舌先三寸 行き着く先は己の滅び


突然だがこれを読んでいるあなたは、

友人や恋人との待ち合わせ、

会社や学校等に遅刻をしてしまったことがあるだろうか。

別に遅刻した出来事じゃなくてもいい。

何かしらの理由で事前に取り決めていた事柄に遅延を引き起こすことになってしまった、

滞りが起こすことにしまった出来事でもいい。

極端を言えば何かの事態に滞りを起こして相手に迷惑を掛けてしまった出来事であるならもうどんな些細なことでもいい。



友人や会社の同僚、恋人との待ち合わせ、

職場や学校で期日までに提出しなければならない資料やレポート、宿題等の課題、

あるいは、進路希望票等の提出プリントetc……

と、それが起きた時の状況はその人その人によって様々だが。


別に私はミスをしてしまうこと自体を咎めているわけではない。

人間というのは完璧ではないから、

自分では一見すると完璧にこなしてるようでも、どこかしこで大なり小なりミスをしてしまうものだ。


待ち合わせに寝坊して遅れた、

何かしらのトラブルが起こり仕事や会議、

授業の開始時刻に間に合わなくなってしまった、仕事で初歩的なミスをしてしまう、等々。


これを書いている私だって一人の人間だし、 その例に漏れない。

出来るだけミスのないように気を付けてはいるものの、疲弊等でほんの一瞬、それこそコンマ1秒レベルで目の前の事から注意が反れただとか集中力が切れただとか、そんなふとした拍子にミスをしてしまうことがある。

