これは、劇中劇…。
水谷一志
第1話 これは、劇中劇…。
一
私は、最近思うことがある。
私は実は、「ある劇の中の主人公」なんじゃないかって…。
二
私には今、好きな先輩がいる。
そして私は、意を決してその先輩に告白した。
さあ、先輩の返事は?OKか、それとも…。
その肝心な所で、私の記憶は「ストップ」する。
「…あれ?」
気づけば私は、私が告白をしようと決める前にいた、公園のベンチに座っていた。
三
そして私は、また先輩に告白しようとする。
しかし、その返事を聞かせてもらう前に…、また私は公園に逆戻り。
しかもそれは…、その記憶は一度や二度ではない。
(だからこれは私の思い違いではない…と思う。)
『ってことは私、夢を見てる?』
私の思いが正しければ、私はその《夢の中の主人公》ということになる。
確かにそう考えれば、全ての説明がつくが…。
『でも、こんなに同じ夢ばかり見るものなのだろうか?』
私の疑問は続く。
四
『でも、もしこれが夢なら、この夢を見ているのも私みたいな女の子なのだろうか?』
『私とおんなじ先輩が夢の外にいて、おんなじように告白したいのかも…!』
そう考えると、何だか微笑ましい。
…しかし、夢にしては不自然な気もする。
五
これは私の気のせいかもしれないが、何か、この世界の外に《字幕》か《テロップ》のようなものがある…気がするのだ。
もちろん、夢の中に字幕がある…という可能性もあるがあまり聞いたことがない。
『と、いうことはこれはドラマか何か?』
『私は、ドラマの主人公?』
しかしこうも同じシーンが繰り返されるドラマなんて、あるのだろうか?
六
そして気になる点がもう一つ。
この世界の外側に、《BGM》が鳴っている気がするのだ。
『ということは…、やっぱりドラマか何かかな?』
しかし、さらに気になる点が…。
そのBGM、何かの歌なのだろうが《あまり上手ではない。》
ま、歌が下手なアイドルなんていくらでもいる、と言ったら偏見かな?
七
「ああ~やっぱりダメ!」
「私、何でこんなに【下手】なんだろう…。」
とある女子高生、真知子は今日も【カラオケハウス】で同じ歌を練習する。
しかし、いつも【同じパート】がうまく歌えず、【中止】と【再生】を繰り返すのであった。
PS せめてこの【カラオケ映像】の中の少女の告白がうまくいったのか、見届けてあげたいですね!笑 (終)
これは、劇中劇…。 水谷一志 @baker_km
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます