転生令嬢とステータス。1


「ライラ、ステータスを見せてくれないか?」


前触れもなく、お父様はそう言いました。


天を仰いでいたお母様達も、私の方を見つめ、私の発言を待っています。


さて、ここは適当に誤魔化すか素直に従うか。


この場合は後者一択ですね。実は二択あるように見せかけて一択しかない……。


思考を切り替えて、お父様達を見渡しながら言いました。


「分かった。ステータス!」


そして、開かなきゃよかったと悔やむことを悟りながら。









____________________

名前  <ライランラック・フロート・トリファー>(旧名アルクーリ・ドルク)


種族 <人間>

性別 <女>

年齢 <三歳>


体力 <121>(表示不可)

魔力 <356>(表示不可)

運 <258>(表示不可)

知力 <125>(表示不可)


称号 <公爵令嬢> <精霊の契約者> (神々の愛し子) (残酷な剣神ルヴィクター) (騎士団長) (精霊王の愛し子) (悪魔)


固有スキル <暗黒微笑ブラックスマイル> <覇王の怒り> (勇敢なる道化師) (……)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄











「「「「「………………………」」」」」


長い沈黙が続きました。お兄様達は、口をパクパクと開けたり閉じたりしています。


お父様やお母様も、驚きのあまり口を開けたままです。


マイナを始め使用人の方々は、この場に流れる異常な空気に、そっと目を伏せています。


対する私は、驚きを通り越して怒りが湧き出ました。


やっぱり前世のステータス引き継いでる!!


あとおい誰だよ! 悪魔は失礼すぎるだろうが!!


昔の異名もそのまま残ってるし!!


若干表示が違うのもありますし……表示不可とは。


こちらが意味不明すぎて理解不可能なんですけど。


いや、さりげなく隠蔽されてるんですが、十中八九ベネの仕業ですよね?


いつの間にやったんだこれ?? ん? おかしいなあ。


何してくれてんだアイツ……今度会ったら卍固めしよう。うん、そうしよう。


とんでもないことをしてくれた精霊王の顔を思い浮かべてたら、お父様がそっと胃の辺りを押さえました。


「………わあ、なんて報告したら良いんだろな???」


「こんな驚きはいらねえ……嘘だと誰か言ってくれ………」


「僕の妹は凄いなあ」


我が家の男性陣が全員悟ったような目で呟いていたのは、きっと気のせいだと信じたいです。


残念ながらこの三人の反応は現実ですがね!!


「これまだ序の口だよ? 成長したらこれなんて可愛い方だからね??」


呆れながらそう言えば、今まで放心していたお母様含め全員が信じられないといった表情で私を見ました。


「「「嘘だ!!!」」」


「これが現実だから諦めて」


私以外にもいっぱい他にいましたからね?


ベネとか邪神とか黒い竜とかいっぱい。

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