夜が明けても、君がいて(前編)
「ははあ、この間の荒野の大爆発はおめえの仕業か」
ガルーヴェンはそう言って椅子の上で足を組み、紅茶のカップを鷲掴んですする。全く、作法も何もあったものじゃないな。
「あれだけのことができるってのに、ゴブリンが怖えなんてな」
「何度も言わせるな。そんな事一言も言っていない」
俺もそんなガルーヴェンを腹立たしく思いながら、少し乱暴に紅茶をすする。いかんいかん、どうもコイツの前だとペースを乱される。
俺は一階の応接間で、魔王軍の砦を攻略したガルーヴェンを出迎えていた。
戦いから二週間。ロビーに収まりきらなかった怪我人で溢れていたここも、すっかり元通りだ。
「俺の部下達は役に立ったか?」
「……ああ。そこは大いに感謝している」
「ワーダイルの奴ら、さっき話したら何人かここに残りてえなんて言い出してよ。構わねえか?」
ガルーヴェンはいかにも許可をもらうかのような口調で尋ねてきた。この提案、むしろ、俺の方から頼みたい話だった。
「勿論だ。大切にさせてもらおう」
皆にとっては、ワーダイルは既に死線をくぐってきた仲間だ。これからも一緒に居られるというのは、非常にありがたい。
「それでよ、あのベーオウって奴なんだが」
「ん?」
と、そんな中でガルーヴェンは、切り出す。
「俺にくれ」
「却下だ」
何を言い出すかと思えば。
「おいおい、ワーダイル達だけかっさらっておいてそりゃあねえだろう」
そりゃあねえだろう、はこっちのセリフだ。
「あいつは見所がある。俺が誰より立派な軍師にしてやる」
「見どころがある事なんて百も承知だ。誰にもやらん」
あいつは俺の従者だぞ? 何を積まれたって手放すものか。
「そう言うなって。俺の所で経験積ませろよ。アイツには広い世界を見せてやる。それで立派な軍師になったら返してやるからよ」
凶悪な目つきに真剣な色を宿らせ、ガルーヴェンは続ける。コイツ、本気だな。
「あいつに足りねえのは知識と経験だ。俺の国にいきゃあ書物から交易商人の話、一部じゃ人間どもとも交流がある。成長するにはうってつけだ。なあ」
「ふん、そうなったらますます手放すのが惜しいなんていう未来が見えるようだ。却下だ」
本当は、ちょっと揺れている。
アイツに足りないのは、確かにその部分だった。
レッサーオークとして生きてきたベーオウには、荒野で生きる知恵はあっても、それ以上の世界のモノはない。
どんなに賢く、他人の機微に聡くても、このままでは寂れた荒野でその才能を閉ざしてしまうだけだ。
俺が教えてやれればいいのだが、俺はこの世界ではベーオウよりも経験が少ない。どこかに連れ出そうにも、俺の強制睡眠の事を考えればおいそれと旅はできまい。
だから……。
「交渉役には……任命するつもりだ」
それが俺にできた、精一杯の譲歩。
「お前の国にも優先的に派遣して、沢山のモノを見聞きさせる。俺達とお前たちの橋渡し役になってもらうつもりだ……それで、勘弁してくれ」
「……やれやれ。ま、いいか」
ガルーヴェンはそう言って引き下がる。いや、この分だとまだチャンスはあると思っている顔つきだ。
コイツは見かけによらず、物事をそれなりに長い目で見ているような節がある。今思えばジャギュアとたった二人で乗り込んできたのも、挑発する意図はあったにせよ本気で争う気はないのだと印象付けたかったのかもしれない。
魔王軍の砦を落としたことも、何か長期的な狙いがあると俺は見ている。
