転生令嬢と魔物退治と謁見。 4
「さあ、着いたよ。皆、準備は良いかな?」
「「「はい!」」」
「ええ」
とうとう王城に着きました。
華奢なデザインのお城は、久しぶりです。
「あ、いあたちはひとまえにでにゃいでにぇ」
≪分かりました≫
≪≪分かった≫≫
ふう。
「ライラ、アイツらは無視して良いからね」
「俺達が着いてりゃ、良いだろ」
「…にぇろふぁしゅとおうじとめりだしゅこうしゃくやふじんにきにいられたっぽいから、むりだとおもいましゅ」
恐らく。
「「アイツら…」」
「ジル、カイ。落ち着こうか」
「「あはは…」」
殺気を放つお兄様達に、私とお母様は苦笑するしか無かったのでした。
◇◇◇
「トリファー公爵様とご家族のご登場ー」
知らせの声が響き渡る。
–––––––––ザワザワ––––––
貴族達のヒソヒソとした声が聞こえる。
華やかな装飾の広い空間の中、視線が集まる。
視線の中には、興味、奇妙、様々な感情が見える。
「皆、静まれ」
凛々しい声が響く。
その声の主は、国王だ。
眩しい金髪に深い青の瞳。
その隣には、王妃がいる。
綺麗な桃色の髪にエメラルドの美しい瞳。
それと、三人の王子。
第一王子は、眩しい金髪に美しいエメラルドの瞳。
第二、第三王子は、綺麗な桃色の髪に深い青の瞳。
イーリス王家だ。
◇◇◇
緊張します。上手くやり切れるでしょうか?
「ギルスティード・フロート・トリファー、ただ今参りました」
「リリィ・フロート・トリファー。同じく参りました」
「ジルード・フロート・トリファー。同じく参りました」
「カイラス・フロート・トリファー。同じく参りました」
お父様達が次々に礼をしました。
「顔を上げよ。して、そなたがライランラック嬢か?」
「はい。はつにおめにかかりましゅ。らいらんらっく・ふろーと・とりふぁーでごじゃいましゅ。いごおみしりおきを」
…あれ?国王陛下って、もしや…王太子殿!まじですか。
国王陛下がかつての王太子殿だった事に驚きつつ、軽く礼をします。
「顔を上げよ。さて、唐突だがライランラック嬢。そなたは、高位精霊三人と契約したのは真か?」
「はい」
「高位精霊は、何処に?」
「いま、およびしましゅ。みんにゃ、でてきていいよ」
フワッとイア達が現れました。
≪どうしたの? ライラ≫
「こくおうへいかが、いあたちにあいたいって」
イアにコソコサ話します。
≪ふーん≫
≪へぇ≫
≪……≫
反応が……。
「ふむ。本当のようだな。ああ、それと我が息子、ネロファストが世話になったな」
一気にざわめきが増します。
痛い。視線が痛いです。
「誘拐されそうになった所をライランラック嬢に助けて頂きました」
ネロファスト王子! 何、余計な事を!
「そうか」
国王陛下も頷かないで下さい!
「陛下、それだけではありません」
突然、メリダス侯爵が喋りました。
「私共が、魔物に襲われた所をライランラック嬢が助けて頂いたのです。しかも、負傷していた騎士達の治療と息子達の心の
「なぬ! 魔物を!」
国王陛下が驚いています。
「その魔物とは?」
「ぶらっくべあでしゅ」
私が答えました。
「
≪≪≪ライラ≫≫≫
あーもう! イア達もですよ!
「な、なんと。これは、想像以上だ。…さて、ライランラック嬢、そなたに褒美をやろう」
褒美? 一体何でしょう?
「白金貨を九枚、準金貨を五枚と屋敷。それと爵位をやろう」
屋敷?白金貨?準金貨?爵位?わーお。
えっとお金が日本円で、九千億五百万円。
高いです。
と言うか、屋敷! たった、二歳の子に屋敷は無理ですよ!
「父上、ライランラック嬢はまだ幼い。爵位はともかく、屋敷は早いでしょう。なので彼女には、王城に住んでもらう事にしましょう」
ネロファスト王子が言いました。
「ふむ。そうだな」
うーん。王城はちょっと……。
とまぁ、何故か王城に住む事になった所でですね。一人の貴族が叫んだんです。
「こんな小さい子供に爵位? 陛下、もう一度、お考え下さい!」
豚…あ、いや。少し丸いお腹の中年男性が言いました。
ですよね!
「黙れ。これは、決定事項だ」
国王陛下の冷えた声が聞こえてます。……怖いですね。
「ヒィ!」
男性は、悲鳴を上げ戻りました。
「さて、爵位の事だが。…ネロファストの事で男爵。魔物討伐とメリダス侯爵の事で子爵。騎士達の事で伯爵か。ライランラック嬢、そなたの爵位は伯爵に決まった。今後の活躍、期待しているぞ」
伯爵?せめて男爵の方が良かったです。
「ありがたくじょんじましゅ」
「皆、帰ってよい。トリファー公爵家とメリダス侯爵家は残れ」
まじですか。
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