第十五章 ―夢の中の世界へ…―

緑の多い自然豊かと思わせる場所に一人横たわっていた…。


「ん…此処は…?」


身体を起こし事態を把握しようとする……。


「翔、優? アイツ等何処に行きやがった?」


立ちあがり辺りを見回すが、二人の姿は何処にもない…それどころか聖人の姿も見当たらなかった……。


「仕方ないな……。」


とりあえずここが何処だか知る必要があると感じた神は、情報を集めるために光の射す方向へと歩き出した……。


光に包まれる直前に、以前聖人が神へ言った言葉を思い出した……。


『ねぇ神……神は夢の中の世界って信じる?』

『あ? 何だそれ』

『オレさ、思うんだよね…天国とか地獄ってのは本当はその人の見ている夢の世界で、それは生前の自分のしてきた行いの結果だと思うんだ……良い事をしたヤツなら明るい夢で、悪い事をしたヤツは暗い夢で…時折見る悪夢っていうのは警告なんじゃないかな?』

『へぇ……お前はどうなわけ?』

『オレ? オレはさ、昔からヤンチャな事してたから悪い夢…でも…神と出会ってから変な夢って見てないなぁ…。』

『それは光栄な事で……。』

『最近見る夢って何か違うんだよね…暖かいっていうか…懐かしいっていうか…上手く言えないんだけど…オレが行かないといけない場所なのかなぁって感じさせるんだ……。』

『ほぉ、是非見てみたいものだな…。』

『あぁ…すっげぇ綺麗な所だからさ、見せられるなら見せてやりてぇよ。』




昔を思い出して再び辺りを見回す神……。

聖人は其処で何を見たのだろうか………?





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