第三十章
第三十章 それぞれの
三月二十三日、月曜日の朝。
それぞれが目を覚ました時、目の前にあったもの。幻のように儚くも、安堵させる喜び。漏れ射す明かりに微笑み、彼らはまた手を伸ばした。そこに確かにある愛を確かめるように。
そして、時は流れ――――二〇二一年、三月。一年後の四人は、今日。人生の大きな一歩を踏み出すことになる。
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