第3話
キーラ様と別れてから、これから僕がこの世界で生活をする自室に数分くらいで着いてしまった。
僕はもっと時間がかかるのではないかと思ったのだけど、
その時脳内で、「魔力の発動を感知しました」っていう機械的で女性の声が聞こえたんだ。
まあ、そんなことは置いといて、僕がキーラ様と別れる前にした、
jobについて、まずは話そう。
jobとは、この世界に住み人々が生涯就くことになる、いわゆる一生変えることの出来ない職業的なものである。それか、特技的なものでもあるのかもしれない。
それと、jobは自分で選ぶことが出来る。(これは大事にな事なので)jobは自分自身で選べれるのだ。
まあ、考え方は人それぞれなため、ここでは、どうこう言いはしない。
jobにも色んなのがあり、まあ、ここは異世界なので冒険者で例えよう。
冒険者として生きていきたいのなら、魔物と戦うために必要な『戦闘系』jobが必要となってくる。
『戦闘系』にも色々な種類のjobがある。一つ目は、【剣】【拳】【棍】などといった近接系のjobだろう。二つ目は、【魔法】【弓】【投】などといった遠隔系のjobだろう。三つ目は、【盾】という護り系のjobだろう。
まあ、他にも色々なjobがあるのだが、冒険者で例えてみるのならこんな感じだろうか。
僕はベッドに横になり、脳内に出ている
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『クリエイト』
――クリエイトとは、普通ノーマルスキルにある錬成とは違う。錬成で作れるものは、形状を変化させ違う形状にさせるというスキルだ。例えば、形状変化によって剣の斬る部分を錬成するには『鉄』『銅』そういった類の物が必要になる。だが、クリエイトは何もない空間からただ想像しスキルを発動させるだけで、作ることが出来る。いわゆる、神代スキルみたいなものだろう。
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へぇ~~、なるほどね。
だから、キーラ様は僕にそう言ってきたのか。
「それなら」
そう口にすると僕は『クリエイト』を発動させた。
すると、目の前で一粒の光が現れる。そしてほんの数秒でその光は僕の腹の上に落ちてきた。
落ちてきた物を僕は手で拾い、目で確認をする。
そこにあったのは――僕がこの前まで何度も読み返していたお気に入りのライトノベルの表紙だった。ちなみに、そこに写っていたのは、
「おおーー‼」
異世界に来て初めて使ったスキルが正常に発動して、歓喜の声を自身の口から上げた。
まさか本当に出来るとは思ってもなかったけど、本当に出来たとはね。でもこれで、『クリエイト』に関する一応の検証は出来た。
「……‼」
そこでふと、僕の口から出た声のボリュームに気が付いた。
大丈夫かな。興奮してたから結構な大きさだったけど。
僕はそんな心配をしながらも、脳内にあるステータスを確認をする。
その後もステータスを確認していたが、僕の声のボリュームに反応して部屋に来る人は誰一人いなかった。
◇
真っ白い部屋。
そんな部屋の中に二人の少女がいた。
一人は、この城のお姫様・キーラ。もう一人は、キーラの幼馴染でありメイドでもある・ミリーミラン。
白い椅子に座っているキーラの隣で立っているミリーミランはふと口を開いた。
「キーラ、さっきの子に言ってた事――」
「ああ、そうよ。実際使えるスキルかわからなかったけど、ああ言っておくのが一番良い策だって思ったのよ。まあ、でも戦闘で使えなくても、戦闘に使える物は死ぬまで作らせるんだけど」
キーラはそう口にして先程までしていたニコッとした笑顔がなくなり、ニヤニヤと笑う。
ミリーミランはそこ言葉を聞くと、
「やっぱりね。今までスキル参考書を読んできたけど『クリエイト』っていう固有スキル聞いたこともないもの」
そう言ってキーラと同じように笑った。
そう、この国にいる人間族の人々だけは、魔人族殲滅という目標を掲げていた。
しかしその事を知る者は、この異世界に召喚された者ですら知らない。
だが、もう少し先になるかもしれないが、雫伊真冬しずくいまふゆは自身のスキルを駆使して知ってしまう。まあ、めんどくさがりやな彼はそんなことなど気にもしないのだろうが。
◇
眠たい瞼をどうにか開きながら確実に寝落ちるまで、僕は今体を限界まで疲れさせていた。
「……もう……限界、かな……」
僕は限界に近くなった体の一部、口をどうにか動かしてそう口にした。
と、その前に、僕がこの異世界で自由になる為の話を思い出そう。
あの時僕がキーラ様と話した内容はjob以外にもう一つあった。
それは、一ヶ月後に控えている検査があるということだ。
その検査では、魔物や魔人族と戦う【戦闘術】やまあ、その他諸々をしっかりと身に着けているかというものだ。
そして僕はその検査で最低な結果を出し、自由になる。だって、面倒なことは嫌いだしね!
そこで、
『やっぱりね、真冬はめんどくさがりだもんね!』
そんな少女の声が僕の脳内に響いた。
だが、その瞬間、僕の眠気は一気に強くなり倒れるようにして意識を失った。(はず)
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