第3話 バスの中で...

バス停についてしばらくしてバスが来て乗った。

俺が外を見てると翔太が話しかけてきた

「俺はどっかで時間潰してるからお前ちゃんと話してこい。みなちゃんもなんか理由があるんだよ」

「ああ、わかった。ありがとな」

「当たり前だろ。俺たち親友じゃねぇーか。まあ、とりあえず今度飯奢れ」

「わかったよ」

「お、今日は正直だな。なら、飯以外にもな」

「調子に乗るな。飯だけだ」

話してたらあっという間にあいの家の近くに着いた。

翔太にはなしたら少し気が楽になった。


バス停からあいの家まですこしあるため歩きながら、何を話すか考えた。みなの家に近づくにつれ緊張し、全身から汗が溢れ、Yシャツに滲むのがわかった。

「ここか?デカすぎね?まあ、行ってこい」

翔太に言われハッとし前を見るといつ見ても大きなみなの家だった。

みなの家は、俺の父親の会社の取引相手で小さい時から一緒に遊んでいた。みなのお父さんは大手の社長で、お母さんはそこそこ有名な投資家それだけでなく両方のお爺ちゃんとおばあちゃんもお金持ちと、とても裕福な家でお嬢様だった。

緊張しながらインターホンを鳴らす。

ピーンポーン

「はい」

するとみなのお母さんが出た。

「あの拓夢です。みないますか?」

「あ、拓夢くん。久しぶりね。みなに聞いてないの?」

「え?聞くって何をですか?みなどうしたんですか?」

「。。。」

すこしまよってから

「ちょっと門開けるからなかにはいってきて」

ガチャ。

門が開き中に入ると相変わらず庭は広く木々はとても綺麗に整えられていた。

ドアの方まで行くとみなのお母さんがドアを開け俺を招き入れた。

客室に招かれ、お茶と茶菓子を持ってきてくれた。

「みなはいないんですか?」

「今は家にはいない。」

「そうですか。」

「ごめんね。」

「実は、みなとわかれたんですよね。でも、ちゃんと直接話したいと思ったんですけど今日は帰りますね。」

「待って」

みなのお母さんは少し考え話し出した。

「みなには言わないでって言われてたんだけど、みなは、みなは肺がんで移植手術をするの」

みなのお母さんはなきながら話してくれた。

「え、嘘ですよね?」

「いいえ、ほんとうなの。だから、多分成功するか分からないから拓夢くんと別れたんじゃないかな?」

そのあともみなのお母さんはみなの病気について話してくれた。

みなは病院に入院してるらしい。まだ早期発見できたから良かったけど転移するからまだ油断出来ないことその他にも色々教えてくれた。

「今度お見舞いに行ってもいいですか?」

今にも泣き出してしまいそうで、弱い震えてしまった声で言った。

「もちろん。みなも喜ぶわよ」

その日はそれで帰った

みなの家を出た時スマホを見ると五時を過ぎたところだった。

みな別れた時のことを思い出した。自分の自分勝手さに腹が立って自分を殴って、倒れてると隣に翔太がきた

「お前が遅いから見に来たら自分で自分のこと殴ってとうとう気でも狂ったか?」

「いや、自分に腹が立ってさ」

「どうだった?会えたか?」

「会えなかった。みながんらしい」

「。。。」

「そっか。今度お見舞いに行ってやれよ」

「分かってるわ」

「じゃあ帰るか」

それ以上翔太は何も聞いてこなかった

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最後の感謝 大橋 仁龍 (おおはし じんりゅう) @oohasi

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