コイツは決して、バカではない。
「なあ、ガルーヴェン」
「あん?」
「お前はこの世界で、何を成すつもりだ?」
この争いの絶えぬ世界で、世界を二分する勢力の魔王軍に弓を引く。
それは恐らく、考えうる限りでは最悪の選択だろう。
同じ道を選んだ俺が言うのもなんだが、はっきりと言えば無謀なのだ。どんなに優れた個人の力を持っていても、その手で自分の仲間全てを守り切れるわけじゃない。度重なる戦闘で疲弊し、血を流し……或いは命を落とすことにもなる。
お前は自分の部下を、仲間を、軽んじる男ではないだろう。
ならば、どうしてその道を選んで……。
「はー、あいっ変わらずかたっ苦しいな、おめえ」
「え?」
なんて、そんな俺の真剣な問いかけにいかにもなしかめっ面で返すガルーヴェン。何というか、その……心底めんどくさいって顔に書いてある。
「何を成す、なんてのはどうでもいいだろ。成した後に『何ができたか』って見返しゃいい」
そう、あっさりと笑い飛ばして。
「……目的もなく魔王軍と敵対したわけではあるまい」
「はっ! 俺はしたいことをしてるだけだよ。おめえだってそうだろ? ドラケルの野郎が気に入らねえからつば吐いて戦ってんだろ?」
まあ、いや……端的に言えばそうなんだが。
「おめえが言ってるのは『どこを終わりに持っていくか』って話だろ? 要するに何のために戦うだとか、目指してる理想の結末は何だとか、何が仲間たちにとっていいんだとかよ、そーゆーめんどくせえの」
「めんどくさいとは何だ。俺達は大勢の仲間を指揮する身だ。俺達の采配一つで、皆の未来が左右される。その責任は決して軽くは」
「ははっ、おめえもまだまだお子様だな」
俺の言葉をなんでもないことのように遮って、目の前の凶悪面の男は……。
まるで、子供のように笑った。
「そんなもん、俺の仲間もおめえの仲間も気にしちゃいねえよ」
「……え?」
「俺は理不尽に奪うやり方が気に入らなくて大魔王名乗って旗上げた。けどよ、そんなもん他の奴らにとっちゃ関係ねえんだよ。それぞれが、それぞれの理由で俺についてきてんだ。俺を慕う奴に俺と目的が似てるやつ、平和に暮らしてえやつに魔王軍にうんざりしてたやつ。それぞれがそれぞれの生き方をもって勝手にやってんだよ。だからよ、それを大事だと思うんだったらおめえの想う通りにやりゃあいい。守りてえんだったらそうしろよ。まあ尤も」
ガルーヴェンは、残っていた紅茶を全て飲み干し、言った。
「おめえの仲間は、おめえの事を好きでついてきてんだから、おめえ一人に守って欲しいなんて誰も思ってねえだろうがな」
「……」
胸にストンと、言葉が落ちた。
俺だって、どこかでは分かっていたような気がする。皆が俺に向ける態度や言葉で。
俺は強制睡眠で、どうしても彼らと一緒に居続けることはできない。だから、起きている間は俺があいつらを守ってやると。困難は全て、打ち払ってやる。なんて思っていた。
けれど……あの戦いで。
あいつらが、別にそんなことを望んでいないことも、知ったのだ。
「弱点に何抱えてっか知らねえけどよ、もうちょっと周りに頼れよ、お子様」
「……誰が、お子様だ」
ちょっとだけ、悔しかった。
そんな風に、自分の仲間と素直に向き合える。
こんな清々しいことが言える男に、言い負かされて。
「……俺の仲間は」
「あん?」
「皆、強い」
足りない部分を互いに支え合い、繋いだ思いで困難に立ち向かう。
