第20話主人公と御対面

俺、ウェン、ラズ、ボス、エルーカさんで東側の非常口の前へ来た。勿論、鍵は直ぐに開けられた。

西側はシアン、ハーミット様、ジハード様、バックスレーさん、ディードさん、バニラさん。

ほぼ同時に侵入。1階で激しい音がした。その瞬間激しい警報器の音が館内に響き渡る。

正面突破のセフォルトファミリーが原因かな。


「急げ!先に盗まれる!」

猛ダッシュで下の階に降りる。2階は暗く本当に展示物も無くガランとしていた。エスカレーター横の階段から下へ。


明かりの付けられた1階展示会場。ガラスケースに入れられた物凄く高そうな宝石。


そして、その場には既に警備員と警察官異能者とセフォルトファミリーが対峙して居た。


ゾクゾクっと背筋が凍る様な殺気に満ち溢れていて皆の目も本職の目になっていた。

ボスは目線で行け!と宝石へ向かうように合図する。先ずは1番奥の展示物サファイアのブレスレットへ向けてバニラさんとハーミット様が向かう。


「来やがったな?カプリス!」

警察官の異能者が振り替えった。その瞬間に室内なのに殺気に満ちた風が起こる。主人公!?

間違い無い。顔に面影がある。


「警備員!警察到着までセフォルトファミリーは任せる。僕はカプリスを殺る。」


「君の相手は俺だよ?」

シアンが嬉しそうに警察官異能者の前に立ちはだかった。


翻訳機ピアスと唇にピアス。主人公リュートは異世界人?!俺と同じ日本人だ・・・。


「ミナキ!早く!」

「ごめん。」

ウェンに急かされて結界都合のいい男を発動させる。


「びびったか?」

「異世界人でしかも国が同じだと思って焦った。」

本当にその半端ない殺気にもびびったけど。


主人公リュートはシアンと対等以上に戦闘をしている。シアンが押され気味。強い・・・。

「ピジョンブランへ向かえ!」

ボスの命令でラズとジハード様が警備員とセフォルトファミリーの戦場へ向かって行った。



そして、10人の警察官が到着した。全員、ピアスに唇にピアス。異世界人だ。


到着した瞬間に1人の警察官にセフォルトファミリーの半数以上が一瞬にして倒された。

何した?!見えなかった。強い。

今の所、俺への結界への攻撃は無いが受けたらどうなるんだ?


ボスはダイヤへ向かえ!とエルーカさんとディードさんへ指示し

「行くぞ!バックスレー!」

ボスが到着した警察官へ向かった。



警察官達は各自分かれてカプリスの元へ向かい対峙。

勿論、俺とウェンの元にも来やがった。

異世界人だけど日本人じゃない。


「へー?お前の異能か?」

そう言うや否や激しい蹴りが結界に炸裂した。

バックスレーさんの1打より重いかも!!

クッ・・・!壊れる!!


「お待たせ。」

ウェンの声。

「大丈夫!!本当に時間勝負なんだね。まだ1~2分しか経ってないよ。」

本当に俺達が到着して僅かの時間にセフォルトファミリーは壊滅。

警察官はカプリスメンバーとバトル中だ。


「行くよ。」

ゾクリと背後のウェンの殺気を感じる。そして


――標的識別ターゲティング――


――光弾連射ショットガン――


俺の結界を突き抜け目の前の異世界人に先ず1発。当たると爆音と爆風で思わず再び結界を張った。

音速の回避不可能な光弾が5発も放たれた。

本当に追尾する。一瞬避けた警察官も居たが。

火傷を顔や全身に負った様な状態で目の前に居た警察官は倒れた。

他の警察官も当たった瞬間を見て居ないが倒れていた。


「久々、こんな沢山打ったな。」

ウェンは満足そうだ。


「ミナキ、俺は大丈夫!行け!」

すぐ様、他の人の元へ行けと促された。

ウェンはボスやラズと対峙している警察官の元へ。

セフォルトファミリーを半壊滅させた奴が相当強い様だ。ボスと1体1勝負している。


俺は・・・。

バニラさん!ハーミット様!

そう思った瞬間やっぱり身体が即座に反応する。


――結界都合のいい男――

警察官の撃った銃弾を全て止めた。


「この一瞬が助かる!」

「発動!!」

バニラさんとハーミット様はニヤっと笑い


――節制テンパランス――


――初期設定デフォルト――


異能を発動させた。

バニラさんの異能は相手の能力を本当に節制させる。ハーミット様は意味通り相手の異能値の初期化。

所謂、デバフ系異能者。

だいたいその後に体術で片付ける。


俺の結界から抜け出し警察官を2人は剣で分断・・・。

「うっわー。」

残酷過ぎる死体に顔が引き攣る。リアルに見るとキツいがそれを見て吐き気も起きない俺の身体と根性に驚く。異能者ってやっぱりちょっとイカれてるのかも。


「いやいや。やはりミナキは最高だよ。」

ハーミット様が満足そう。

「あっ!直ぐにエルーカの元へ!!」

バニラさんにそう言われて後ろを振り返る。


「まーにーあーえー!」


――結界都合いい男――


多分、俺が居なくても皆、無事なんだろうけど無傷って訳では無かっただろう。

俺の結界は警察官と警備員2人の炎と鎌鼬の様な風系の異能を跳ね返す。


「いやー!やっぱりお前の異能は良いねー!」

「ありがと!」

ディードさんとエルーカさんは無傷。良し!


「じゃディード殺っちゃって。」

エルーカさんがニッコリと促す。エルーカさんの武器職人の異能はその人に合った武器を創るだけでは無い。その対峙する異能者に勝てる武器も創る。


ディードさんはエルーカさんから武器を受け取った。

武器は刺股の様な長い槍だった。

「お任せあれ!」

ディードさんは槍の長さを利用して距離を取りつつ異能発動して槍の能力を高める。

シュパッ!!

警備員が斬られ床に転がる。


――縮小自在リダクション――

「グハァ!!」

警察官が苦しみ出す。見ると警察官の着ている服が彼を締め上げている。

無生物なら何でも小さく出来るんだ!

ディードさんは一瞬を見逃さず槍で警察官の首を撥ねた。


「うっわー・・・。」

また嫌なものを見てしまった。


「ありがとうな!ミナキ!」

ディードさんもエルーカさんも嬉しそうだけど。今度の死体も見たくない状態。


「ほら!シアンが危ない!!」

エルーカさんがそう言った瞬間俺はもう動いて居た。

大忙し。


――結界都合のいい男――

主人公リュートの剣を受け止める。


「シアン。お待たせ。」

かなり傷だらけで流血もしているシアン。

「大丈夫。楽しんでいるから。」

シアンは激しい殺気を放ちニヤリと笑う。


「クソ!結界か!!」

リュートが異能を集中する様に剣に異能を溜める。主人公もバックスレーさんタイプで魔法系では無い。

ひたすらに体術と剣術が強い。


剣一撃目!!結界に亀裂が入る。

俺にも意地があるんだよ!!


負けない!護れ!護れ!護れー!!

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