3話 スキル作成

「グギャァァ」


「ひ、ひぃー」


大男を倒してから数時間後、俺達はスズのレベル上げのために草原に来ていた、んだが。


「スズ、逃げ回ってないで戦わないと」

俺はそう指摘するがスズは逃げるばかりでモンスターと戦わない。


「だって怖いんだもん」

まぁ確かに相手は創作物でも良く出てくるモンスター、ゴブリンだしな。グロテスクというか、何というか、な。


「でも、戦わないと何にも始まらないぞ」

強くなる方法が他にも無い訳では無いがモンスターを倒すのが手っとより早いんだよな。

俺は棍棒を振り回すゴブリンとそれから逃げるスズを見ながら考える。


「はぁ」

俺は1つため息を吐くとスキル≪金縛り≫を発動した。


「きゃぁー。ってあれ?」

スズはゴブリンが追って来ていない事に気付き首を傾げる。


「今の内に倒せ」


「う、うん。分かった」

スズは動けないでいるゴブリンに目掛けて持っていた剣を振り下ろした。


「ギャァー」

ゴブリンは断末魔の悲鳴を上げて消滅した。


「た、倒せた」


「やったな」


「うん!」



◆ ◆ ◆



「やぁー」


「ギャァー」


「グギャァ」


次の日には、もう戦いに慣れたのかスズはゴブリンを普通に狩っていた。もちろん俺のサポート無しでた。


「休憩だスズ」


「はーい」


俺はモンスターを狩りまくっているスズを呼び戻す。


「戦いにも慣れて来たみたいだしそろそろスキル作成をしてみたらどうだ?」


「スキル作成?何それ」


「何それって。それを知らないで始めたのか?」


「うん」

スズはかわいく頷くがそれで許す程俺は甘くない。何を許すか知らないけど。というか、それを知らずに何故このゲームを始めようとしたんだ?

もう考えても分からないしその事には触れないでおこう。


「スキル作成って言うのはこのゲームで一番重要な要素なんだが、その名の通りスキルを作る事が出来るんだ」


「へー。何か凄そう」

本当に分かっているのか?


「取り合えず一回やってみるか」


「うん」


「まずは、メニュー画面にある『スキル作成』の『スキル同士』ってのをタップして」


「あ!何か出た」


画面には左側に所持スキルが表示され、右側には中心に大きな丸、そこから四方八方に枝分かれしその先端にも丸が表示されている。


「所持スキルを外側の丸に移動させてみて」


「中心の丸が変わった」


「そうやってスキルを最大8個置くと自動的に組み合わさって新しいスキルが出来るんだ」


「へぇー」

と言ってもこれは初心者向けだから余り複雑なスキルは作れないけどな。

俺はスキル作成に夢中になっているスズを見ながら欠片での作成はまた今度にするかなどと考えていた。

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