第十六章 ―不思議な出会い―
「昔、聖人が言っていた場所がここなのだとしたらここは…聖人の夢の世界って事になるのか……?」
聖人の言葉を信じるとそうなる……しかし聖人がいないのに確信を持てる訳がない……神は迷った…本当に聖人の世界なのか…現実世界の一部なのか?
「聖人……お前は今何処にいるんだ……?」
……し……ん………。
「ん? ……聖人……?」
不意に呼ばれた気がした……――。
「気のせい…か? だが、感じる…聖人はここにいる……。」
なぜそう感じるのか…神の過去に関係があるのか…今の神には分からなかった…。
「おや、神かしら? 大きくなったわね」
!?
突如、神の背後から声をかけられた……――。
「え………? ま、まさか……?」
「あら、覚えてくれていたの? 嬉しいわねぇ…。」
それは、神が幼い頃に別れを告げた、唯一禁忌の青年を助け政府の手によって無残な死を遂げた神の高祖母の姿があった……。
「なぜ……ここに貴女が……?」
「神……ここは転生の間…生を終えた者で新たな人生を歩める事を許された者が集う場所……お前はまだここに来る者ではないだろう?」
「はい……大事なヤツを探しに来ました…河童一族の禁忌の青年です…高祖母様は出会いませんでしたか……?」
「!?…そう…お前も私と同じ人生を歩んでしまったのね…神…聖人という青年だね……私は見ていない…けど彼なら知っているかもしれないわね…。」
「……彼……?」
「神を助けてあげてはくれませんか? 私の玄孫なんですよ…小助さん。」
ね? と灯が振り返ってみると、優しそうな笑みを浮かべた一人の若い男性が立っていた…。
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