第11話ミッション
「自己紹介も終わったし3日後に決行するミッションの説明しようか。」
ボスが真面目な顔でハーミット様に俺にパソコン見せてあげてと言っている。
「エバーステイ博物館の見取り図。」
ハーミット様のパソコンには博物館の図面が載っていた。
「世界の宝石展があるんだけど。」
「盗むんですね?」
これはカプリス2回目の登場の事件か。どのくらいの時期かだいたい解ったぞ。
「話が早くて良かった。そう。ピジョンブランのネックレスとダイヤモンドのティアラ、サファイアのブレスレットがメインで盗みたい品かな。」
ハーミット様が画面を変えて写真を見せてくれた。めちゃくちゃ高そう。
日本で言うなら叶〇妹とかデ〇ィ夫人とかが身に付けてそう。いや?もっと凄いか?何カラットあるんだろう。
「ミナキはひたすら護りに徹して欲しい。と言うのも他のマフィアもこれを狙っている。恐らく警察とマフィアとうちのバトルになるだろう。」
警察にマフィア。確かにそうだった。マフィアの組織の名前とか忘れたけど。
「さて、ミッションだ。シアンとジハードはセフォルトファミリーの同行を探って欲しい。自分に被害が出ない程度なら遊んで良い。」
ボスがそう言うと2人はニヤっと笑った。
「アルージャは引き続き警察と政府の同行をハッキング。バニラとディードは博物館内を再調査。変更事項が無いか確認。」
了解。3人は頷く。
「後はウェン、ラズはミナキの相手をしてやってくれ。3日で異能力を強化。」
えぇぇ!!まじか!
「本番で使えないと意味無いからな。荒野でやるか。」
ハングマン様がそう言ってくれて俺はもう嬉しくて大きく頷いた。
「後の奴らは目立つ行動をしなければ自由。」
ボスは解散!!
と言って立ち上がった。
シアンはマフィアの偵察で浮かれている様で早く行こうとジハード様を急かしている。
マフィア相手に出来るからもうウズウズしている様だ。まあ、良いか。
俺は・・・・。ウェン様に修行して貰えるー!!!!
ヤバい。もう幸せ過ぎる。
「俺達も行動開始!」
「はい!!」
ガラっと4階の窓を開けハングマン様は飛び降りた。
「まじか。」
その俺の発言にチラリと蔑むような目でウェン様が見て無視して飛び降りて行った。
その目!!!堪らん!
「おりゃ!」
追い掛ける様に飛び降りる。力を抜いて身体のバネを使う様に。
フワリと浮くような感覚が起こりストっと着地した。
「出来た!」
勿論、褒めてもくれないが2人は待っていてくれた。
そして雑木林に入って行く。
「あの!ハングマン様!」
「ん?様?お前面白いな。ラズで良いよ?」
恐れ多くて呼べる気がしないが頑張る。
「俺もウェンで良い。」
「ええええ!!呼び捨て?!」
狼狽えると2人とも変な奴だなあと言う顔をする。
「いや、1番下っ端だし。多分年下だし。」
今まで彼等を呼び捨てにした事ないし!
「何歳?」
そう聞かれて19歳と答えた。
ウェン様何歳なんだろう?兎に角カプリスメンバーって年齢不詳。
「俺は24歳。確かに若いな。ボスは26歳。」
ハングマン様がそう答えた。年齢ゲット!
「俺、いくつ?」
「ウェンは?20歳くらい?」
知り合ったのがこの位の見た目だったから?と2人で何やら話をしている。やっぱり不詳なんだなあ。
「じゃあ。俺は20歳前後。ミナキと同じくらい。だから呼び捨てで。」
ウェン様は仲間内では結構喋るんだな。
知らなかった。そしてそれを知れて嬉しい。俺にもめちゃくちゃ話してくれるし。
「ウェンがこんなに話すのは珍しい。良かったな。」
ハングマン様がニヤっと笑う。
「結界は俺の異能発動するのに便利そう。」
ウェン様はシラっと答えた。そうだ。ウェン様の異能って発動に時間がかかる溜め系魔法だ。
「ウェンらしいな。あはは。ウェンはこう言う奴なんだよ。」
ハングマン様はそう言って悪いなあと言うが。
「是非とも利用して下さい!!それしか脳がないんで!」
ウェン様に利用されたい。これ本当にまじで。
「こいつやっぱりちょっと変な奴。面白いけど。」
俺の発言にフッと笑う。幸せ過ぎる。
雑木林を抜け荒野に着いた時には結構打ち解けていた。頑張って名前で呼べる様にしないと!
「さーて。異能力を伸ばすねえ。何するかな?」
ラズ様はやる気満々な様子でストレッチ中。名前の様付けなら何とかいけるかも。
「ラ・・ラズ・・ダメだー!ラズ様かウェン様が攻撃して俺が結界を発動すると言うのはどうでしょう?」
2人は苦笑しながらやるかと言ってくれた。
「ラズとバトル楽しそう。」
「負ける気はしないな。」
ニヤリと2人が笑い合う。
カプリスメンバーって全員好戦的なんだよね。
2人はじゃんけん中。先ずはラズ様と俺がコンビを組む。
護ろうと言う意思で発動するんだよなあ。
って2人の動きは何じゃーい!早い!
シアンもいつの間にか警察の背後に回って殺してたしな。
俺も動けるのだろうか?
「ボーッとするな!」
ラズ様から突っ込みが入り参戦。
まだ2人とも異能使ってない。ただの殴り合い。いや、避けてて当たってない。
ラズ様寄りに参戦。
ウェン様の目にゾクゾクっと悪寒が走る。
本当に強い。知ってたけれど。
ボス、シアン、ウェン様、ジハード様は誰が1番強いかと良くファンの間で討論されていた。
異能発動する事も出来ずにウェン様の蹴りをまともに食らって吹っ飛んだ。
「バカ!何やってんだ!!」
ラズ様の怒鳴り声が聞こえる。
クソ!好きだけどそれとこれとは別!
「油断大敵。」
ウェン様が剣を抜きラズ様に斬りかかる。
そう、この瞬間って何故か身体が無意識に動くんだ。
俺はラズ様の横に居た。
発動
――
ラズ様も簡単に斬らせる気は無く刀を抜いていたが。
ウェン様は俺の結界の手前で寸止めしていた。
「これ斬れるかな?」
冷酷な目で俺の結界を見て
ウェン様の刀に異能の能力が加わり俺の結界はスパっと斬られて破壊された。
「これではダメだね?」
冷たく言い放たれる。
解っていたけどこんなに差があるんだ。
「俺が最初に見たやつより弱い。」
ラズ様が俺を冷ややかな目で見る。
手抜き?
そう言いたそうな。
「待てよ。アルージャが言ってたなあ。発動条件。もしかして仲間相手には本来の能力を発揮出ないのか?」
ラズ様にそう言われて。俺もハーミット様の言葉を思い出した。
「それでも、やらなきゃな。異能力が伸びてなかったらボスが煩い。次、ウェンと組め。」
ラズ様に言われてもう一度チャレンジする事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます