第19話 スムージーを飲んで疲労を回復して下さい

「何とか……倒せたか」


ダンジョンのボスを倒し、一息つく。

凶悪なトラップの数々、凶悪なボス……

クラスメートや、一般冒険者なら余裕なんだろうけど、生産職ソロでは絶望的だった。


時間潰しに筋トレでもしようとしたところ、駄々をこねる奴がいたので。

仕方なくダンジョンに来た。

まあ、強力なユニーク装備とかがあれば、もう少しマシになるしな。


ギギ……


扉を開けると、大きな宝箱。

凶悪極まりないトラップを解除し。

中には……


『おめでとう。力をあわせてここ迄辿り着いた、その事実こそが何よりの宝物だ。』


一枚の紙切れ、書かれたお祝い。

ソロだよ。


『ソロで辿り着くとは、素晴らしい。君の偉業は、長く騙られるだろう。』


文字が追加される。

炙り出しかよ。

あと、騙るなよ。


ユニーク装備はどうした。


『修羅神仏ですらクリアできる難易度のダンジョンに、そんな良い物がある訳ないでしょうよ。』


難易度判定が、修羅神仏がクリア可能かどうかとか、やめてもらえますか。

いや、まあ、ステータスが全部Fの俺がクリアできてるあたり、たいした事は無いんだが。


F→人並み

E→人間やめてる

D→天使、悪魔並み

C→修羅神仏並み

B以上→未定義


もう少し、目盛りを縮めて貰えますかね。

数字で知りたいな!


というか、あれだよ。

初ダンジョンクリアだよ。

報酬くれよ。


<称号『初ダンジョンクリア!』を獲得しました[±1]>


変化無しかよ。

おかしいだろ。


<称号『初ツッコミ!』を獲得しました[黄昏の指輪]>


ちげえよ。

超突っ込んでるよ。

突っ込んで無い日が無いよ。


ステータスで、黄昏の指輪をタップ。

指輪がポップアップする。

なになに……


黄昏の指輪

 レア度:

  GR

 効果:

  身に着けた者の正体を、

  認識できなくなる。

  ただし、仄めかされた者、贈った者、

  鋭い者は誤魔化せない。


レア度は高いが、効果は微妙。


<称号『お風呂を覗いたり、歓楽街で遊んだり……意外と使えるヤツです』を獲得しました[1]>


姿消す訳じゃないしなあ。


ともかく。

ユニーク装備は手に入らなかったので、やはり自分で作るか。


それよりも先に……筋トレかなあ。

ステータス表記の不具合直してくれよ。


--


<称号『起きて下さい』を獲得しました[1]>


どうした?

まだ夜中なんだが。


<称号『すぐに街に向かって下さい』を獲得しました[1]>


何でだよ。

一日中筋トレして、疲れてるんだよ。


<称号『スムージーを飲んで疲労を回復して下さい』を獲得しました[1]>


スムージーを飲んでも、疲労は回復しません。


<称号『今ならスロットをプレゼント』を獲得しました[1]>


ほう?

先払いなら良いぞ。


<称号『ほらよ』を獲得しました[スロット+1]>


よしよし……


ぽむ


ステータスのスロット+1をタップすると、スロットマシーンがポップアップ。

ちげえよ。


<称号『さあ、街に行きましょうか』を獲得しました[1]>


行くわけ無いだろう。


<称号『謀ったな?!』を獲得しました[1]>


そもそも、スロット違いだったよね?

おやすみ。


<称号『仕方がない……あちらを止めておきますか……』を獲得しました[1]>


どっちを。


--


目を覚ますと……違和感を感じた。


……?


葉っぱが……浮いている?

物音が……しない。


今はまだ夜。

かなり寝た筈だが、まだ夜が明けていないのか?


街の方向からは煙が上がり。

しかし……これは……止まっている?


まさか……世界が停止?!


これは……俺が、システムメッセージ?に従わなかった……から……?

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