第77話 フフフフフフフフ
「ホダカ殿、何故逃げるのじゃ?」
マリア姫が小首を傾げ。
エメラルド姫が、殺気を霧散させる。
「ホダカ、大丈夫でしたか?!」
「あ……いや、街の人がおかしくなっていて、つい状況に流されたというか」
「……いや、トイレを覗いたのがホダカでは無いのは分かっていましたよ?その、ホダカそっくりでしたし、かなり強い感情に支配されかけましたが……ホダカがする訳がない、という理性で抑え込みました」
んん?
「妾もじゃ。お風呂に入ってきて胸を揉みしだいたのが、ホダカ殿では無いのは分かっておったのじゃ。そう上手い話は無いのは良く分かっているのじゃ」
んんん?
「俺が、いたのか?」
「はい」
「のじゃ」
さて……ややこしい事になった。
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とにかく、情報を整理。
まずは、俺が経験した事を話し。
次に、エメラルド。
トイレに入っていたら、窓から俺が覗いていて、感想を述べたらしい。
驚いて窓の外を見たら、逃げ出して、宿の外を駆けていく俺の姿。
ともかく、俺を追いかけて外に出て……
マリアは、風呂に入っていたら、俺が入ってきて、胸を揉みしだき……元々何かあると警戒してたのもあり、とにかく攻撃を加えようとして。
俺が逃げ出し、追いかけ……
外で2人が合流。
誘導された先に俺がいて。
そして、住民の怨嗟大合唱。
俺への不信感が強く沸き起こったが、舌を噛んで意識を保ち。
マリア姫が無力化の暗黒魔術を行使、住民の意識を刈り取ったらしい。
ちなみに、エメラルドが鎮圧の為に放とうとしていた技は、広域無差別破壊技。
良かった、マリア姫の魔法が先に発動してくれて。
「ドゥーアーの蠢動、だろうな。恐らくは、2つの攻撃方法がある……集団暗示と、幻覚……いや、いわゆるドッペルゲンガーか?」
<称号『フフフフフフフフ』を獲得しました[1]>
何故笑った。
「でも良かったよ。エメラルドとマリア姫が俺を信じてくれて……ドゥーアーの攻撃が俺にも効いていたのもあるかも知れないが、訳の分からない状況に立たされて、少しまいっていたからさ」
「私は、ホダカを信じています。災厄の卑劣な嘘に、騙されたりはしません……ただ、マリアは相変わらず空気を読まないですね」
「のじゃ?」
「周り皆がホダカを疑い……私だけが、涙を流しつつ、ホダカを信じる……そこから燃え上がる恋、それが分からないのですか?」
「それは妾の台詞なのじゃ?!」
「いや、2人が信じてくれて嬉しかったんだからな?!」
<称号『空気が読めないのは火鷹の件』を獲得しました[1]>
読めてるし。
2人が俺を信じてくれて、最高の仲間だって、そういう話だし。
<称号『嫁ない』を獲得しました[1]>
そうだよ、俺は独身だよ。
悪かったな。
<称号『私がいるじゃない』を獲得しました[1]>
ああ、よろしくな、相棒。
<称号『空気が読めない男』を獲得しました[1]>
その称号いらない。
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