第18話 チュートリアルはガチャの道
「それではチュートリアルを始めてください」
あまり乗り気ではないが、仕方なくステータス画面からチュートリアルの開始を選択する……
「は〜い♪、みんな大好き女神のリンシャンテンですよ〜今日はアルティメット・ラーフィアをプレイしてくれてありがとう! これから私が簡単な操作説明をするから覚えてね♪」
「…………ケンカ売ってんのか?」
キャピキャピした言い回しに、心の底から腹が立ったので真顔で怒る。
「ち……違います! チュートリアルのデフォルト文言なんで、少し気持ち悪いかもしれませんが我慢してください」
「……気持ち悪いって認識はあるんだな」
「はい、それじゃ、まずはステータス画面の開き方だよ♪ 右手を上に上げると、青く光っているボタンが……」
「飛ばせ……知ってるし……ウザいからスキップしろ……」
「あっ……はい……それじゃここはスキップします……」
そこから興味のない内容、リンシャンテンが必要以上に気持ち悪い箇所をスキップさせていく……
「それではNPCと話をしてみましょう!」
「いらん、スキップ!」
「道具の使い方……」
「知らんでいい、スキップ!」
「魔法の覚え方……」
「使わん、スキップ!」
「素材の合成方法……」
「素材は全部、金にする、スキップ!」
「はい、どうですか、皆さん〜アルティメット・ラーフィアでの操作はもう理解しましたか〜♪」
「ウザい、スキップ!」
「まあ……スキップしても歩合は貰えるのでいいんですけど……全項目スキップした人は初めてですよ……」
「項目毎にしかスキップできないのも問題だぞ、全部一気にスキップできるようにしておきなさい」
「私にそんな権限ないんですって……」
完全スキップ主義で、なんとかチュートリアルを終了することができた……するとリンシャンテンは涙を流して喜んでいる……
「うわ〜んっ……これで歩合が貰えます〜」
たくっ……歩合に貪欲な奴だな……
「おい、リンシャンテン、早く課金アイテムをよこせよ」
「…………ちょっと待ってください! 今、なんて言いました……」
「なんだよ、下僕女神、早く課金アイテムよこせって言ったんだよ」
「違いますよ! その前ですよ! リンシャンテンって名前で呼んでくれませんでした?」
「たく……面倒臭い奴だな……散々、チュートリアルでリンシャンテンって聞いてたから勢いで言っただけだ……」
「うっ……うわ〜ん〜健作さんが私を名前で呼んでくれた〜なんて日なんですか今日は〜本当に嬉しいです〜」
「わかったから早く課金アイテムをよこせよ、バカ女神!」
「あっ……はい、それではどうぞ、ミスリルストーンを30個です!」
「おっ、そんなに貰えるのか」
「そんなにと言ってもガチャ一回分ですけどね」
「なんだと、ガチャってそんなに高いのか!」
「はい……それがラーフィアの収入源でしたから……」
リンシャンテンは遠い目でそう言う……
課金アイテムを入手して、ガチャができると言うことで、さっそく新たな下僕を召喚することにした。
「それでガチャはどうやるんだ」
「はい、ステータス画面から『ガチャする』の項目を選んでください」
「ここだな、おっ出たぞ」
「あとは装備、素材、召喚から好きなガチャを選択してボタンを押すだけです」
「よし、下僕召喚だ!」
「…………健作さん……召喚される前から下僕確定は可愛そうなので……」
「事実だ!」
「……はい……そうですね……」
召喚ガチャを選択すると、目の前に大きな光るゲートが出現した……そしてそのゲートから人影が現れる……
「イエイ! みんなに愛される、ドジっ子キャラ! 三度の飯より四度の飯が好き! 食いしん坊キャラのルナティ、ここの参上です!」
「…………なんだコイツは…………」
「健作さん……ハズレです……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます