転生令嬢、精霊に出会う。
私が一歳になってから、一カ月が過ぎました。これから、ジルお兄様が精霊の絵本を読んでくれる予定です。
ここで精霊を知らない人に精霊について説明します。
精霊と言うのは、簡単に言って自然の力を持つ人ではない生き物です。神様の部下って言った所でしょう。余り人と出会う事がありません。人よりも長寿で、知識が豊富です。
精霊は、属性ごとに力が違います。
属性は、火、水、風、氷、雷、土、闇、光、時。
魔法よりかは、二つ少ないです。
精霊とは、≪契約≫が出来ます。
契約は、精霊と死ぬまで一緒にいます。
勿論、契約した精霊には大切にされます。
そして、精霊の力を使える事が出来ます。
契約方法は、精霊に名前を与える事です。
しかし、名前を与えるのは精霊に名前をつけてと言われた時のみです。
これで、精霊についての大方の説明が終わります。
「ライラー、約束通り僕と絵本読もう」
お兄様が来ました。行かなければ。
「おにーしゃま、こっちでしゅ」
その後、ジルお兄様に絵本を読んでもらい、
夜ご飯を食べました。
◇◇◇
今日は、青い空が隅々まで広がっています。
晴天の下、私は家の庭でお母様から貰ったお菓子を食べています。
今あるお菓子は、クッキーとケーキなど主に甘いものが多いです。
護衛の人は、遠くで待機してます。
「いただぎまーしゅ!」
クッキーのサクサク感、とても美味しいです。
このケーキも甘くて生地もふわふわで美味しいです。
私がお菓子の美味しさを噛み締めていると、
近くから声がしました。
≪それ、美味しいの?≫
ふと下の方に目を向けてみると、私の手に乗りそうなぐらいの小さい男の子が浮いていました。薄いヨモギのような黄緑色の髪に森林のような深い緑色の瞳の綺麗な男の子です。
「おいちーよ。食べてみゆ?」
お菓子、見た事がないのでしょうか?でも見るからにこの子、精霊みたいですし…。
ん〜、まぁ難しい事は余り考えない方が良いのでしょう。
≪食べて、良いの?≫
男の子がそう聞いて来たので、食べていいよと返してクッキーをあげました。
≪サクサクしてる。美味しい≫
男の子は、幸せそうにクッキーを頬張っていました。喜んでくれて嬉しいです。
≪また、会いにきてもいい?≫
「もちりょん! あ、でもあにゃたなみゃえは?」
名前が無いと流石に呼びづらいので。
≪名前は無い。だから、今度会ったら名前くれる?≫
あれ? それって契約じゃあ……まぁ、いいでしょう。
◇◇◇
この時、私はあの出会いが自分の運命が大きく動かすものとは全く思っていませんでした。
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