娘、そりゃ誰だって分かるって……

私がまさかの衝撃の告白をしたのに、娘から返ってきた言葉は更に衝撃の一言で、私は思わず口をあんぐりと開けて驚いてしまった。


「えっ……玲奈……知ってたって……」


「うん。だって、私とお母さん全然顔の特徴当てはまる所ないし。お母さんは美人だけど、私は地味顔だし」


「そんな事ないわよ!!玲奈は可愛いわよ!!もう世界一!いえ!宇宙一可愛い私の最強に可愛い娘よ!!」


「うん。そう言ってくれるのはお母さんだけだから。とりあえず、一旦落ち着いて」


私が机をダンッ!と叩いてもう反論したので、玲奈はなんとか私を宥める為にそう言った。例え玲奈でもこれだけは譲る訳にはいかない!私の娘は世界一可愛い可愛い……(以下省略)娘なんだから!


「それに……私は黒髪だけどお母さん綺麗なプラチナブロンドだし」


「はうぅ!?」


最愛の娘に綺麗と言われ嬉しさと、髪の色を変えなかった自分の迂闊さによる二つの衝撃で思わず胸を抑えて変な声を出してしまう私。


「それと……お母さん……時々何もない所から火を出したりしていたよね」


「ばくぅ!?」


今度は完全なる自分の迂闊さに思わず床に手をついてしまう私。まさか……突然停電になった時、懐中電灯が見当たらなくて、仕方なくを使ったところを見られていたなんて……


「それに……お母さんって耳が普通の人よりかなり尖ってるよね」


「ぐふぅ!!?」


もうこれで私は完全にノックアウトだ。いや……その……この特徴的な耳ぐらいは隠すべきかと思っていたけど……を使い続けるのってかなりの負担だから……ね……色んな意味で……


「で……前々から分かってはいたけど、お母さんって………………エルフだよね。漫画やアニメとか出てくるあの」


「はうわぁ!!?」


私が本当のお母さんじゃないのを見破られたどころか、まさか私の正体まで見破られていて、私は完全に床に崩れ落ちた。


「さ……流石ね……私の可愛くて賢い最強愛娘の玲奈……私が本当のお母さんじゃないのを察しただけでなく、私の正体まで見破っていたなんて……」


「多分、私じゃなくても誰だって分かると思うよ」


なんか私の可愛い可愛い……(以下略)娘がそんな一言を言った気がするが、うん。これはきっとうちの娘が賢いから分かったのよ。そうに違いないわ。


「けど……私が本当のお母さんじゃないって分かっていたならどうして……」


どうして聞かなかったのか?それをなんとなく口にするのが怖くて言葉を詰まらせてしまう私。だが、私の最愛の娘は私のそんな気持ちを察してくれたみたいで


「うん。どうでも良かったから」


それはもうハッキリとそう言い放ったのだった。

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