第8話 日曜大工

 夫は日曜大工が得意です。

 ちょっとした棚はもちろん、前の家ではキャットウォークを作っていたし

 今の家ではボルダリング壁も手作りしました。

 今はユーチューブ撮影時に使う照明を作っています。


 こういう夫なので、生活に便利になる何かを作って欲しい時には

「こんな感じで使えるものを作って」とか

「○○が不便だから何とかならないかな?」と


 相談すると私が想像していたよりも、はるかにクオリティの高いものを作ってくれます。


 しかも夫の日曜大工は、新たに材料を買わないで、捨てるはずだったものを再利用したり百円ショップのものを工夫したりする事も多いので材料費が安く済む事がほとんどです。


 今作っている照明も、壊れた書斎の照明を利用して作ろうとしています。


 毎日の帰りが遅いにも関わらず、時間を上手く使ってやっています。

 日曜大工以外にもユーチューブの編集や執筆、その他の仕事、もちろん自分のやりたい趣味だってやっているのですから凄いです。


 休みの日はたまに、朝方5時や6時ごろに目がさめると夫が布団に入ろうとしている事があるので

「今から寝るの?」

 と聞くと

「いや、ちょっとトイレに起きただけだよ」

 などと嘘をつきながら寝ようとします。


 私も知ってて聞くんです、「いつまで起きてたのよ」という意味合いを込めて。

 だけど夫は起きていた事を大変そうにした事はありません。

 むしろイタズラがばれた子どものように嘘をつきながら「そんなに起きてないよ」というフリをします。


 だから私も怒るわけもなく、昼ぐらいまで寝かせといてあげます。


 普段、料理はもちろん、電子レンジでチンすらしない夫ですが

 夜中にお腹が空いた時は、自分でカップラーメンを作って食べているようです。


 食べるって分かっていれば、おにぎりなりサンドイッチなりを作っててあげるのですが、さすがに亭主関白の夫でもそれを頼んできた事はありません。

 私は別に構わないんですけどね。


 日曜大工の話に戻りますが、夫はただ作るだけじゃなく不便さに対する工夫も凄いのです。

 ネコタワーを買ったのですが、最初の頃は全く使ってもらえませんでした。


 そのうちに寒くなって暖房を使うようになってから、エアコンの吹き出し口に近いところにネコタワーはあったために、猫たちは暖かい場所みーつけた!とやっと使い出すようになりました。


 けれどこのネコタワー、子猫用だったのか寝る場所や隠れ場が小さめなのです。

 あ、だからあまり使われなかったのかもしれないと。

 それで夫はネコタワーまで手作りで改造したのです。


 その時もネコのミニラグマットみたいなのを再利用しました。

 それが先日完成しましたが、今では二匹ともお気に入りで使っています。


 日曜大工って木をトンテンカンするだけじゃなく、夫の場合は必要ならば針でチクチクもします。

 私なんかより手芸は得意のはずです。凄いでしょ、何でも出来るでしょ。


 という本日も夫の自慢でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る