第26話ハーレムですか?ただの買い物です!
何だろう。この素敵なシュチュエーション!!
ウェン、ラズ、ジハード様と買い物?!
アジトを出て驚く。本当に堂々と住んで居るんだな。
少し歩くと商店街にコンビニ。スーパー。
立地が良い。
更に歩くとオフィスビルやデパート等がある都会的な街並みになった。
「先ずは閉まる前に銀行に行くか?」
ラズにそう言われて頷く。
何処の世界も銀行ってそうなのかな。
この世界は国民カードって奴で何でもだいたい契約は出来るらしい。
銀行の名前はジ・パング銀行アマル・フィ支店。
スイス銀行みたいな感じかな。世界的銀行って。
銀行の中も良く見る風景だった。窓口が幾つか並んでいて、書類を書くスペースが設けられていて、待ち合いの椅子が並んでいる。
提出する新規口座開設書類はウェンが書いてくれた。
窓口で緊張したが国民カードと書類を出し後は待つだけ。何も疑われる事も無かった。ハーミット様の技術が凄い。
「お待たせしました。ミナキ・フール様。」
窓口に呼ばれて通帳とカードを受け取った。カードも直ぐに作れるのが便利。
何事も無く終了。
「次はどうする?」
「デパート目の前だしスーツかな?」
そう言われて素直にデパートへ。
平日なのに結構お客さん居る。
お客さんも店員さんも多国籍。アジア系もヨーロッパ系もアフリカ系も。様々な人種が住んでいる街なんだと解る。
カプリスはヨーロッパ系とアジア系しか居ない。ボスはクォーターか。でも解りやすい。
「ジハード様はいつもデパートでスーツ買われているんですか?」
エスカレーターで売り場に向かう時に聞いてみた。
「プッ!噂には聞いてたけど。俺も様付けか。」
クスクスとジハード様は笑う。
「まーたー。それ止めろって言っただろ?」
ポンポンとラズに頭を叩かれる。
「気を付けます。えーと。ジハードさん。」
「なるべく呼び捨てに慣れろよ。」
またポンポンと叩かれる。
頑張ろう。
「俺は仕立て屋半分、デパート半分かな。」
ジハード様いやジハードはそう笑顔で答えてくれた。敵に対する時と本当に言葉遣いが変わる。普段は親しみやすい。
紳士服売り場に到着。
デパートの紳士服売り場って殆ど行った事が無かったけれど。多分、日本と変わらない気がする。
老舗百貨店に近いかな。最近のお洒落なショップ系では無い。
ズラリと並んだスーツ。
「何色が良いんですか?やっぱり黒?」
「俺は黒。」
「うん。俺も。」
ウェンとラズがそう言うので俺も黒にしよう。
サイズ読めねえ。
「ごめん。サイズ読めないから選んでくれる?」
何から何まで面倒をかける俺。
「SかMかな?」
そう言って俺の身体に当てて合わせていく。
「ダブルよりシングルにしなよ。若いから。2つボタン位がお洒落かな?」
ジハードがそう言って選んでくれる。
何か就活スーツを選んで貰っている感じだ。
試着してみる。Mだと思っていたがSだ。洋服は外国人サイズなのかも。
ワイシャツは無難に白。後はネクタイに革靴と。
本当に就活する様だな。
お金は全部、ウェンが払うと言ってくれて明日、貰ったら本当に返そう。
と言うかお金、日本円でいくらかかったんだ?金の単位は1シェル。貝?では無い様だ。
「本当にありがとうね。絶対返すし!」
「いいのに。俺達、いつも一気に稼いでいるから。」
ウェンの意見に2人共頷く。
お次は携帯屋。
「普段って何してるの?」
ちょっと気になってた。
「デカい仕事はそうしょっちゅうは無いな。」
ラズがそう言った。
「何もしないと訛るから修行はするね。」
ジハードはそう言う。
「後は個人的に依頼を受けたりね。」
ほほう。
「それはあるな。ボディガードとかな。」
「たまに殺し。後は盗みもね。」
なるほどなあ。俺もそんな感じになるのか。
「大きい仕事は皆でやる。」
それが基本らしい。
「ミナキは先ずは修行だな。」
だな。と3人に言われて納得した。確かにそうだ。
「ここね。皆、メーカー合わせている。」
ウェンに言われて店内に入る。
あー。これはガラケー?みたい。2つ折り携帯。
スマホじゃないのか。
「これ最新。」
スマホじゃないけど。薄いしポケットにも入れやすいか。
「携帯買っても字読めなくて良いのかな?」
ボソボソと店員さんに聞こえない様に3人に聞く。
「翻訳ソフト入ってるよ。」
翻訳ソフト?
「話すとメール作成してくれる機能、後、電話も全部かけれるし。読み上げてくれる。」
なるほどと頷きながら一先ずそれでいけるか?電話無いと不便だしね。
新作の黒の携帯購入決定。
契約書はやっぱりウェンが書いてくれた。
料金は口座引き落とし。携帯の本体は新規は格安だった様だ。そこはこの世界も一緒だな。
いやあ。3人に囲まれて買い物って本当に贅沢!
楽しいし。
「買い物に付き合って貰って嬉しかったです。ありがとうございました!」
携帯屋を出てお礼を言うと
ポンポンとまた頭を叩かれる。痛くないんだけどね。
「お前、本当に気にしすぎだよ。」
「頼っていいんだよ?」
ラズもジハードも優しい。その中でもウェンが優し過ぎる。
「親しき仲にも礼儀ありって俺の国では言うんです。」
優しさに甘えて我儘になり過ぎたら絶対、嫌われる。そこは弁えないとね。
「まあ、その考えは悪くないな。」
ジハードはうんうんと頷いてまた頭をポンと叩いた。
これは俺が小さいから?ポンポンしたいのかもしれない。ちょっと思った。
何だかんだでバニラさん以外は皆デカい。
辛うじてハーミット様とエルーカさんが身長同じくらいかな。
ボスも180センチだろ。ジハード183センチ。ラズはウェンより少し高いから178センチくらいか?
デカすぎ。
「帰るか!」
帰宅する頃には日も落ちて薄暗くなっていた。
「スーパー寄ろう。」
ラズに言われて晩御飯購入。
今日も弁当購入。自炊は給料貰ってから始めるかな。
ハーレムの様な買い物は終了。
俺はウェンの部屋へ行く事にした。
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