまうよね。
「帰ればお前達には仲間がおるんやろ?」
マフィア達は頷いた。
「反乱分子は抹殺やねん。申し訳無いなあ。カプリス達は見守っといてな?」
ケラケラ笑いながらリョウは剣を抜いてマフィアに向かって行く。
今度はさっきより速い!
まだ本気じゃ無かったんだ・・・。
逃げるマフィアを笑いながら斬り付けていく。
この人もヤバい・・・。
7人を体術のみで倒したリョウはニヤリと笑い此方を向いた。
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