第13話 暗殺者

ややあって手渡されたのは、ボルトアクション方式のライフル。もちろん木製。


「なぁ、スコープってあるのか?」


「スコープ、ですか?」


…どうやら無いみたいだな。


うーん…そもそも銃の戦術自体が確率されてない感じか?


いやでもボルトアクションがあるのにスコープが無いとは。


多分ボルトアクション方式を理解してる転生者が作ったんだろう。


【器】みたいに簡単に銃は魔法でも魔術でも出来ないだろう。それこそ魔法でイメージしたら…!みたいなのは無理だろ。銃の部品何個あると思ってるんだ。


あとやっぱりMP5みたいにスタンダードなサブマシンガンもいいな。


SIGのMPXとかも使ってみるか。


うーん、サブマシンガンはかっこいいの多いからなぁ…悩むが…まぁ後々考えればいっか!


正直銃なんてかっこよさで選んだ方がいい。今時の銃の性能なんて大体一緒だ。奇抜な奴じゃなければ。


「あぁ、そうね…【器】さん、少し着いてきてくださる?」


「あぁ、わかったが、どこに行くんだ?」


「それはお楽しみ、ということでいかがでしょう?」


「…それはなんとも楽しそうだな」


そう言いながら俺が召喚された部屋…というかなんというか…広間?から出ていく。


廊下に出るが、騎士も横にぴったりと着いている。


…密かにポケットの中にG42でも出しておこう。






ようやく出てきやがった。


あれが例の次女と転生者か。今回は簡単な任務だな。


すぐ終わらせてやる。





「…ッ!?」


それは何か、直感的なもので。


俺は窓を向いて、G42をポケットから取り出す。


その瞬間、まるでラペリングをしたかのように窓から突入してくる。



ーパンッ



しかしその勢いは止まらず、窓ガラスを割って入ってくる。


だが、腹に1発食らったようで動かない。


…ここで死なば諸共と魔法なり使われると困る。そんな魔法があるかは分からないが。


足で体をひっくり返す。


顔には、仮面。ヨーロッパによくある舞踏会で付けてそうなやつだ。


腹からはどくどくと血が流れ続けているし、割れた窓ガラスの破片には腹を撃たれた時の返り血も着いていて悲惨だな。


「おい、誰か2人こっちを手伝ってくれ」


お姫様を守るように騎士が4人着いているが、壁を背にしたら2人守るだけで減らせるだろう。


「わ、分かった」


…なんでこんなことで動転してるんだ。


「なぁ、こんなことはいつもないのか?」


「あ、ある訳無いだろう!」


「ふむ…平和なんだな」


意外と平和だったな。こんな世界じゃそういうの当たり前だと思ってたけど。


まぁいい。とりあえず仮面を剥がしてもらおう。


「仮面を剥いでくれ。抵抗するようなら俺がトドメを刺す」


「わかった…」


騎士が鎧を鳴らしながらフードと仮面を外す。


「詰めが甘いぞ貴様らァ!!!!」


暗殺者が、いつの間にか手甲鉤を装着しており、騎士2人の内1人の首を切り裂く。


もう片方は顔面を割かれ、悶えている。


鎧の弱点を突いた攻撃だ。


しかしその攻撃は早すぎる…とてもじゃないが常人ではない動きだ。


「さて…第2ラウンドと行こうじゃないか転生者さんよォ!!!」


「クソっ…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る