そうして起こってしまった失態というのは

『覆水盆に返らず』という言葉の通り最早、

起こってしまった以上は仕方のないことだ、

とその時は割りきるしかない。

大事なのはその後自分がどう行動するか、

ここに今後の自分の立ち位置だとかそういうものが掛かってくる。



その場合において私達がまずすべき行動、

それは滞りが起こるのが明らかになった、

ミスが発覚してしまったその時点で、

相手方にそれを一言伝え、詫びを入れる。

そして現状がどうなのかを相手に伝え、

相手に相談し、相手から受けた指示に従う。


世間でよく言われている、

報告・連絡・相談の『報連相』を

自発的に行い、そうしてリカバリーを図る

そういった前向きな姿勢が大事だと私は思う。

その場ではボロクソに叱責を受ける事は変わらないが、それをするとしないとでは相手からの印象も天と地ほど変わってくる。


まぁ私より人生経験何倍も長い筈なのに

それすら出来ない上にそれを棚にあげて責任を目下の者へ押し付け叱責するなんていう理不尽かますようなクソッタレが社会にいるのも現実なのだが、

それは今は一旦おいといておくとして。



だが仮に報連相をちゃんとしていたとしても

同じようなミスを何度も繰り返し、

その上改善している様子が見受けられないとなれば、相手からの信頼や信用も徐々に失われていくというもの。

無論最後まで信じてくれる人もいるにはいるだろう。

いるにはいるだろうが大概の人はまぁそうなると考えていい。


ましてやちゃんと報連相をしていてもそうなるのだから、それを怠っているのだとしたら

相手からの印象の悪化がより早まるのが明らかなのは子供でも分かる事だろう。

起きてしまった失態をウソついて誤魔化そうとするだとか、揉み消そうとするだとか。

幼い頃には誰しも経験のあることだろうが、

そんなことしたら、それこそ周囲からの信用や信頼は主翼の折れた飛行機の如く

真っ逆さまに地へと墜ちていくことだろう。

最悪、人生というゲームにおいて

社会的な死という名のバッドエンドへ向けて

強制フライトになること待ったなしだ。

そうなってしまってもそれはそいつの自業自得なのだが。

極めつけは相手に迷惑を掛けている自覚はあるのに

『だが私は謝らない』なんて考えている奴が

いるがそんなのはもっての他。

最早論外も論外、最低で最悪な超弩級のクズだと言っても過言じゃない。

それこそ私よりも年下の知人達の方が人間が

出来ていると思える程だ。


「まだ20と数年程しか生きてない青二才が

何を知ったような口で偉そうに」

なんて事を思われるかもしれないが、それが

世間では一般常識なのだし、私が見聞きして

きた事に自身の実体験も込みの事実なのだから仕方ないだろう。




ここからは、少しだけある物語を話そう。

もっともこれは一種のシミュレーション、

物書き風に言えば夢小説に近しいものだから、

『自分がその立場だったら』

という呈で聞いて欲しい。




ネット上で複数人である企画を行っていました。

あなたはその発足人でリーダー格で、

メンバーは全員、あなたが募った有志に我こそはと集まってくれた人たちばかりです。

各々の住まう所が離れている事を知っている

あなたは、なるべく滞りなく進められるよう、連絡や疎通がしやすいような体制も整えました。

「プライベートの時間や学業や仕事等々、

各々事情もあるだろうから、そういった場合はそちらを優先してほしい。最悪こちらの事は

二の次でも構わない」

と一言、メンバーへ添えて。



だけどその中に一人だけ、Aさんという方が

進行の滞りの原因となってしまっていました。

にも関わらずAさん自らの詫びは一つもなく、遅れる旨の連絡は一切なし。

詫びや遅延の連絡は、あなたからAさんに

コンタクトを取った時に初めて分かる程です。



あなたが定期的にグループで進捗を聴くも、 そこでAさんからは一言の発言もなく、

Aさんが一向に進まず、遅れてしまっている

理由が明らかになるのも、決まってあなたが

個別で聞いた時のみ。


そしてあなたが何とかして作業を進めるように促すも、その返答には悪びれる様子はなく

どこか茶化しているような感じ、

挙げ句原因への解決策を話し合って解決した後、決まって『頑張ります』と言うも、

その後に進捗が進んでいる気配は感じられない様子。

なんならAさんから

「何時までにここまでは仕上げる(仕上げられそうだ)から待っていてはくれないか」

といった打診は一度としてありません。


そして極めつけは、Aさんは遅延している理由をあなたが伝えているからか、当の本人が他のメンバーに自ら伝える事は一度としてないという始末。



それからも、Aさんの態度や素行が改善されている様子は一向に見受けられませんでした。




如何だっただろうか?

Aさんに対し、あなたはどういった感情を抱いただろうか?

理由が理由なら仕方ないと許すだろうか。

「なんだこいつは。ふざけるのも大概にしろ」と憤慨するだろうか。

最早怒りを通り越して呆れているだろうか。

少し言い方は悪くなるが、

「もうどうでもいい。こんな責任感のせの字も持ってないような○ソ野郎の事なんか」

等と見限っているかもしれないな。

まぁ、そこはこれを読んだあなたの感性におまかせするとしよう。



ん……?『かくいう私はどう思っているのか』だと?……ふむ、そうだな。

事情が事情なら、それ次第である程度は飲み込むが、それにしたって限度というものがある。

仏の顔もなんとやら、というやつだ。

自分がこの立場だったとして、こんなことを

繰り返されていたら、

なんの根拠もなく疑いの目を向けるのは些か

心苦しいが、原因として話される理由も

「ホントにそうなのか」

「ほんとは面倒でやりたくないが為に、都合のいい理由を敢えて作っているんじゃないか」

等と次第に疑心暗鬼になってしまうし、

ほんの僅かとはいえ、そうならざるを得ない。

本当にやる気があるのか?とも考えてしまうのが正直なところだ。

とはいえ相手は遠く離れた地に住む顔知らぬ

ネットの向こう側の人間である以上、

その真偽を確かめにいく術もないから、

一応は信じざるを得ないのだが。

私自身、何の根拠もなく相手をウソつき呼ばわりするは余りしたくない性分なのでね

(幼い頃にそれで痛い目を見ているからというのもままあるが)。




……とまぁ、ここまで長々と話して

結局何が言いたいのかというと、

『口先ではなんと言おうと、そこに相応の行動が伴ってなければ、その言葉に意味がなくなる』という事。

もっと簡単に言えば、

『言うからには相応の姿勢、在りかたを見せろ』と私は言いたいのだ。


四字熟語に「舌先三寸」という言葉がある。

言葉が上辺だけで、そこに心や中身が備わってない人物、もっと簡潔に分かりやすく言うならば、口先ばかりのクソ野郎に対して用いる言葉だ。


例えとしては少し内容が薄汚くて申し訳ないが、

万引き……もっと言えば盗みを何度も

繰り返した挙げ句、

「もうしません」なんて言ったところで

周りの人間は信用してくれないし、

何度もお金を貸してるのに中々返さない人間から「次は絶対返すから」なんて言われたところで、貸してあげようと思えるようなお人好しは

そう居ないだろう。



至極当然のことだ。

相手からしたらその言葉を何度も聞き、信じる

その度に、その場しのぎの嘘だったのだと

騙され続けたのだから。

でもそんな状況でもソイツはまだその場しのぎの嘘で相手を欺けると思っている。

思考回路頭ん中バグっているのか?

