あの方は…… 。 ニトside
私の名前は、ニトラ・ア・イーリス。
イーリス王国に現国王だ。
そんな私の王太子時代の話を少ししよう。
◇◇
私は、勉学に剣に魔法と様々なものを学ばされた。まぁ、学ぶのが好きだから全て全力でやったんだが。一度学んだら先生に勝ってしまう。そこはつまらなかった。でも、唯一私が全力でやっても勝てない人がいた。
『王太子殿、貴方の剣は遅い。特に攻撃を避けようとして、剣を弾こうとしていますが隙だらけです。もっと肩の力を抜いて下さい』
初めて勝てなかった時を思い出す。
あぁ、その剣の先生は女性さ。男が女性に負けて何が悪い。負けたものは仕方ないだろう。
剣の先生…アルクーリ・ドルク。
元は孤児だったらしい。父上に剣の腕を見込まれ、騎士団に入ったそうだ。名前も父上から貰ったそう。そこから入団二日で当時の騎士団長を倒し、メキメキと力をつけた。
騎士団長が引退した後、王国初の女性騎士団長になった。
彼女の見た目? 彼女の見た目は……。
眩しい金髪に銀色の瞳の女性。
察しの良い方は分かるだろうか。彼女は先代王、私の祖父の娘なのだ。イーリス王国の金髪と言ったら、王族しかいない。ん? リリィは王族かって? リリィは、私の従妹だぞ。
だから金髪さ。
さておき、私は彼女に剣の指導をしてもらい、十年くらい稽古して貰った。
その翌年、彼女は死んだ。
突然死だった。父上も母上も宰相も死なないでと言った。私も。でも彼女は、無理ですよと言った。
彼女の死が発表され、国中が悲しみに包まれた。彼女は、そのくらい大切にされていた。
最後は、微笑んで……。
『今まで、ありがとうございました。私は、貴方達のおかげで幸せで悔いのない人生を過ごせたんです。だから、な…か、ない』
泣かないで。そう伝える前に彼女は目を閉じた。
◇◇◇
おまけ
ラ「くしゅん!」
イ≪大丈夫?≫
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