そんな姿に、何より俺自身が、心を打たれた。
俺も、そうありたい。
「大魔王ガルーヴェン」
俺は真っ直ぐに、目の前の男と向き合う。
大勢の部下に慕われ、この世界で魔王に反旗を翻し、戦う先達に敬意を表し。
「貴殿と……貴殿の勢力と、正式に同盟を結びたい」
「……ああ、いいぜ」
目の前の凶悪面の男は口角をあげ、けれどどこか子供のように、無邪気に笑って答えたのだ。
「はっはっは! 俺と手をくみゃあ魔王なんて怖かねえぜ! 良かったな」
「その態度に言いたいことの一つ二つはあるが……その力、頼りにさせてもらう」
俺達はここに、同盟を結んだ。
これが本格的に魔王軍と事を構える第一歩になるのだろう。今はまだ、この世界の誰も、この同盟が進む道など知らない。俺達がどこへ向かうのかという事を。
だが恐れはしない。
俺の仲間達と共に、これからも歩んでいく。
その覚悟は、とうにできているのだから。
「んじゃ早速同盟の内容、俺達が出す兵とそっちが出す食糧の取り決めだがな」
「ソレについては保留させてもらおう。俺の
「おいおいー、サシで腹割って話そうって言ったのはそっちだろ? ならこのまま俺達だけで決めちまおうぜ」
そういう訳にいくか。そちらの事情を知らない俺を抱きこんで、好き放題搾り取ろうという魂胆が透けて見えるようだ。
まあ尤も、お前たちに協力するのはやぶさかではないのだがな。
「ベーオウ達も世話になった。悪いようにはしない」
「……へーへー。ったく、ブルーダラクのボンボンは案外融通のきかないこって」
そんな安っぽい挑発に乗るか。まあ家名を馬鹿にされているようで若干悔しいが……。
「いや、待て」
何か、違和感が。
「まるで、知ったような口ぶりだな」
我が家名を。ブルーダラク家を。
そう言えば前にもコイツ、似たような事を……。
「あ? おめえ俺のことバカにしすぎだろ。俺だって吸血鬼の一大勢力の名ぐらい知ってらあ」
「……えっ!?」
い、いや待て! 何でお前が知っている!?
「ブルーダラクの吸血鬼が、この世界にいるのか!?」
「あん? 何だおめえ、西のブルーダラク領から来たんじゃねえのかよ」
それは俺にとって、予想だにしない言葉だった。
――
「ははあ、旦那のとこの家名と同じ名の吸血鬼、ですかい?」
ベーオウは顎に手をやりつつそう口にする。晴れ渡る荒野の空の下、俺は久しぶりに再会した従者とそうやって言葉を交わす。
「どういうことですかい? 旦那、確か別の世界から来たんですよね?」
「ああ……俺も混乱している」
俺自身訳が分からない。
「ここから西、お前たちが攻略してきた砦よりさらに西に、魔王軍の一大拠点があるらしいな。それと隣接するように、少し離れた場所には人間の国。さらに超えた先、ブルーダラク領があると言っていた」
魔王軍の拠点とで人間の国を挟み込んでいる形だ。ブルーダラク領自体は、国などと比べれば規模は小さいという事だが。
「ブルーダラク家は、かつて魔界から
現状では何とも言えない。
ここが魔界だという確証すら、俺は持てずにいるのだから。
「行ってみてえですかい?」
「え?」
「顔に書いてありやすよ」
ベーオウはそう言って視線を俺から、いつも通りこの荒野で訓練を積む皆に向ける。
「ちょっと見ねえ間にあいつら随分とたくましくなっちまって。俺もうかうかしてられねえですね」
仲間達を頼もしそうに見つめるその視線……お前も、俺が頼もしいと思っている仲間の一人なんだぞ?
