第33話 戦況

ーーーーーー08/25 セントスカヤ陥落


都市の防衛部隊の王国軍は敗走し、救援部隊と合流。


首都、ソヴラスクへの侵攻を目指す帝国軍を迎え撃つ為、穀倉地帯であるヴェールタル平原にての迎撃作戦を構成。


王国軍残存兵力、1000。


帝国軍およそ8000。









「ここか」


「だな…ここで、数時間後に日が明けたら…


……」


「どうした、剣折れ」


「…お前は、どうしてそんな飄々といれるんだ」


「何に対して、だ」


「このままだと負けるんだぞ…?」


「こんな時に及び腰になってどうする」


「だが…」


「シャキッとしろ、シャキッと。お前がオドオドしてるのは似合わん」


「…ああ、そうだな」




「中々いい雰囲気じゃないか」


「これで仲が良くなってくれればいいんだけど…」






ーーーーーー8/26 0423


作戦地域近くに男女4人ほどの集団を発見。


…「例の人物」も含まれる為、干渉せず。






…来た。


土煙が上がっている。


騎馬部隊に、中心には長大な槍を持った人物を発見。


距離、約3000。


既に防衛陣地にはM2を設置してあるし、構えてはいる。


非戦闘員の2人には下がってもらい、剣折れと共に王国軍の陣地に行ってもらった。


ここからだ。




ーーーーー8/26 0635


日が昇り始めた。


前方に騎馬部隊を発見。


その数およそ1000。






「…貴様は」


「少しだけ、我が主から話がある」


「なっ…」


「恩知らずの末裔のお前らが、唯一生き残れる道だ」






距離、2000。


…有効射程に、入った。


照準には、騎馬隊が捉えられている。


「じゃあな」


引き金が、引かれる。






「突っ込めー!!!」


【槍】が、命令とも言えない言葉を叫ぶ。


それに呼応するように、周囲の兵士が、声を上げる。





…はずだった。

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