第55話 13 Days And 13:23:39
「次善の策は……内部からの、この世界の破壊です。ただ……」
「呑まれた時点で、無力化されている、と」
多くの者は、本来の姿すら失い。
俺やクローバー姫、キース君は、元の姿を保っているが……ステータスは初期化されている。
一方で、ヴネディアは
いつも通り……いや、いつも以上に、酷い状況だ。
「私達はもう手遅れです。でも、勇者様達は……」
「2週間、か……」
山となった黒い馬の置物。
稀にある白い馬の置物。
仲間を失った人が見た、白くなった馬の置物。
恐らく、黒い状態が、人を吸い込める状態。
白い状態が消化中なのだ。
その期間内であれば、
その期間を過ぎれば……
そういう事らしい。
その期限が、2週間くらい、だと。
<称号『いえ、あなたでも1週間保てば良い方、マリア姫で4日、エメラルド姫で2日といったところですね』を獲得しました[1]>
短いじゃねえか。
そして何故マリア姫が出てきた。
あと、エメラルド姫ぇ……
<称号『一般の人であれば、24時間くらいです。エメラルド姫でも十分人間辞めてますよ』を獲得しました[1]>
猫だけに。
<称号『まあ、ややこしいので、2週間にしておきますね。マリア姫とエメラルド姫も、あなたに合わせて2週間にします』を獲得しました[1]>
何でマリア姫が出てきたんだ?
<称号『ちゃっかり間違えました。キース君です、キース君』を獲得しました[1]>
ああ、なるほど。
パーティーメンバーは同じリミットにしてくれたという事か。
分かり安くて有り難い。
時間も延びてるし。
<称号『そらよ』を獲得しました[1]>
視界右上の方に、13 Days And 13:23:39と表示された。
あれが0 Days And 00:00:00になると、タイムオーバーという訳か。
<称号『あと 00:00:00、になりますね』を獲得しました[1]>
その細かい表示、訂正しなくて良いから。
「勇者様……御願いします。無茶を言っているのは分かっています。この
「やるよ。それが……
道のりは絶望的。
そもそも、道筋すら曖昧なのだけど。
「それで、基本的に、『夜』以外は何も出来ないんだな?」
「はい……今分かっている限りでは、そこに賭けるしか……」
真夜中の12時から13時。
あり得ない筈の1時間。
その時間、この世界は悪夢に蹂躙される。
多くの者は、そもそも動くことが出来ない時間。
俺達が動けるかどうかも怪しいのだけど……
<称号『動けますよ』を獲得しました[1]>
動けるらしい。
この時間だけ、クローバー姫が他者に使える秘技……
現実の力を行使……とまではいかないけれど。
ある程度、戦闘能力を得られるらしい。
一部の有志にその力を使い、悪夢と戦っていたとか。
囚われ、中で暮らしている人々?が食事だとすれば。
悪夢は、その血肉となった後の成れの果て。
人々?を捕え、貪り、そして新たな悪夢として……
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