第23話 困難

手記をパタンと畳み、彼の手に戻す。


再び、手を合わせる。


そして行こう。


彼の犠牲を無駄にはしない…なんてね。


俺はまだ生きたいのさ。


コツコツと、白い床を鳴らしながら進む。


そうすると、広間が目に入る。


そして、2体の何か。白色と黒色に別れている。


そして広間の中に足を踏み入れると、突然こちらに向かって走ってくる。


…意外と早い。例えば、住宅街の通りをめっちゃ早い速度で飛ばす頭がぶっ飛んでる車ぐらい。


なに、例えがよく分からないって? …俺もよく分からん。


敵は2体とも殴り掛かってくる。


右に咄嗟に避けると、一体が食らいついてくる。


「まずっ!」


そのまま追撃に脇腹を強打され、壁まで吹き飛ぶ。


【闇縅】さえ貫く衝撃に、目を白黒させる。


なんとか前を見ると、同じタイミングでまた2体が突っ込んでくる。


今度は、【闇縅】で大盾を出す。


黒色の攻撃は防げた、だが、白色によって切り裂かれる。


しかし、攻撃の勢いは止まらず複合装甲の1枚目…つまり、対物理用の装甲が攻撃を受け溶ける。


2枚目の対魔法用がほとんど削られながらも受け止めてくれる。


そのまま一旦距離を取るが、すぐ詰められることは明白だった。


「どうすればいいんだ…?」

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