第6話  ウーパールーパー

ウーパールーパーを飼いはじめた。ウーパールーパーっていうのは、俗称で英名はメキシコサラマンダー。ひらひらした外鰓が可愛らしくてペットとして非常に人気がある。サンショウウオの仲間は普通、成熟したら外鰓は消えるが、この種は成熟しても子供の見た目を保ち続ける。まさに、両生類のスーパーアイドル。

今回はまだ前肢だけのを貰った。カエルと違って有尾類は前肢の後に後ろ肢が生えてくる。2㎝くらいのを貰った。小さいプラケースの中ですいすい泳いでいる。

餌は冷凍の赤虫をやる。質が悪いのか、底に沈まない。これでは、ぱ太郎は餌を喰えない。あ、私はこいつをぱ太郎と呼ぶことにした。初めて見た時から、なんとか太郎という名前にしようと考えていた。出張の合間にも考えたが、思い浮かばなかった。帰って来ると後ろ肢が勝手に生えていた。待っていてはくれなかったらしい。そうして、赤虫をピンセットで口元に持って行って喰わせているのをみている時に、自然とぱ太郎と呼んでいたので、ぱ太郎になった。ウパ太郎じゃないのかと自問自答したが、ウパという発音がどうも面倒くさいのでぱ太郎にした。

ぱ太郎の今後はどうするか。ふつうのかわいいウーパールーパーとして育ててやってもいいが、実は水位を低くして育てると成熟して、外鰓がなくなるらしい。それは、全然可愛くないのだが、案外嫌いじゃない。

また、軽率に太郎なんてつけてしまったが、また三郎みたいにメスだなんてことがあるんじゃないか。メキシコサラマンダーの性成熟はいつごろだったか。実験動物だし、まあそこそこ早かろう。

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