第29話 雑談

鐘の音が鳴ると共に、揺れる。


ようやく列車が発車するみたいだ。


「まず、東の帝国へは船で向かうから、そのためにこのまま港町まで行くの」


広げられた地図。多分だが、一般には売られてないであろう地図だ。


何故かって?


…要塞やら橋やらがやたら細かく書かれてるからな。


まぁいいや。


「それと学園の説明ね」


「おおっ!お待ちかねだな」


「えっと…まず初等部、中等部、高等部に分かれるのよ」


「ふむふむ」


「そして中等科から学部が分かれるの。4つあって普通科、研究科、戦闘科に自由科」


「…自由科?」


「全ての授業を免除できる特待生コースのことよ。ただ、学園から任務的なのが与えられるみたい。


入学できる人なんて殆ど居ないけどね」


「ふぅむ…どうやって入るんだ?」


「まさか入るつもり?


まぁいいわ。ただの模擬戦闘と教養試験で合格すればいいのよ。


つまり、戦闘能力とモラルがあれば入れるわ」


「…やってみようぜ」


「ちょっと、私は受けないわよ!?


元々入れる程の実力なんて無いわよ!」


「お前は1つ見落としてるさ」


そう言って、ある1枚の紙を差し出す。


「これは…学園のチラシ?」


「あぁ…ここにはこう書いてある。


『自由科の入学試験には、最大4人で受けられる』、ってな」


「…分かったわよ。乗った


あなたの実力は知ってるからね」


「そりゃありがたいこって」

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