これは、劇中劇…。

水谷一志

第1話 これは、劇中劇…。

私は、最近思うことがある。

私は実は、「ある劇の中の主人公」なんじゃないかって…。


私には今、好きな先輩がいる。

そして私は、意を決してその先輩に告白した。

さあ、先輩の返事は?OKか、それとも…。

その肝心な所で、私の記憶は「ストップ」する。


「…あれ?」


気づけば私は、私が告白をしようと決める前にいた、公園のベンチに座っていた。


そして私は、また先輩に告白しようとする。

しかし、その返事を聞かせてもらう前に…、また私は公園に逆戻り。

しかもそれは…、その記憶は一度や二度ではない。

(だからこれは私の思い違いではない…と思う。)

『ってことは私、夢を見てる?』

私の思いが正しければ、私はその《夢の中の主人公》ということになる。

確かにそう考えれば、全ての説明がつくが…。

『でも、こんなに同じ夢ばかり見るものなのだろうか?』

私の疑問は続く。


『でも、もしこれが夢なら、この夢を見ているのも私みたいな女の子なのだろうか?』

『私とおんなじ先輩が夢の外にいて、おんなじように告白したいのかも…!』

そう考えると、何だか微笑ましい。

 …しかし、夢にしては不自然な気もする。


これは私の気のせいかもしれないが、何か、この世界の外に《字幕》か《テロップ》のようなものがある…気がするのだ。

もちろん、夢の中に字幕がある…という可能性もあるがあまり聞いたことがない。

『と、いうことはこれはドラマか何か?』

『私は、ドラマの主人公?』

しかしこうも同じシーンが繰り返されるドラマなんて、あるのだろうか?


そして気になる点がもう一つ。

この世界の外側に、《BGM》が鳴っている気がするのだ。

『ということは…、やっぱりドラマか何かかな?』

しかし、さらに気になる点が…。

そのBGM、何かの歌なのだろうが《あまり上手ではない。》

ま、歌が下手なアイドルなんていくらでもいる、と言ったら偏見かな?


「ああ~やっぱりダメ!」

「私、何でこんなに【下手】なんだろう…。」


とある女子高生、真知子は今日も【カラオケハウス】で同じ歌を練習する。

しかし、いつも【同じパート】がうまく歌えず、【中止】と【再生】を繰り返すのであった。


PS せめてこの【カラオケ映像】の中の少女の告白がうまくいったのか、見届けてあげたいですね!笑      (終)

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これは、劇中劇…。 水谷一志 @baker_km

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