転生令嬢、再び精霊と契約する。

風の精霊、イアが来て数日が経過しました。

けど、これと言って特に変わった事はないですが…。


「イア殿、少しライラにくっつぎすぎじゃあないか?」


≪別に気にする事じゃない。ね、いいよねライラ≫


カイお兄様とイアの間に火花が散っている気がするのですが。気のせいでしょうか。


「かいおにーしゃまもいあもしじゅかにしてくだしゃい」


「分かった…」


≪はーい≫


全く、どうしてこのお二人は仲が悪いのですか。仲良くして下さい。



切実な願いは、届きそうにはなかった。



◇◇◇



≪ライラー≫


イアが抱きついて来ました。


「どーしたのー?」


どうしたのでしょうか。いきなり。


≪僕の事、好き?≫


好き?


「うん、しゅきだよー? いあは、わたしのだいじなかじょくだよー」


だって、イアは家族みたいな仲ですよ。


≪そっかー、ありがとー≫


うう、近いです。


≪お前が人に懐くなんて珍しい事もあるんだな≫


突然、朱色の髪に燃える炎みたいな赤い瞳のイアと同じくらい小さい精霊さん?が現れました。


≪……≫


イアは、その精霊さん?を鋭く睨みました。

 

知り合いなのでしょうか。


≪そんなに睨むなよ。ただ、お前が懐いてるその小さい子が気になっただけだ≫


私?


「あの、いあのしりあいにゃのでしゅか?

しょれとあにゃたは、せーれーしゃんでしゅか?」


多分、精霊なのでしょう。属性は、火でしょうか?


≪ふーんお前、あいつと契約してるのか。俺か? 俺は、火の精霊だ。一応、高位精霊だ。後、お前が契約してるその風のもな≫


当たってたみたいです。イアも高位精霊なのですね。どうでもいいです。


「じこしょうかいありがとーごじゃいみゃしゅ。わたしは、らいらとおよびください」


とりあえず、自己紹介してくれたのだからこちらも自己紹介しました。


≪へー、年齢の割にしっかりしてんだな≫


「おかーしゃまたちがおやばかだから」 


これは、事実です。


≪ックククク。自分の親を馬鹿って…≫


火の精霊さんは、物珍しく私を見ています。


≪汚い目でライラを見るな≫


イア、言い方もっと丁寧にしましょう。


≪ひっで。でも、気に入った。ライラだっけ。ライラ、俺に名前をくれ≫



この精霊もですか。


「じゃあ、れお。れおでいい?」


レオ、我ながら良い名前だと思います。


≪レオか……ありがとな、気に入ったぜ。この名前。これからよろしくな。ライラ、イア≫

 

イアと契約した時みたいに私とレオの間に淡い朱色の光が輝いた。


「うん! よろしくね、れお」


≪……よろしく。レオ≫


火の精霊さん……レオは、太陽のような笑顔を浮かべた。



◇◇◇



≪つー訳でよろしくな。ライラの家族さん達よ≫



「「「「また、増えた」」」」


「あはは……」


こうして、ライラの護りが強くなった。

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