第七章 ―禁忌の子について・・・―
「かつて…聖人と同じ禁忌婚で生まれた河童と人間のハーフの子供は、秘められた潜在能力があるとされて、隔離され実験体として扱われた……。」
「…実験体……。」
「酷い……。」
「まぁな…だが禁忌婚で生まれた子供は、生まれながらにして凄い能力を持っていた…。だからあらゆる投薬の実験や戦争の道具として売買されていた…昔は禁忌婚の子供には戸籍すら与えず、ただ国の為に生きて死ぬ運命しか与えられなかった…。」
「マジかよ……。」
「今は……戸籍があるんですよね?」
「あぁ、だがその法律が出来たのだって最近のコトで未だに迫害は大きい…。」
―だから……聖人を初めて見たとき驚いた……―
「その事を恐れた一族は、子供が生まれた時に禁忌の子だったら死産させてその数を減らす事にした…だから禁忌の子ばかり生まれる一族も多くなり河童一族自体の数も大きく減少した……。もはやまともに生きている一族は聖人の一族と後2つ位しかない…。」
「でも、聖人は今生きています…。このままだと政府とかに引き渡さないといけないんですか?」
「そんな事させねーよっ!!」
「…解らない……でも渡す気はない……。」
――何も知らないで、自分がどんな運命にあたるかも知らないで純粋に育ってきた青年、聖人……。ただ両親からの暖かい愛情を受ける事なく17年という月日を過ごして来てしまった……もし、両親が…聖人がこれからどんな人生を歩むのかを知っていての与えない愛情という行動なら俺はアイツ等を許せない……―
「今じゃ河童一族は数少ない一族としてかなり貴重になっている……聖人なんてレア中のレアだ………。」
「だからって!! だからってこのまま聖人を簡単に手放せるかよ!!」
「そうです!! 聖人は……聖人は先生と出会って変わったんです…自分が貰えなかったモノを初めて与えてもらって……自分の中に芽生えた新しい感情の意味を知り始めて……。」
――……聖人……――
「今まで、禁忌の子を生かそうという考えに至る者は数少なかった…誰も聖人の様なヒトを生かそうなんて思わなかった……。だが、俺の一族は違った……過去に一人だけいた……禁忌の子を生かそうとして処刑された人が……。」
「「え!?」」
それは…如月 神の人生も変えた……。
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