「人間の国を越えるんなら俺達オークは足手まといでしょうし。旦那がいない間は俺達でここを守り切りやすんで」
「ベーオウ、お前……」
「気いつけてくだせえ。旦那がつええのは百も承知ですが、人間どももなかなかどうして油断ならあだだだだだだだっ!?」
「話を勝手に進めるな」
俺は坂道を急降下で滑り降りるようなベーオウに待ったをかける。アイアンクローで。
全く、確かに行きたいとは思うが少し考えさせろ。
「誰かさんは本当に頭の回転が速いな」
「だ、だんっ! あだっ!? な、中身出ちまいますっ! ちょっ!」
「だからといって一人で突っ走るな。追いつく方の身にもなれ」
小さな体でジタバタと足掻く俺の従者は、こんなナリしてあの大魔王に一目置かれるほどには優秀なのだ。
「……今更だが、ガルーヴェンからお前を欲しいと打診された」
「あだだだっ! え、ええっ、まあ、そんな話もっ、出るんでしょうね」
「お前は……あいつの国とやらに、行ってみたいか?」
アイアンクローをきめたまま、俺は問いかけた。
俺がブルーダラク領に行きたいと思うように、コイツも、ひょっとしたら……。
「そりゃあまあ、行ったこともねえ国に行くってのは憧れますね。俺は他の連中より知りたがりで、いろんなものに興味を持ってやす。一国の主である大魔王ガルーヴェンに気に入られりゃあ、知らない世界の知識にも触れ放題かもしれやせん」
「ああ」
「でもまあ、旦那は断ってくれたんでしょう?」
「……何故、分かった」
俺の手の中で、俺の従者はへへへっ、と笑う。
「俺は思うんでさあ。すげえ力を持ってりゃあ、頭が切れりゃあ、沢山いいものを掴み取れるのかもしれやせん。幸せって奴をかき集めて、自分の前に並べて大笑いできるのかもしれやせん。けど、その中で噛みしめられる幸せの量は、誰でもそう変わらねえんじゃねえかって」
ベーオウはそんな自分の人生観を、いっそ誇るように、真理を語るかのように口にして。
「俺の仕える主は、生涯旦那一人でさあ。それだけです」
そうして、なんでもないことのようにさらりとそう言ったのだ。
「で、旦那。そろそろ放してもらえるとあだだだっだだだっ!?」
「……バカっ」
ますます、手放せなくなったじゃないか。
というか今放したら……顔を見られる。
「ばか……馬鹿」
「ぎゃあああああああっ!? 死ぬっ!? ぐおおおおおおおおおっ!」
「あ、あのー、カイ様?」
と、俺がツンデレやってるところでそれを遮るように現れたジゼール。命拾いしたなベーオウ。
「ベーオウさんに、これまでの戦いの記録を見てもらおうと思うのですが」
「ああ」
帰ってきて早々色々と頼られているな。いやまあジゼールの事だから単にベーオウと一緒にいるための口実かもしれんが。
「存分にこき使ってやれ」
「だ、旦那……俺いつか旦那に握り殺されやしねえかとひやひやしやす」
そんなことするわけないだろうが。うっかり力を込めすぎたりすることはあるかもしれんが。
「……だがまあ、幸せを噛みしめるというのなら」
俺はふと、この状況で少しいたずら心が湧いてきて……。
「ジゼール、今日も綺麗だな」
「……えっ!?」
「あ、カイ様! もー、からかわないでくださいっ」
「事実を言ったまでだ」
俺とジゼールのやり取りに、珍しく口を開けて驚くベーオウ。
ははあ、お前でもそんな顔することあるんだな。
「噛みしめられるうちに噛みしめておけ。でないと……先に誰かに噛み痕を付けられてしまうかもしれないぞ」
「だっ、だんっ! ええっ!? そ、そりゃあっ、えええっ!?」
「ベーオウさん? 行きましょう?」
そうしてベーオウは混乱する中、一人状況をよく分かっていないジゼールに連れられていくのだった。
ま、軽い仕返しだ。
「ガイゼルには、すまないことをしたかもしれんが」
発破をかけてしまったよな、これ。スマン、吸血鬼は従者には甘いんだ。
「……成程、この間ジゼールを口説いてたのって、ベーオウさんに対する嫉妬だったんですね」
「やっぱり、一番のライバルはベーオウさんなんじゃ」
「いや、おい……ちょっと待て」
しゅるりと現れコココっと駆けてきたティキュラとアンリが、何やら不穏な事を口にする。
「噂では、カイさんとベーオウさん……その、アレなんですよね」
「アレって何だ!? 何か誤解していないか!? あ、あいつは確かに大切な従者だが」
「カイ様……私もベーオウさんに負けないよう、女を磨きます!」
誰と競ってるんだ誰と!?
