第4話オリビア視点

 私は色々試した。

 試したが何も持つことができなかった。

 これでは復讐など不可能だ。

 それなら光にあたって消滅したほうが、自分の遺体が穢されるところを見なくてすむと考えたが、ふと思いついた。

 地下牢にあった遺体なら動かせるのではないかと!


 私が死んだ後もこうして意識を持つ霊体でいられるのなら、話で聞いただけのゾンビやスケルトンも実在する可能性が高い。

 しかもそのゾンビやスケルトンを動かしているのは、元の人間の意識だとは限らないのだです。

 私がその身体を乗っ取って動かすことができるかもしれない

 そう考えたのです!


 私は急いで地下牢の戻りました。

 私の遺体を犯すジョージを見ないようにして。

 そして私は見つけました。

 ジョージが私を怖がらすために残していたミイラ化した遺体を。

 気持ち悪いのをこらえて、その遺体に入りこんで動かしてみました。


 私は勝利しました!

 ミイラを動かすことができたのです。

 後はどれくらいの力があるかですが、噂通りノロノロとしか歩けません。

 でも動けるのは確かです。


 私はミイラ動かしてジョージに近づきました。

 本当は気がつかれないように近づいて、先ほど使えなかった短剣で刺し殺したかったのですが、慣れない身体、それもミイラなので、音を出してしまいました。


「ギャァァァァアァアァアア!

 許せ、許してくれ!

 私が、私が悪かった!

 謝る、謝るから許してくれ!」


 ジョージが大声で悲鳴をあげました。

 泣き喚いています。

 内容から考えて、このミイラはジョージが理不尽に殺したのでしょう。

 本当に悪事の限りを尽くしていますね。


「死ね、今度こそ死ね!

 この死にぞこないがぁ!」


 やはりジョージらしいですね。

 私が思わず止まると、体当たりして逃げようとしました。

 私の遺体を犯している最中だったので、下半身が丸裸です。

 本当はここで殺したかったのですが、動きが鈍いので、避ける事も迎え撃つ事もできません。


 ですが爪でひっかくことや、噛みつくことくらいできます。

 ミイラとはいえ腐った遺体です。

 爪や歯を使って生身の身体に傷をつければ、疫病を移すことは可能です。

 そういう話を聞いていたので、必死でジョージの下半身に爪を立て噛みつきましたが、運がいいのか悪いのか、ジョージの逸物を噛み千切ることに成功したのです。


「ギャァァァァアァアァアア。

 痛い、痛い、痛いぞ」


 元の身体の時には、無理矢理くわえさせられても、噛み千切る事などできませんでしたが、今は平気でした。

 いい気味です!

 もうこれで女性を犯すことができないでしょう。

 もうこれで女性が傷つけられることはないと思うと、少しは気が晴れました。


「バケモノがいるぞ!

 退治しろ!」


 ジョージの家臣たちが地下牢にやってきてしまいました。



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