転生令嬢とステータス。2
先程確認した私のステータスは、前世のものをそのまま引き継いでいたことが判明し、隠蔽しやがった精霊王への怒りが治りません。
あの後すぐに解散し、自室のベッドでゴロゴロしてます。
あのステータス、隠蔽されて衝撃が少ないとはいえ一般と比べるとやはり異常では?
考えれば考えるほどベネに腹が立ってきます。
駄目だ、即刻殴り込みに行かないと気が済まない。
≪仕方ないよ、だってあの人悪戯っ子だから≫
そう宥めながら私の部屋で寛ぐイアに、私は溜息を吐きました。
「知ってた。だからシバきに行く」
≪待て待て待て!! 早まるな! 一旦落ち着け!!≫
殴り込みに行こうと立ち上がったら、すかさずレオが止めようと通せんぼしてきました。
えっ、止めないでほしいんですが。
拳を握りしめながら不満げな顔をすると、レオは顔を青ざめて口を開きました。
≪確かにやり過ぎだとは俺も思うが、それでもカチコミに行くのは可哀想だろ!? 悪気なくやってたかもしれないだろ!≫
≪その方がないでしょう。あの方絶対に面白がってやられておりますよ≫
レオの言葉にしれっとミアが突っ込みますが、レオは余計なことを言うなと言わんばかりにミアを睨み付けました。
≪精霊王様が瀕死になられたら困るのは、下位精霊達だぞ! 他の奴らの気持ちにもなってやれよ!!≫
「ちぇっ」
もう可哀想なほどに、胃を痛めてギャンギャンと叫ぶレオに、仕方ないと拳を下ろしました。
今回はレオに感謝しといた方がいいぞ、ベネ。
今日は見逃すから次会ったら潰す。
レオがやっとのことで安堵の溜息を吐くと、イアはやれやれと肩を竦めました。
≪凄い疲弊してるけど、大丈夫そう?≫
≪これをどう見たら大丈夫そうに見えるか?≫
≪大丈夫じゃないね、どこから見ても。ボロボロだよ≫
≪………せめてお前らも止めてくれよ……≫
≪ああいう物騒な所も可愛くない?≫
死んだ目でぼそぼそと呟くレオに、イアはきょとんと首を傾げました。
そんなイアを見て、レオはとうとう安らかな顔で倒れました。
≪もうやだこいつら………!!≫
◇◇◇
「へくちっ! なんか誰かに凄く命を狙われてるような………」
「妾、もしや誰かの恨み買っとる?? えっ、何かしたかの?? 妾何かしたか?」
うっすらと脳裏に記憶の中から誰かが浮かび出したが、そんなはずないと精霊王は首を横に振る。
それもそのはずだ、だってレオの言う通りに全く悪気なく誰かさんのステータスを隠蔽したのだから。
「は〜?? 神の奴何してんの?? こんなんじゃ此奴の正体丸分かりじゃろうて。全く、こっちに面倒ごとを寄越すでない! 仕方ない、普通の人の子ぐらいに……それ!」
と文句言いながら善意で本当に隠蔽してた。
原因は神々が雑にそのままのステータスにしていたからである。
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