「ちょっ! じょ、城主様っ!? お話詳しくよろしいですか!?」
「何で食いついてくるリダリーン!? 違うっ! 何を考えてるか分からんが絶対に違うっ!」
七本の触手をそれはもう猛らせて現れるリダリーン。というか興奮しているの凄く分かりやすいなソレ!
「具体的にはどっちの触手がどっちの触手を!? ああいやひょっとしてお互いを捕食する感じですか!? こんな風にっ!」
「やめろ触手で実演するなっ! ち、違うっ! 断じて違うからなっ!」
従者にしかけた悪戯は、割と手痛い感じで俺にも返ってくるのだった。
――
「吸血鬼の城の攻略に、失敗した?」
「も、申し訳ありません、魔王さま」
俺は執務室の椅子に腰かけながら、側近の報告を静かに聞いていた。
「幹部と幹部候補を差し向けたのですが……貸し与えていたオークと、それに時間停止の宝玉も合わせて、打ち砕かれたと」
「たかだか荒野の独立勢力と見て油断したか。それとも……」
貸し与えていたオークはおよそ三万。合わせて幹部と幹部候補が破られたとなると、にわかには信じられぬが。
「例の全裸の吸血鬼は、一人でオークの軍勢のほとんどを火の海に沈めたそうです。その力に目を付けたあの裏切り者が、吸血鬼と手を結んだ、とも」
「……ガルーヴェンが?」
「はい。吸血鬼はもはや独立勢力ではなく、奴の傘下に入ったかと」
……事態は思ったよりも厄介な方向に進んだな。
「いかがいたしましょう」
「吸血鬼の身辺を探らせろ。ガルーヴェンの勢力に付け入るスキを見つけるのだ」
その力は強大……だとしても、吸血鬼ならば弱点もある。それに新興勢力ならば人材も乏しいはず。スパイを送り込むのはそれほど難しくあるまい。
岩に穿たれた一点の穴から、ガルーヴェンの勢力を崩してくれる。
「それと時間停止の宝玉の回収なのですが……再利用不可能なほど破壊されており」
「構わん、捨て置け。あんな玩具などいくらでも作れる」
「はっ」
アレを貸し与えたのは、確かゴブリンテイマーのエヴルーナだったか。
奴の従えるゴブリンはオークに続く歩兵部隊の有力候補かと思ったが……見込み違いだったか。
「それと……少々、気になる話が」
「何だ」
「全裸の吸血鬼の勢力に、一人、ブルーダラクを名乗る少女の吸血鬼がいたと」
ブルーダラク、だと?
「ジェンド卿に問いただしたところ、現在ブルーダラクの者は全て領内にいる、と。何者かがブルーダラクを語っているのか」
「あるいはジェンド卿が裏切ったか、か」
あの男の事だから、裏切ったとは少々考えにくい。だがブルーダラクをわざわざ名乗るとなると……理由が思い当たらん。
「引き続きこの件については調査を進めます」
「……分かった、下がれ」
部下を下がらせ、俺は静かに立ち上がる。
部屋にあつらえた宝石箱を開き、そうして新たな宝玉を指でなぞり、力を込める。するとそこに込められた魔力が反応し、また新たな時間停止の宝玉が出来上がる。
こんな玩具など、いくらでも量産できる。
有望な使い手を失ったのは痛いが……。
「いずれ、全てを手に入れる」
これは、世界を二分する戦いだ。
人間を滅ぼし、逆らうものを殺し、やがて魔王軍がこの星全てを手中に収めた、その時……。
争いは、終わる。
「ガルーヴェン、何故だ」
俺は、知らず知らずのうちに、口にしていた。
「何故……分かってくれぬのだ」
かつての、旧友の名を。
<現在の勢力状況>
部下:古ゴート族82名、レッサーオーク51名、ギガントオーク67名、ワーウルフ21名、ワーダイル60名
従者:ベーオウ
同盟:大魔王ガルーヴェン
従属:なし
備考:魔王軍との戦闘、決着
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