第72話 新区長からの電話
補欠選挙を控えた年の一月、仕事から帰ると、「石田さんから連絡があった」と父は言った。石田さんは、今年の新年総会で新たに区長に選ばれた人である。「白鷺町を良くする会」に入ってほしいという依頼であった。
「白鷺町を良くする会」は、ボランティア約五十名が公民館に定期的に集まって、地域活性化のイベントなどを行っている団体だ。毎年二月には蕎麦を打ち、老人だけが住むお宅に届けたりしている。
地域活動は、選挙の際に町内の票を固めるための助けになる。区長から参加の依頼が来るということは、僕が補選に出ることを想定して、地域の代表として運動しやすいように配慮してくれていることが容易に想像できた。
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