いや、バグってるんだろうな。

そうじゃないならその場しのぎの出任せを吐いて難を逃れようなんてヴァカな考えに至らず、

既に改善する方向に行動を移す筈だ。

犯罪を犯してしまっても更正する気があるなら相応の罰を受けるし、

お金を返すつもりがあるのなら、日雇いででも

アルバイトをするなりして銭を稼いでる。

「『悔い改める』と心の中で思ったなら、その時既に行動は終わっているんだ」というやつだ。



仕事や勉強、極論何らかの作業の場合だってそう。

「頑張ってます」と言ったところで大なり小なり、目に見えて分かる成果や実績が相手側に

見えなければ何の意味もないし誰も信用してはくれない。当然だ。

そんなに「頑張っている」って言うんなら

じゃあ手前は相応のモンを見せてんのか

って話になるわけだ。



こっちは何度もそっちの言い分を汲んで打診してンだ。

そっちも相応の姿勢を見せんのが筋ってもんだろ。

何が「頑張っている」だ、ふざけてんのか?

こっちが連絡しない限りテメェからは一度として遅れる旨の連絡を一つとして寄越さねぇし、

周りには迷惑掛けてんのに詫びの一つもねぇ。

まぁ詫びの言葉なんて出るわけねぇわな。

テメェ自身迷惑掛けてるって自覚がねぇんだろうから。

おまけにこっちから進捗聞いて、そこで

初めて問題起こってるが発覚して、

それさえ解決すれば進むと思って解消するのを手伝う事もしたのに、ちと恩着せがましいかもだが礼の一つもねぇ。

そして最後は定型文の如く「頑張ります」の

一言。

どんな言葉をいくら並べ連ねようが

それに伴う進歩や姿勢がこれっぽっちも、

それこそミジンコ程も見えねぇし感じられねぇ。

『足りない』んだよ。言葉の中の誠意も、

迷惑掛けてるって自覚も、何もかも全部な。

もう手前の「すいません」「頑張ります」

なんて口先だけで海外のインチキ商品のようなガワだけで中身がスッカスカな言葉、耳にタコ出来るくらいには聞き飽きたんだよ、こちとらな。

そう言っときゃまだ大丈夫だろうだなんて

甘っちょろいこと考えてんなよ。

『まだ大丈夫』じゃねぇ。『もうアウト』なんだ。

本来なら当の昔にタイムオーバーになってる所を何とか引き延ばしてやれるから、こっちが

譲歩して引き延ばしてやってるだけに過ぎないんだ、そこんとこ勘違いすんなよ。

「頑張ります」っつーなら、

テメェのやるべき最低限の事

全部キチッとやって、その上で「頑張る」

なんて言葉吐けや。このダボが。

これでも俺はまだ譲歩してる方だと思うがな、

ハッキリいう。世間はそんな甘かねぇ。

世の中を無礼るな。

こんなこと繰り返してたら、人によっちゃあ

あっさり見限られて終わりだ。

最悪自分から居場所失くすはめになるぜ。

そうなりたくねぇってぇんなら、

これ見た明日から……いや、今からだ。

『今から』そのつまんねぇプライドぶっ壊して、その相手を舐め腐るひん曲がった性格と、

腐った性根を治すよう行動に移しやがれ。

解ったかボケナス。


ふぅ……おっと、これはちょっと失礼。

柄にもなく言葉が汚くなってしまった。


……えっ?

「柄にもなくってお前、たまにこんな話し方になるだろ」……って?

あー……あの、普段は結構砕けた話し方するけど、YouTubeで動画撮る時とかは丁寧な

言葉使いになる人、いるでしょ。

あんな感じだよ、あんな感じ……ね?



ンン……さて、もし知人に当てはまる人物が

いるのなら……うん、どうするかはあなたに任せよう。

何がなんでも信じるというならそれもいい、

そこはあなたの自由だ。

ああしろこうしろと強要するつもりも指図するつもりもない。

……まぁ私個人としては、少なくとも一歩半

距離を置くとか、少しばかり接し方を変えたほうがいいような気もするが。



もし自分が当てはまるかもと感じたならば、

その時から自分を戒め、今後を改めていけばいい。

大丈夫、人間というのは失敗から学んでいく

生き物だ。

そうすれば今後同じ過ちをすることは絶対にない……と言い切れるわけではないが、

過ちに気付いたのならその都度そこから改善していけばいい。

普段からの言動や行動に気をつければ、

ほんの少しずつでも自分を変えていくことは

出来る筈だ。

そうすれば時間が経つに連れて、徐々に

周りからの自分に対する視線も変わってくることだろう。

そして、友人や知人から注意を受けたならそれを素直に受け止め、その点を改めていくべきだと、俺は思う。



こんな言葉を耳にしたことがあるだろう?

『言われる内が華』と。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

継月の小話 継月 @Suzakusaiko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る