転生令嬢、秘密がバレる。


そのまま精霊達の聖域フェアリーガレットを探索していると、とある場所にたどり着きました。


≪ここが、精霊王ベネラヴィ様がいる場所≫


≪ベネラヴィ様は、人間の英雄、アルクーリ・ドルク様のご友人なんだ≫


イアとレオが説明してくれましたが、それどころじゃありません。


そのベネラヴィ様が! 私が言っていたなんですよ!!


そう、アイツ!!


「なにやら騒がしいと思ったが…なた達、何をしておる」


≪≪≪!!≫≫≫


突然降ってきた声に、イア達は弾かれたように顔をあげます。


その声を主は––––––


≪≪≪ベネラヴィ様!!≫≫≫


かの有名なベネです。


私とベネは、古い友人なんですよね。


私が昔契約した聖獣が精霊達の聖域フェアリーガレットに連れてってくれたんですが、そこで出会いました。


そうこの、世界樹の広域ワールドツリーレッテヴァーで。


そこで意気投合して契約したんでしたっけ。


…さて、現実逃避もここまでにしときますか。


ベネはイア達を見て、次に私を見ました。


やつは……アルクではないか!」


突然私に抱きついてきました。


「ぐぁ……べにぇ!! まいかいまいかいだきつくにゃとあれほどちゅういしただろう!? いいかげんにしろ!!」


つい勢いで昔の口調に戻ってしまいました。




あ……と思いイア達の方を見ると、ポカーンと口を開けていました。


≪えっと……どゆこと?≫


「えーとにぇ、わたしがあるくーり・どるくにゃんだ……ずっとだまっててごめんにぇ」


説明を簡素に伝え、謝罪の言葉を言いました。




*令嬢説明中*




≪えーと、つまり、ライラは転生者で、アルクーリ・ドルク様なんだよね……≫


「うん」


イアが言ったことに首を縦に振りました。


事実ですし。


≪えちょホント!?≫


≪おいおいまじかよ聞いてねえぞ!?≫


≪転生者ってああ。なら、あの魔力の強さも身体能力も納得しますね≫


≪≪ミアはなんで普通!?≫≫


どうやら理解したのはミアだけみたいです。


「理解してくれんと困るのだが……」


ベネは頭を抱えました。


「とりあえず、わたしはあるくーり・どるくでらいらんらっく・ふろーと・とりふぁーにゃんだよ!」


≪≪とりあえず分かった≫≫


必死で説明すると、イアとレオも理解したようです。


「さて、同胞との再会も出来たしの、アルク…いや、ライラ」


「?」


終始笑顔だったベネが急に真剣な表情になりました。何かあったのでしょうか?


「ライラ、妾とまた契約してはくれぬだろうか?」


契約?勿論答えは一つに決まってますよ、ベネ。


「あたりまえ! ことわるにゃんてもせんたくしはいっさいにゃい!!」


私が満面の笑みで承諾すると、ベネは目に涙を溜め、喜びました。


「本当かえ!? ありがとなんだぞライラ!!」


ベネは昔と変わらずぴょんぴょんと兎の如く飛び跳ねました。


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