第45話 逸脱

「それで、オラリドゥの居場所は分かるのか?」


「流したのじゃ?!……オラリドゥの居場所は分からぬ……或いは、お主の友人どもに偽りを吹き込んだ賢人が、オラリドゥかもしれぬ」


むう……


ほら、あれ出せよ。

オラリドゥのブロマイド。


<称号『持っていません』を獲得しました[1]>


何か探すヒントとか、アイテムとか出してよ。


<称号『ダークロードの時は、手助けし過ぎたと思うんですよね。快適プレイのサポート……その範囲を逸脱していたと思うんです』を獲得しました[1]>


頼むよ、相棒。


<称号『新しい相棒のキース君とよろしくやってれば良いんじゃないですかね』を獲得しました[1]>


駄目か。

まあ、システムが攻略情報を与えちゃいけない、っていうのはその通りだな。


ともかく。


「ここで悩んでいても仕方がない。王城へ向かおうか」


<称号『王女様のえちえちな自撮写メとかあるかも知れないですしね』を獲得しました[1]>


この世界、写真無いらしいぜ。


--


「本当に……見事に破壊したな」


聖棺の間せいひつのまへと着いた。

荘厳な女神像や、祭壇は無残に。

壁に掛かっていたらしい剣は折れ。

盾も真っ二つ。


華田は、俺やマリア姫よりは弱い。

エメラルドは強い。

そんな立ち位置。


一応、神代から続く施設を破壊する、その程度の強さはある様だ。


<称号『炎で焼こうぜ』を獲得しました[1]>


焼かない。


<称号『炎で焼きますか? Y/はい』を獲得しました[1]>


焼くな。


<称号『服だけ、服だけだから』を獲得しました[1]>


火傷するから駄目。


アンデッドはうろついているが、キース君が集めてくれるアンデッドの群れに比べれば、ぬるい。

エメラルドでも無理なく倒せる、そんな程度だ。


「あの集団、財宝を持ち出しているようだが、良いのか?」


「構わぬのじゃ。最早、妾には不要の物。民に救いを与える者共の糧となるなら、喜ばしいのじゃ」


エメラルドの王家の財宝も、多分色々と持ち出されただろうし。


さて、王城まで来てみたは良いが、何も無かったな。

夜になれば何か変わるだろうか。


一応、王城で夜を迎えるのは危険と釘を刺され。

日が暮れる前に城を脱出する予定となっている。

夜の散歩に来ようかな?


「あの集団、ベッドを持ち出しているようだが、良いのか?」


空間収納に入れたら楽だと思うよ。


「むしろ良く持ち出す気になったのじゃ。構わないが、何故なのじゃ?」


ふかふかだったんだろうか。


ふと、ベッドを運んでいる集団と目が合う。


「貴方、よくよく見れば……高位不死者……ヴァンパイアクイーンですよね?」


「そうなのじゃ。でも、そなたらと敵対する気は無いのじゃ」


「そんな事信じられませんわ。大人しく経験値に……もとい、成敗されなさい」


純白の衣装のシスター。

かなり強い……が、マリア姫よりは弱い。

華田よりも弱い。


……もっとも、後ろの奴等もベッドを置いて参戦しそうだ。

それぞれは強く無いが、6人程いるので、マリア姫単独なら苦戦しそう……

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